−「四党合意」不当労働行為事件− 中労委の反動命令弾劾! 10月29日、中央労働委員会は、昨年5月30日に自民党などによる「四党合意」の国労への強要が不当労働行為であるとして、自民党、運輸省、JR東日本を相手に争っていた「四党合意」不当労働行為事件の再審査申し立て事件について、動労千葉の請求を「棄却する」との反動命令を交付してきた。
われわれは、この中労委の反動命令を腹の底からの怒りを込めて弾劾するとともに、この命令を覆し、「四党合意」の不当労働行為性を明らかにするために今後も全力で闘いぬくものである。 自民党・国土省・JR東日本の使用者性を否定
命令の概要は以下のとおりである。
(1)自民党と国交省の使用者性
@不当労働行為禁止規定によって規制を受ける使用者とは、労働組合法がこのように(労働協約の締結のための団交及び手助けを)助成しようとする団体的労使間系上の一方当事者たる使用者を意味する。
Aこの団体的労使間系は、労働者の労働関係上の諸利益についての交渉を中心として展開されるものであり、労働契約関係又はそれに準じた関係をその基盤としてして必要とする。
B自民党と国交省は団体的労使間系にないことは明らかである。
Cしたがって、自民党と国土交通省は使用者に当たらないことは明白である。
(2)JR東日本の当事者性
@四党合意は、紛争当事者である国労の一定の責任的対応を得ることにより、政治レベルでの決着を図ろうとする試みであって、団体的労使間系上の行為ではないから、JR東日本の関与の有無を問わず、不当労働行為の問題を生じさせるものではない。
(3)都労委での手続きについて
@不当労働行為の申し立てを受けたときは「遅滞なく調査を行い、必要があると認めたときは、理由があるかどうかについて審問を行わなければならない」と規定しており、申し立てが理由のないことが、審問をおこなうまでもなく明らかな場合には、審問を行う必要がないことは明らかである。
A労働委員会の規定も、法の規定を前提とするもので、初審決定の手続きに違法があるとの主張は失当である。
(4)結 論
@自民党、国交省及びJR東日本に対する救済申立てを、却下した初審決定の判断は相当であり、組合側の主張は採用できない。 |
労働者の利益に影響を及ぼす者
この命令では、労組法1条を理由にして自民党及び国交省の使用者性を棄却している。労組法で規定する使用者とは、労働者の諸利益に何らかの影響を及ぼしうる地位にある一切の者であり、労働者の自主的な団結と、団結目的に関連して対抗関係に立つ者としている。
しかも直接の雇用関係にある者の間での交渉だけでは十分に目的を達成できないことから、現実の政治、経済状況において、労働者が地位向上を図るために使用者との交渉においてのみ求めても、十分に達成することはできず、達成する手段として必要な政治活動や社会活動を妨げるものではない、と最高裁が認めているように、単なる交渉だけの問題だけで使用者とすること自体誤りであると言わなければならない。
そして、自民党や国交省も、労働者の基本的な労働条件について、部分的とはいえ同視できる程度に現実かつ具体的に支配、決定できる地位にあることは明らかであり、使用者として不当労働行為責任を負わなければならない。 JR東日本の当事者性は明らか
また、JR東日本についても、現に「JRに法的責任がない」という「四党合意」でいう最大の項目を認めさせ、その上で裁判の取り下げを国労との話し合いの条件としているなど、まさに当事者としての影響力を及ぼしていることは明白である。
一方「政治レベルでの決着を図る」から団体的労使間系上の行為ではないとしているが、実際には「四党合意」の国労への強要により、保守部門の全面的な外注化に関して国労本部が設備及び運輸関係について妥結しているという点では、重大な影響を及ぼしていることはあまりにも明白である。
以上のことからも、今回の中労委による反動命令の不当性は明らかである。 行政訴訟で闘いぬくぞ!
また、中労委における手続きについても徹底的に弾劾されなければならない。通常は、再審査申立てを行った場合、どのような場合であれ労使及び公益委員の三者による調査を行い、事件の内容について整理し、それぞれの主張を展開する。しかし今回の中労委の姿勢は、組合側からの再三の要求に対しても調査を開始するという意思を絶対に示さず、突如として反動命令を下してきた。
しかも、10月13日〜14日に国労大会が機動隊に守られて開催された直後に「四党合意」事件の却下命令を下してくるということ自体、極めて政治的と言わなければならない。
われわれは、こうした中労委の反動命令に対して「四党合意」という新たな国家的不当労働行為を徹底的に弾劾し、行政訴訟への提訴も含めて断固闘いぬくものである。
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