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レール側面の摩耗に関する緊急申し入れで千葉支社と団交
14日にレール交換を行うことを確認

14日にレール交換

 動労千葉は、レールの側面が車輪のフランジにより大きく削られ、踏面もボロボロという極めて危険な状態であった、総武快速線(下り)幕張本郷駅陸橋の千葉方付近について、緊急の申し入れを行い、昨日(6月9日)、6月14日にレール交換工事を行うことを確認した(「日刊」6月8日付6093号参照)。交換されるのは29q550〜720までの170m。
 レール側面が、最大11o削れていたというのだ。しかし千葉支社は、交渉のなかで、「予測しうる状態」「基準値内」等主張し、事態の深刻さを否定する発言に終始した。

 ここは、6月6日に総武快速線のレール交換計画について確認したときには、次のとおり「計画を策定中で夏〜秋にかけて実施したい」したいと言っていた箇所である。

総武快速線レール交換計画

▼6月7日
 下り線 28q840〜29q90(250m)
▼6月16日
 下り線 25q156〜25q783(627m)▼6月29日
 上り線 13q12〜13q997(997m)
▼7月27日
 上り線 31q398〜31q743(345m)
▼早急に計画を策定
 下り線 30q付近(幕張本郷駅陸橋下付近)


  千葉支社は、以上のレール交換により、昨年のレール破断時に、「レール破断箇所と同様の損傷のある箇所」と診断された263箇所は、100箇所程度まで解消されるとしている。
 ※ なお「263箇所」は、全ての損傷を含むものではない。また、損傷が連続する箇所は、ひとつひとつの傷ではなく、一定の区間が一ヶ所として計上されている。

到底、万全とは言えない

フランジによってレールの側面に段差ができるほど削られている。これ以上削れると車輪がレールの上に乗り上げ、尼崎事故のように列車が空中に飛び出す危険性が出てくる

 だが、これで万全の安全対策がとられたとは到底言えない状態である。6月7日をもって、最も損傷の激しい区間250mのレール交換は終わったが、残す箇所はこれからだ。相次いでレールが破断するという異常事態を考えたとき、レール交換は当座の対策とはなっても、けして根本的な解決とは言えない。
 しかも、なぜ総武快速線・津田沼〜幕張間にあれだけ無数のレール損傷が発生しているのかは、未だその原因は不明だという。また、下り線・幕張本郷駅付近の無数の損傷について、会社はその緊急性を否定しているが、われわれには到底そうとは思えない。

○保守・検査体制が問題だ!
 何よりも問題は、なぜレールが真っ二つに折れるまで深刻な事態だと把握できなかったのかということだ。さらに昨年の事態を受けて、12月にはレールの管理基準を厳しくしたにも係わらず、レール破断の続発を止められなかったことだ。つまり「未然に防止する」保守・検査体制が崩れてしまっているということである。検査周期の大幅な延伸や保線業務の丸投げ的外注化の見直しが求められていることは明らかである。

○レールが耐えられなくなっている
 第二の問題は、レールも基盤も、かつてより格段に強化されているはずの総武快速線でレール破断が集中的に発生していることだ。これは、無理なスピードアップや増発に線路が耐えられなくなっていることを示している。線路や基盤の構造、車両構造がレールに与える影響等、深刻な問題がつきつけられていることは間違いない。

○安全に対する経営姿勢の問題
 第三に、経営姿勢に係わる問題である。1年半にわたる闘いのすえ、順次レール交換が進められることになったが、それでよし、とするわけにはいかない。傷だらけのレールを交換するのは、ある意味当然である。だが、なぜレール交換が済むまでの間、徐行をかる等の緊急の対策を しないのかということだ。
 深刻な事とすら受けとめていないのか、会社内に言い出せる雰囲気がないのか、そうした声を受け入れる姿勢がないのかである。だが、本当に線路に責任をもとうという構えのある保線屋なら、例え支社長や本社と喧嘩になろうが、他系統と喧嘩になろうが主張するべきことだ。
 われわれは「抜本的な安全対策が済むまで、レールに損傷のある箇所は速度を制限すべきだ」と要求し続けたが、テンから拒否されてきた。
 だが、尼崎事故に行き着いた大きな要因のひとつは、運転屋も、車両屋も、保線屋も、すべてが営業屋になってしまっていたからではないのか。
これは、安全無視の経営姿勢という意味では極めて根本的な問題である。──闘いなくして安全なし。この原点を今一度心に刻もう。

大失業と戦争の時代に通用する新しい世代の動労千葉を創りあげよう!
 
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