JR貨物またもベアゼロ回答
9年連続ベアゼロを弾劾する
貨物会社は、3月21日22時に2008年度新賃金回答を行い、またしても「ベアゼロ回答」を強行した。われわれは、この回答を怒りをもって弾劾する。貨物会社はただちに組合要求に基づいた再回答を行え。
会社の回答内容は、「定期昇給のみ実施」「55歳以上の社員の賃金改善措置として、基本給に1300円を加算する」という素っ気ないものだ。労働者の切実な要求であるベア実施について、今年も会社は拒否したのだ。
動労総連合は、08春闘にあたって38000円の賃上げ要求を提出し、団体交渉において現場で働く労働者がこの間のベアゼロの連続や欠員状況のなかで、生活が苦しくなっている現状を指摘し、賃金の大幅な改善をもとめてきた。
貨物会社のベアゼロ回答は、これで9年連続となる。九年前の最後のベアも百円玉ひとつだった。十年間で百円玉ひとつ、冗談じゃない、こんなことが許せるか。これでは、実際には賃金切り下げそのものだ。税金や社会保険料の引き上げ、物価、教育費用などこの十年で大きく変化している。徹底して労働者に犠牲を転嫁することしか、資本は考えていないのだ。断じて許すことはできない。
しかも貨物会社は、この間職場の慢性的な欠員状態を放置してきた。これも「赤字決算」だからと、極端に新規採用を制限し、2年間新規採用を停止してきたことが、今日の職場の欠員状態を招いているのだ。すべて「赤字解消」を口実として、ベアゼロを強行し、期末手当を抑制し、職場を欠員にしてまでおこなってきたことが、今日の貨物会社の姿として現れている。一切が労働者の犠牲の上に行われているのだ。
しかも、こうした姿勢を今後も強化するとすでに公言している。08年度に始まる新中期計画「ニューストリーム2011」では、「徹底したコスト削減」が声高に叫ばれている。今後4年間で1600人が定年退職を迎える一方で、同期間の新規採用は1200人しか計画しないなど、要員削減の計画だ。また新人事・賃金制度の構築が言われている。いっそうの賃金抑制を狙っているのだ。
9年連続のベアゼロは、この賃金抑制の土台となるのだ。「ベアは会社の将来への影響が大きいから出来ない」という会社の主張は、この先もベアはやらないという宣言に等しい。ここをぶち破らない限り、労働者の生活は改善されることはない。ベアゼロそのものを容認し、小手先の諸要求の改善ですませる日貨労を弾劾し、ベアの実現にむけて全力で闘おう。
会社は、ただちに組合要求に基づいた再回答を行え!
貨物会社「嘱託社員制度の改正」を提案
貨物会社は3月6日「嘱託社員制度の改正」について提案した。
これは、2001年度以降導入された60歳定年退職者のグループ会社への再雇用機会提供制度、さらにはその翌年度導入された貨物会社本体での再雇用制度である「嘱託社員制度(旧制度と記す)」を実質的には廃し、本年4月定年退職者からは、「希望する者は貨物会社の嘱託社員として再雇用する」という内容で、これを就業規則化する。
なおグループ会社へ業務委託している場合は一般社員と同様に「出向」扱いとなり、労働時間、休日等は出向先の定めによる。
この「制度改革」は、これまでのグループ会社と貨物会社本体間での賃金、年休数など労働条件の差に大きな問題となっていたことを是正する意味合いがある。動労総連合も「嘱託社員への一本化」を求めていた。
この提案を受けて動労総連合は、「申第6号」で嘱託社員の基本給の引き上げなどを求めた申し入れをおこなった。
動労総連合は、定年の65歳への引き上げを求め続けており、嘱託制度も定年延長実現の中で解消を求めていくが、同時に65歳まで安心して働くことのできる労働条件確立に向けて、今こそ全力で闘おう。
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