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西日本豪雨
地方切り捨てと災害対策怠り多大な犠牲

災害を口実にした地方ローカル線廃止を許すな!

事実上の廃線宣言

 JR西日本の来島社長は7月18日の会見で、中国山地を走る芸備線、木次線、福塩線の全線復旧は1年以上先とし、「存廃は地元自治体との協議次第」と表明した。これは地元自治体が費用を出さなければ復旧しないという事実上の廃線宣言だ。 JR西日本は、三江線廃線につづいて赤字ローカル線を一気に廃線にするというのだ。これは2011年の東日本大震災の時のJR東日本がやった方式だ。JR四国でも九州でも同じことが起きる。

JR北海道でも一気に

 この18日のJR西日本の会見を受けてか、JR北海道も、5路線5線区の廃止方針を固め、国も北海道も容認したと報じられている。
 すでにJR北海道は、2016年に、「単独では維持が困難な線区」として10路線13線区1237・2キロと発表し、「存続は沿線の自治体などと協議する」としてきた。これらの線区が廃止されると、北海道の路線は現在の半分近くになる。

JR貨物も経営に直撃

 JR貨物も深刻だ。鉄道輸送の大動脈である山陽線の広島・山口間の復旧も11月中と言われ、トラックや船舶による代行輸送を行っているものの、輸送量は平常時の13〜14%の水準、さらに毎日5千万円の赤字で経営を直撃している。

堤防補強よりダム優先

 西日本豪雨に伴う大災害は、死者・行方不明者が230人を超える大惨事となっている。これは「命よりも金もうけ」の新自由主義による人災であり、安倍による国家犯罪だ。
 堤防決壊と冠水で最多の死者が出た倉敷市真備町は、2005年の「平成の大合併」で倉敷市に合併され、真備支所に格下げされた。職員も半分に減らされ、住民の避難に大きな困難をもたらした。7・1国鉄闘争全国運動の集会で、自治労倉敷市職の仲間は「慢性的な人手不足で月百時間を超える残業の職員も」と訴えていた。
大洪水を引き起こした小田川は、以前から危険が指摘されていたが、堤防補強工事も行われてこなかった。2015年の鬼怒川堤防決壊をはじめ、河川が氾濫し堤防決壊による大水害が毎年のように引き起こされている。
 しかし、国の治水対策費は1997年をピークに削減が続き、2018年には3分の1にまで減らされてきた。そのうえに巨額な建設費と利権を生み出すダム建設を優先させ、浸水危険区域の堤防補強が後回しにされてきたのだ。
「選択と集中」、地方を切り捨て、そして災害対策に金をかけず、災害に対する抵抗力を奪った結果が大惨事をもたらしたのだ。
 そして全国どこで起きてもおかしくない深刻な事態だ。

なにが「国民の生命と財産をまもる」だと!

 「治山治水」は古代でも最優先の政策課題。しかし、安倍政権はそれもそっちのけで、東京オリンピックやリニアに何兆円もの税金を投入しようとしている。「国民の生命と財産をまもる」と称して、陸上イージスを3千億円×2基導入を決定し、改憲と大軍拡に突き進んでいる。
 広島、岡山と並んで甚大な被害がでた愛媛県と今治市は、安倍の腹心の友の加計学園の獣医学部新設に、186億円超の補助金を投入する。絶対に許せない!

安倍による国家犯罪!

 気象庁が記録的大雨の恐れがあるとして厳重警戒を呼び掛けた夜、安倍や上川法相らはオウム大量処刑の前祝いとして酒宴を開いていた。「災害が起こる」という警告は意図的に無視・抹殺され、「災害対策よりカジノ」という安倍政権に対して、被災地や全国で怒りが爆発している。こんな連中が政治権力を握り続ける限り労働者民衆は殺されていく。今こそ労働者民衆が立ち上がり、安倍を権力の座から引きずり降ろす時だ。

組織拡大! 闘う労働組合を歴史の最前線に登場させよう!
 
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