年 月 日

Ｎｏ.

　この年末から年始にかけて、風雨等による運転規制が頻発したが、その過程で、臨時徐行に関する通告が行われない、徐行箇所や速度を指示しないまま列車を運転させようとする事態が次々に発生するという、運転保安上極めて重大な事態が連続して発生した。

　12月27日、前日からの激しい雨に伴い、沿線の木が斜めになっているとして外房線・大網〜土気間において、45�q／ｈの臨時徐行が行われた。しかし、東金線から京葉線に入る１６３６Ｍに対しては、徐行に関する指令からの通告が一切行われないという、信じがたい事態が発生した。動労千葉は、直ちに申し入れを行い、１月19日に千葉支社との団体交渉を行った。（経過は左記のとおり）
組合　今回通知しなかった列車は１本と回答しているが、６時40分〜11時30分までに東金線から外房線に入った列車は何本だったのか。
支社　計４本あった。１６３０Ｍと１６３２Ｍは大網駅到着時にチャンネルを変えたときに一斉情報が聞こえたので指令に通告を要請した。１６３４Ｍは一斉情報を聞き徐行を行ったが、通告は行われていない。１６３６Ｍも通告できなかった。
組合　なぜこうした重大事態になったのか。
支社　保線で大網駅４番線に徐行板設置を失念したことに加え、指令も外房線での徐行ということで外房線しか見ていなかった。そのため東金線から外房線に入る列車について通告を失念してしまった。
組合　東金線から入る列車２本から通告要請があったときに気がつかなかったのか。
支社　・・・。
組合　徐行は、土砂崩壊や倒木等の危険があるから速度を規制したわけで、通告がされないために所定の速度で走行して事故が発生したら大惨事になるところだった。また、作業員がいた場合には、昨年１月の伯備線での触車死亡事故と同様の事態になりかねない重大問題だ。事実が明らかになるにつれて事態の深刻さが鮮明になってきた。
支社　この件も含めて千葉支社として重く受けとめている。二度とないように対策を講じていきたい。

徐行区間も通告せず、分・民20年目の矛盾

　また、12月27日には、内房線でも臨時徐行に関して指令が徐行区間や速度を指示しないという問題が発生している。運転士・指令間のやりとりは以下のとおり。

指　令　１１３３Ｍ、佐貫町〜上総湊間は速度規制35�q／ｈになります。
運転士　了解。
※上り運転士に現場を15�q／ｈで通過させた後、佐貫町まで35�q／ｈ運転を指示。その後、同運転士に駅間に異常がなかったことを確認。
指　令　安全の確認ができたので、先ほどの速度規制は解除します。
　　　　　　なお、佐貫町〜上総湊間に徐行箇所があります。注意して行ってください。
運転士　了解。徐行箇所はどの辺でしょうか。
指　令　……（「何�qって距離言わなくちゃいけないのか」と周りの者に聞いている）
　　　　　　（しばらくして）54�q８００ｍ付近になります。
運転士　了解。徐行速度は何�q／ｈですか
指　令　……（「徐行速度何�q／ｈて言わなくてはいけないのか」と、また周りの者に聞いている）
　　　　　　（しばらくして）表示板の速度に従って下さい。
運転士　何�q／ｈの徐行か分からないのですか。
指　令　表示板の速度に従って下さい。
運転士　了解。

　さらに、今年１月７日には、新小岩〜平井間（荒川橋梁）での強風の警報を失念して７本の列車に風規制（25�q／ｈ）の通告を失念するという事態まで発生している状況だ。
　こうした事態は、単に指令員のミスという問題ではない。鉄道会社として列車を運行する技術力そのものが無くなっていることをあらわすものだ。分割・民営化20年目にしてこうした事態が続出していることについて会社は真剣に考えるべきだ。指令員は規程や運転取扱、線路等を熟知した者を登用しと。反合・運転保安確立へ闘おう！