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動労総連合申第9号団交報告(9/9)
偽装請負の追及に対して開き直りの回答に終始

 JR東日本が昨年10月末提案してきた検修・構内業務の全面外注化に関する団交は、昨年12月17日に1回目を行って以降、9ヶ月以上も開催されないまま推移している。こうした中動労総連合は、JR東日本が01年に強行した検修業務の一部委託に関して「偽装請負」が行われている事実があることから5月に申し入れを行った。しかし、3ヶ月以上も意図的に日程を入れないという不当な対応が続いたが、9月9日に団交が開催された。

世の中がガチガチでなかったから偽装はよかった?

【委託した構内運転業務について、JRが直接請負会社の作業員に行っていることについて】
組合 会社は、現場(G会社の作業者)に直接指示が行われていることを認識していたのか。
会社 最初の頃は偽装請負について世の中もガチガチではなかった。つい言っちゃった(指示した)ことはあった。
組合 労働省告示はどの程度把握していたのか。対策は。
会社 管理者には01年にグループ会社を含めて周知している。
組合 委託から9年になるが、偽装請負の事実がある。会社とG会社との間でやり方を変えていること自体、偽装請負を自認しているということだ。
会社 今は、世の中が厳しくなっているので、作業責任者を兼任しないようにしている。しかし、作業責任者の兼務は、弁護士と相談しても偽装請負に当たらないとの見解であった。

【「緊急の場合JRが直接指示する場合がある」について】
組合 回答では、安全衛生上緊急に対処する必要がある場合、JRが直接受託会社社員に指示する場合があるとしているが、「緊急」とはどのような場合か。
会社 作業責任者を介するいとまもない時に、無線等を使って指揮命令を行っている。作業責任者は常駐する必要はないが、連絡体制はできている。
組合 具体的に緊急とは何か。
会社 緊急と認めれば緊急であって、辞書を引けば分かる。
組合 開き直りを止めろ。安全衛生上の緊急とはどういうことかと聞いている。
会社 人の生死にかかわること、またはダイヤの乱れ等、列車運行やお客様に影響するなど、社会的に影響が大きいと判断した場合だ。
組合 列車の運行にかかわることも直接指示するのか。
会社 列車に当たりが出るとか、輸送に影響が出る時等はグレーゾーンだと考えている。派遣法に則り取り扱う。
組合 誰が「緊急」を判断するのか。
会社 判断は、発注元のJRになる。具体的には区所の現場長である。
組合 防護無線を受信した場合、復位するには指令と直接やり取りすることになるが、どう対処するのか。
会社 安全問題になるため、復位する場合の安全の確認は、指令との関係で行う。
基本は、作業責任者に連絡することになっている。
組合 法律のとらえ方が違っている。列車の入換等では「緊急」が頻発し、拡大解釈につながってしまう。
会社 今の体制が100%だとは言わない。法律で決められたことはやらなければいけない。しかし、仕事もやりやすくしたい。会社として、拡大解釈することを考えているわけではない。

JRがマネジメントする会社は、独立した会社ではない

【技術力がないG会社に検修業務等を委託することについて】
組合 職安法では、業務委託に関して、請負会社は「自己の有する専門的な技術若しくは経験に基づいて業務を処理する」となっているが、千葉鉄道サービス(CTS)などは検修技術は全くない状況だ。こうした会社に委託すること自体偽装請負ではないか。
会社 整備会社への業務委託は以前から行っており、他の会社には任せられない。教えればできるだけの技量は持っている。CTSに技術力や経験がないとは思わない。構内業務を委託する場合、CTS以外にないと考えている。
組合 業務委託に関する協定議事録では、「安全や技術に関する必要なマネジメント体制を整備会社に構築する」と確認されているが、必要なマネジメントとはどのようなことか。
会社 安全に関しては技術力だけの問題ではない。情報や意見交換等も重要だと考えている。事故防止検討会、安全パトロール等に参加してもらい、JRと同じようなマネジメント体制を作ってもらう。
組合 JRがマネジメントしてG会社を作ること自体、本来の独立した会社とはならないはずだ。
会社 技術力があるから委託するということだ。一定の期間は出向でまかなう。
組合 業務委託した場合は全てJRの出向でまかなうのか。プロパーの割合はどの位になると考えているのか。
会社 全てJRからの出向でやるつもりはない。出向者がプロパーにノウハウを教えてもらいたい。
組合 検修業務については、「一括で行う」としているが、全社一斉に行うのか。
会社 規模は違うが、開始は一緒に行いたい。

「JRが責任を負うことになる」ー偽装そのものだ!

