京浜東北線 神田―秋葉原間で転落事故
外注化でまた命が奪われた!
また下請け会社で死亡事故
6月14日午前3時33分頃、京浜東北線の神田―秋葉原間で21歳の下請け会社の労働者が転落死する痛ましい事故が起こった。
事故当日は高圧ケーブル用の吊架線の新設作業が行われていた。その際に張線器が外れ、吊架線が高架下の道路に垂れ下がった。その吊架線とトラックが衝突した。衝撃で吊架線を押さえていた労働者が高架下7m
の道路に転落したのだ。犠牲になったのは鉄道経験わずか1年3ヶ月の青年だ。
経験ない作業で事故が起こった
事故の直接の原因は張線器取り付けに用いたカラビナの破断だ。取り付けを行った作業員の吊架線張り上げ経験は、より細い規格で数回だけだった。カラビナでの取り付けも標準的作業ではなかった。そして、荷重に耐えられずカラビナが破断し、事故が起こった。
また今回の作業は、線路閉鎖とき電停止を行った上で行われた。そのき電停止は3時40分まで、線路閉鎖は4時30頃までだった。
吊架線が垂れ下がった時間は3時31分だ。送電開始時間まで10分もなかった。時間に追われる中、無理にでも作業を終わらせようとしていたのではないか。垂れ下がった吊架線の対応も、安全対策がないがしろにされたのではないか。事故報告をみるだけでも疑問がわき上がる。少なくとも初めての作業にあたらされる中で事故が起こっているのだ。
事故は全面外注化の結果だ
この吊架線新設作業は、JR東日本から日本電設工業に外注化され、実際の作業はさらに明和電工に丸投げ外注化されていた。JR東日本の社員は現場に一人もおらず、日本電設工業の社員さえ15人の作業人員の中でわずか2人だけだった。
丸投げ外注化で全体に責任をとれるものもいない。しかし、作業だけは終わらせなくてはならない。その中でやってはならないことが行われ、事故が起こったのだ。これが外注化の結果だ。何より外注化を進めてきたJRにこそ今回の事故の責任がある。
JRこそ責任を取れ!
しかし、J R は全く責任を取ろうとしない。外注化で責任も丸投げしているのだ。
本来、鉄道にかかわる作業はJR自身が責任を取るべきだ。実際に線路閉鎖や送電停止を行うJRが、現場でも責任を取るべきだ。それは、今年2月の京浜東北線川崎駅事故で学んだばかりではないのか!
コストカットのために外注化し、労働者を下請けに突き落とし、命さえ犠牲にするなど絶対に許せない。J R こそ事故の責任を取れ!今すぐすべての外注化を撤回しろ!
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