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戦争阻止の労働者の行動を通して、労働運動の高揚を
10・20戦争阻止労働者会議(サンフランシスコ)に参加して
 執行委員 清水 匠

本会議で発言に立つ清水執行委員

 10月20日、米・サンフランシスコにおいてILWU(国際港湾倉庫労働組合)ローカル10とローカル34主催による「戦争阻止労働者会議」が開催された。この会議に動労千葉も招集され、清水匠執行委員と動労千葉を支援する会山本事務局長の2名が参加した。会議には全米各地で戦争反対を闘う労働者・労働組合のほか、闘う人士など約100名が参加、またイギリスからRMT(国労)が6名の代表団を派遣したのをはじめ、カナダやオーストラリア、ニュージーランドなど各国から労働者が参加し、戦争協力阻止を掲げた国際連帯あふれる会議となった。

本会議で動労千葉が冒頭に発言

 戦争阻止労働者会議は、19日19時からローカル10事務所ヘンリーシュミットルームでの歓迎会で始まり、ジャズバンドの生演奏のなか参加者がそれぞれに談笑するという形ではじまった。ここでは11月労働者集会に参加した労働者とも再会し、現況や今年の労働者集会について話を交わした。
 20日はローカル10のハイヤリングホールという大講堂で朝9時から全体集会が開始された。はじめに主催者としてILWUローカル10・34の各委員長など地元サンフランシスコの労働組合の代表者が歓迎の言葉をそれぞれ述べたのち、各発言者がそれぞれ決意を述べた。最初に動労千葉が発言にたち、国鉄分割・民営化から今日の日本における労働者の現状などを明らかにするとともに、日本では労働者の怒りによって情勢が大きく変わってきたこと、また11月集会の意義などを訴え、参加をよびかけた。またつづいてRMTボブ・クロウ総書記、オークランド教育協会(教員組合)ベティ・オルソン委員長、ボブ・マンデル同執行委員、ジェレミー・コービン英国会議員、息子をイラク戦争で失いブッシュ弾劾の先頭に立っているシンディ・シーハンさん、ローカル10クラレンス・トーマス執行委員がそれぞれブッシュの戦争を弾劾し、労働者が立ち上がることを訴えた。

「階級闘争と戦争」分科会に参加

熱心な討論が行われた分科会

 その後11時近くから3つの分科会に分かれて、それぞれのテーマごとにさらに討論を行った。動労千葉は、「階級闘争と戦争」と題した分科会に参加し、ここではイラク戦争への自衛隊の派兵と戦争協力拒否について、沖縄11万人集会など戦争阻止の闘いが日本でも勝ちとられていること、労働者・労働組合が立ち上がれば戦争は阻止できること、また日米韓の労働者の国際連帯が重要であることなどを訴え、11月集会への結集を呼びかけた。またこの分科会でもオークランド教育協会、RMTの代表が発言するなど、この分科会は労働組合の戦争協力拒否を確認するものとなった。またその後参加者からの発言を受け、最後に分科会としての決議を確認した。

アメリカにおける新しい潮流運動発展の兆し

 午後は13時から2つの分科会にわかれてさらに議論が交わされた。14時半からは全体の集約集会で、参加者からの発言をつぎつぎと受け、そののちいくつもの決議を採択。こうして15時まで行われた全体会議・分科会をとおして、戦争阻止の労働者の闘いを真剣な討論をとおして作ろうという溢れる熱意を感じた。また、11月集会に参加したアメリカの労働者が中心となり、ILWUの二つの支部が主催者となって呼びかけ、初めて開催されたこの会議が、アメリカにおける新しい労働運動の潮流となっていくだろうことを確信した。そのためにも、日本の11月集会の成功と発展が重要だと強く感じた。
 締めくくりに18時からローカル34のホールにてお別れ会が開催され、会議の成功をともに確認するとともに、日米英の労働者の連帯が一層深まったことを実感しました。(下記に10・20決議を掲載)

<10・20戦争阻止労働者会議 決議>

 戦争阻止の労働者の行動を通して、労働運動の高揚を

アメリカならびに世界中の圧倒的多数の人民は、イラク・アフガニスタン戦争に反対しているがゆえに、

アメリカの二大政党、民主党と共和党は、これらの戦争への資金供給を評決し続けているがゆえに、

労働者の行動を基礎とした国際的労働運動こそが、この戦争を止める力を有しているがゆえに、

イラク、アフガニスタン人民は殺され続け、国が破壊し尽くされる中で、パレスチナ人民の権利が露骨に否定され、アメリカ帝国主義権力とシオニスト、傀儡アラブ君主主義者、将軍など地域的同盟者は、イラン、シリアへの攻撃の拡大を実行すると威嚇しているがゆえに、そして

イラク、アフガニスタンへの血なまぐさい外への侵略戦争が遂行されている中で、内なる「対テロ戦争」はアメリカの働く民衆を標的にしているがゆえに、
1.9・11以降の政府による最初の弾圧は、ILWUに向けられた。2002年の協約改定交渉でブッシュ政権は、港湾を軍隊で占拠すると威嚇した。
2.つい最近、国家安全保障の名の下に、2人のブラックの港湾労働者がサクラメント港で警察の攻撃を受けた。それは正に、人種的予見主義と警察の残虐さの犠牲者だった。一方、イラク戦争の開始時には、多くの戦争に反対する人々と港湾労働者が、オークランド港でのデモンストレーションで警官から射撃を受ける事態が発生した。
3.ニュー・オーリンズと湾岸地区のハリケーン・カトリーナの被災者は、そのほとんどがブラックと貧しい人たちで占められる。彼らは、世界が見守る中、侵略戦争に余念のないアメリカ政府による非情かつ人種差別的な無視の政策によって、避けられるべき死を強制された。そして、ルイジアナ州ジーナの校庭の木から下げられた首吊り縄は、人種差別が如何に深々とアメリカに根を下ろしているかを見せ付けた。
4.ここに住む人民は、スパイ、異常な国外追放、反戦闘争に対する警察の弾圧など、アメリカの憲法と権利章典で保護されるべき市民的権利の凄まじい侵害に晒されている。
5.偉大な反帝国主義の労働運動指導者であうユージン・V・デブスは、第1次世界大戦時の獄中から次のように言っている。『戦争を宣言するのは支配階級であり、闘いを求められているのは被支配階級だ。』中東において、石油と権力のための血なまぐさい帝国主義的搾取に晒されている我々若き労働者階級にとって、これは今日的な言葉である。
6.そして二つの政党は、パレスチナ人民を抑圧し、人民の基本的権利を否定して、イラン、シリア、レバノンへ戦争を拡大しようとしている。

よって以下を決議する。
本会議は、労働者の独立した動員こそがこの戦争を止め、直ちに撤兵を実現できるということを自覚し、すべての参加者が自らの労働組合に帰り、職場生産点での反戦ストライキを含む可能な限りの行動を組織化するという緊急課題に献身的に取り組むことを呼びかける。

大失業と戦争の時代に通用する新しい世代の動労千葉を創りあげよう!
 
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