【委託した業務により事故が発生した場合でもJRが責任を負うことについて】
組合 協定議事録では、「委託した業務に関連して事故等が発生した場合でも、お客様に対する責任はJRが負う」としているが、労働省告示に反するのではないか。「乗客に対する責任」とはどのようなことを指しているのか。
会社 乗客に損害を与えた場合などは、JRかG会社かを問わず、JRが責任を負うことになると考えている。その上で、業務委託した部分について業務上の失敗によるものであった場合は、JRとG会社が協議した上で損害の割合や額を決めていくこととなる。
組合 G会社の場合、体力との関係で全ての損害をまかなえるのか。
会社 通常の事故でも額や責任のあり方が違う。G会社との間で協議することになる。

【京葉車両Cでの転削ミスに関する損害の扱いについて】
組合 京葉車両センターでは、08年に委託された車輪転削で業務上のミスで車軸交換が行われているが、CTSに損害を請求せずにJRが弁済している状況がある。
会社 転削ミスの弁償は10対0ではない。双方で協議し、必要な請求は行うことになる。千葉での2件の転削ミスについては、事象毎に請求を行った。

【土・日に委託会社の作業責任者がいない場合、JRが直接作業員に指示している問題について】
組合 千葉支社管内では、土・日に委託会社の作業責任者がいない場合があり、そのときにはJRが作業員に直接指示を行っているが、これは偽装請負になるのではないか。
会社 作業責任者に指定された者に連絡することで契約しているので、休みであろうが問題ないし、どこにいても構わないと考えている。CTSが指定した者に連絡するということだ。その後は、CTSがどのように指示するかはJRとしては関知していない。この間、弁護士とも確認し、法的には問題ないとのことだ。

【「自己の責任で調達する機械、設備若しくは機材又は材料により業務を処理すること」との関係について】
組合 労働省告示では、「自己の責任で調達する機械、設備若しくは機材又は材料により業務を処理すること」となっているが、JRとG会社との関係ではどのように処理されているのか。
会社 専門的技術を持っているG会社に委託しているので、必ずしも有償で貸与する必要はないと考えている。
 車両の部品等については、一般的には調達できない物であり、JRが調達した部品をG会社が使うように契約している。
組合 習志野運輸区のように、三鷹の車両を千葉で検査するように支社をまたぐ場合があるが、この場合、作業するG 会社と部品を扱うG会社が違うが、この場合、G会社間で直接部品のやり取りを行うのか。
会社 この場合は、JRの技管が管理する。部品が複数の会社にまたがった場合は、JRを通じて行うことになると考えている。

本人が同意しなくても出向命令はある?

【業務委託に伴う出向の取扱について】
組合 出向問題については、松下ディスプレー事件で「違法」との判断が出されている。JRの業務委託も出向者がプロパーを教育することについては、松下事件と同様に違法となるはずだ。
会社 松下の場合、発注者が指揮命令を行ったと認識している。JR東日本が行っている業務委託は違う。相手側には基礎的技術力はあり、ノウハウもある。出向の取扱については、今までと同様に行うこととなる。
組合 出向協定を締結していない組合に所属する者についてはどうするのか。
会社 その場合でも出向協定に基づき行うこととなる。
組合 本人の意思が「NO」で同意がない場合はどうするのか。
会社 就業規則に入っているから問題ないと考えている。
組合 強制出向に関してはこの間様々な紛争が起きて問題になっている。そうなることも含めて行うのか。
会社 裁判の判例があることは承知しているが、就業規則で取り扱う。
 出向命令については、一般論としてはある話だ。
組合 出向については、通常3年と考えられるが、連続する場合もあるのか。
会社 仮定では答えられないが、通常、期間等については「いついつまで」と指定する形になる。通常は3年である。
組合 入社時には出向などなかった。出向に出して、その後の責任はどのように考えているのか。
会社 決して100%の業務を出すわけではない。整備会社に、60歳以降の働く場を確保することとなる。

団交も行わないまま、現場では委託後の人工調査

【検修業務外注化の4月1日実施を見送った理由及び団交が開催されない理由について】
組合 昨年12月以降、9ヶ月以上団交が行われていない。
会社 他の組合も含めて、どことも団交はやっていない。
組合 団交も行われていないのに、実際には現場で、委託後の人工調査まで行われている。不誠実団交の極みだ。
会社 ベースの調査がなければこれからのことは何も議論できない。先の提案で業務委託について「1500人分」と回答したが、これと同じように必要なことを調べている。あくまでも会社としての範囲で行っている。議論せずに進めるわけではない。
組合 千葉では、委託に関する教育の契約まで行われている。団交も開かれず、まだ妥結もされていない段階で何故このようなことが行われるのか。
会社 今の業務委託に関する中身で、教育の契約を行うことは考えられない。
組合 4月1日実施が延期されているが、何らかの対応は考えているのか。
会社 新たな枠組みでの提案は考えていない。
組合 検修業務の委託については、いつ頃までに実施したいと考えているのか。
会社 速やかに行いたい。年度は越したくないと考えている。
組合 偽装請負そのものである検修業務の外注化計画は、即刻中止すべきである。

検修・構内業務全面外注化阻止!強制出向粉砕!組織拡大!
第2の分割・民営化攻撃粉砕へ、ストライキで闘おう!

大失業と戦争の時代に通用する新しい世代の動労千葉を創りあげよう!
 
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