起きていることはすべて人災だ
原発・放射能汚染・津波・大失業
▼未だこの現実!
死者数は1万人をこえ、どこまで増えるのか未だ予想もつかない。今も数千の遺体が体育館などに放置されている。2週間以上がたつというのに、避難所に届いている食料は未だ1日にお握り一個・パン一個のレベルだ。政府は完全に統治能力を失っている。
避難所や病院、老人介護施設が深刻だ。避難所や病院で亡くなる人が急増している。ガソリンがなく、病人を病院に運ぶこともできない状態が今も続いている。ガソリンは不足しているわけでも、輸送できないわけでもない。破壊されたこれまでの流通経路以外の手段での輸送コストを考えて企業は動かず、政府は何の手も打っていないのだ。無為・無策によって無数の人たちが殺されている。水も飲めず、牛乳や野菜も食べられず、海水からも高濃度の放射能が検出されている。
この期におよんでもなお、政府やマスコミは「健康上問題はない」と繰り返している。パニックを起こすことを恐れてまともな避難対策すらとっていない。これはもはや犯罪行為だ。
▼大失業が始まっている
被災地だけではない。すでに全国で膨大な労働者が職を失い、解雇されている。その数が何十万人に及ぶのか、未だ把握すらされていない。震災や計画停電で無数の事業所がとまっている。自動車、電気など、数千・数万点の部品を一次・二次・三次下請に丸投げしてきた収奪構造のなか、全国で多くの大工場がストップしている。非正規職に突き落とされてきた労働者たちは、社会保障も全く適用されない状況のもとで収入の手立てを失っている。日本は失業列島になろうとしている。
この事態に対して厚生労働省がやったのは、「休業保障をする必要はない」という通達を出すことだった! 労働者も農民も漁民も全てが生きる手立てを失おうとしている。
こんな状況の中、大銀行が共同で東電に1兆2千億円の融資を行なうことを決定した。奴らは東電の倒産・国有化をにらんで、絶対にとりっぱぐれはないとふんでいるのだ。それは全て労働者に付けが回されるのだ。
さらに、当座の円を確保しようする資本家、それにむらがって利鞘を稼ごうとする投資家どもによって急激な円高が進み、日銀は80兆円をこす金融緩和対策を実施した。ハゲタカのような奴らだ。社会のあり方が根本的に間違っている!
▼悲劇の本質
地震で生命を落とした者はほとんどいない。何の対策もとられてこなかった津波によって殺されたのだ。起きている悲劇は、徹頭徹尾、資本主義・市場原理・新自由主義攻撃によってもたらされたものだ。日がたつにつれその本質は剥出しになっている。
原発がその象徴だ。日本には原発がなくても電力需要をまかなうだけの火力・水力発電所がある。政府と電力会社はそれを停止させ、あたかも電力が足りないかのように宣伝し、情報操作をして54基もの原発を造り続けた。原発建設は1960年代から進められてきたが、それが一気にエスカレートしたのは、1983年にレーガン政権と中曽根政権のもとで新日米原子力協定が締結されてからだ。核燃料再処理施設、高速増殖炉、ウラン濃縮施設の建設、レーザー濃縮の研究が一気に推進された。原子力政策は、新自由主義攻撃、民営化を軸とした労働者への全面攻撃と完全に期を一にした資本主義の生き残り政策であった。それに何兆円もの国家財政が投入された。その何分の一かが堤防対策に使われていたらこんな悲劇は起きなかった。三陸沖での地震は「99%の確立で起きる」と予測されていたことだ。過去にも十数mの津波がおし寄せた記録があるというのに現実はたった3mの堤防。これが現実だ。
政府は今も各地の原発を稼働させ続けている。今、止めなければいけない! 浜岡原発は活断層の上に立っている。東海大地震も近く必ず起きると予測されている。今度は津波ではなく原発の直下で起きるのだ。だが、価値増殖が自己運動する資本主義社会では、それがどれだけの人命を奪おうが限度などないのだ。
▼全世界の仲間たちに
損壊した原発からは高濃度の放射能が放出され続けている。何度もの爆発で大量の使用済み核燃料が露出し、炉心の状態は把握することもできない。
これから何が起きるのか、誰もが恐怖に震えながら、日々を生き抜くために懸命に闘っている。労働者も農民も漁民も逃げることなどできないのだ。
「絶対に安全だ」と言って原発建設を推進した奴らに怒りがこみあげる。われわれは全ての原発を停止させるために闘いぬく。
全世界の仲間たちに訴えます。今こそ原発と核を廃絶するために立ち上がってほしい。「すべての原発を止めろ」と日本政府に怒りの声を叩きつけてほしい。
起きている現実はわれわれの力を遥かにこえたものだ。しかし、満ち溢れる怒りの声と結びつくことでそれに立ち向かうことのできる力を獲得しなければならない。生き抜くために闘おう。
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