最低賃金の改定にあたって動労千葉は9月10日、CTSに抜本的な賃金引き上げを求めて団体交渉を行った。千葉県内では月3日から県内の最低賃金を64円引き上げ、1140円とすることが決まっている。
大半のCTS事業所で最賃に抵触する
会社は、現在の千葉県内の事業所ごとの時給について左表のように回答した。
【 千葉県内の最低賃金 】
2024年度 2025年度(10月3日~)
1076円 → 1140円(+64円)
【 CTSの県内事業所賃金 】
<千葉エリア>1140円
※西船橋・津田沼・幕張・京葉・南船橋・千葉・
成田空港の各事業所
<東京から70キロ圏>1130円
※木更津・一ノ宮・成田の各事業所、成東作業所
<外周区>1120円
※鴨川・館山・銚子の各事業所
<66歳以降の契約・パート社員>
西船事業所錦糸町派出 1200円
その他の県内全事業所 1110円
県内では千葉エリア以外の全事業所で、66歳以降の雇用者(シニア契約・パート社員)では錦糸町派出を含む全事業所で10月以降、最賃に抵触する。千葉エリアですら、最賃ギリギリだ。
また、千葉県の審議会は今年度の最賃引き上げを10月3日以降としたが、CTSは10月1日分から時給を引き上げると回答した。
最賃の後追いでなく「生活できる賃金」を!
組合からは、この数年間、続いている物価高騰をふまえて、「最賃とのイタチごっこではなく、社員がちゃんと生活していける賃金」を基準に時給引き上げを検討すること、具体的には最低でも1500円に引き上げることを求めた。
組合アンケートによれば、CTSでは正社員平均ですら手取り額は20万円に満たず、日勤の契約社員では15万円にも届かないのが現実だ。
JRはコストカット=人件費抑制をやめろ!
同時に、JRからのコストカット要求を拒否し、労賃の上昇分を委託費に正当に上乗せするよう強く求めた。
コロナ禍以降、JR東日本は、グループ会社に10%ものコスト削減を強要し、CTSでも年間1億円近くのコストカットが押し付けられた。
それが一段落した24年度も、コインロッカーの業務移管で約1億円の利益が取り上げられ、CTSは初の赤字決算に転落した。
CTSの支出の約8割は人件費だ。JR東日本による下請けいじめは全社員の賃金抑制、要員削減に直結する。
CTS本社は事あるごとに「会社の体力がない」「経営状態が厳しい」と賃上げを拒否しているが、JR東日本とCTS経営陣が結託し、現場社員に矛盾をしわ寄せするやり方は、本当に許しがたいものだ。
CTSは今こそ抜本的な賃金引き上げを行え!