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No.

不可能なことを強制するな
安全運転闘争貫徹し、3・16〜18ストへ!

これが「安全指導」!

 改めて次の文書を見てほしい。これは、尼崎事故の後、職場で行なわれた唯一の「指導」であり、千葉支社長の談話である。

JR発足以来の大惨事発生

1決められたことは確実に実行する
2お客さまの立場にたった接遇(言葉使い・態度に気をつける)
3制服の正しい着用
4執務の厳正(喫煙・雑誌及びジュース類の持ち込み禁止、背面カーテン開放)
5乗務員室では携帯電話の電源を切り、カバンに保管する


 基本動作や安全確認の徹底を指示しており、乗務員らの健康にも留意している。現状でも安全性に問題はない。(原田千葉支社長)

 107名の生命が奪われた現実を前にし、これが「指導」だというのだ! 要するに「基本動作の徹底」以外は、世間体に気をつけろという事だけだ。危機感、真剣さの欠けらすらない。

「基本動作」の現実!

 JR東日本という会社は、安全感覚が壊れてしまっている。どんな事故があっても、運転士に「指導」されることは「基本動作の徹底」だけだ。そして、基本動作をしていなかったことが徹底的に追及され、乗務を降ろされて、就業規則の書き写しなどをさせられて全てが処理される。全ては「お前が悪い」という形で責任は現場だけに転嫁されるのだ。
 だが、その「基本動作」なるものは、一体どんなものなのかが問題だ。基本動作の典型は「指差換呼」だが、会社が定めたとおりやったとしたら、次のようになる。
 次に掲げたは、総武快速線の千葉駅を出発してから、稲毛駅に到着するまでの例だ。運転時分は3分30秒。この間指差換呼は23回に及ぶ。

総武快速線/千葉〜稲毛間の指差換呼
1ブザー試験「ブザー良し」
2「パイロットランプ、点」
3「〇番線第1出発、進行」
4「時刻表確認、千葉定時」
5「ATS−P投入、良し」
6「制限、45」
7「ゲージ、良し」
8「第2出発、進行」
9「制限、解除」
10「制限、70」
11「制限、解除」
12「制限、115」
13「制限、解除」
14「本線場内、進行」
15「黒砂、通過」
16「出発、進行」
17「制限、100」
18「制限、解除」
19「第6閉そく、進行」
20「〇両稲毛、停車」
21「第5閉そく、進行」
22「パイロットランプ、滅」
23「第4閉そく、進行」

生理的に不可能だ!

 3分30秒で23回とは、約9秒に1回、指差換呼するということだ。次の稲毛駅〜津田沼駅間(6分20秒運転)は32回の換呼が定められている。約12秒に一回だ。言うまでもなく運転士はその間にブレーキやノッチ、機器扱いを行なう。
 乗務員の勤務は、長いものは日勤で9〜10時間の拘束だ。こんなことを乗務の間中ずっとやり続けるなど、そもそも生理的に不可能なことははっきりしている。ものすごいスピードアップが行なわれている状況のなか、指差換呼することだけを自己目的化してこんなことをやり続けたら、逆に間違いなく事故を起こす。これが会社の「指導」の実態であり、乗務の現実である。

国鉄時代の指導

 少なくとも国鉄時代には、当局は、動力車乗務員の事故防止に関する教則本で、次のような見解を明らかにしていた。

○ 事故が減れば減るほど事故防止対策は細かく、かつ具体的であらねばならない。「信号の確認」とか「打ち合せの徹底」とか言う文字で事故防止対策なれりと考えたのは昔のことで、今は、ひとりひとりの、しかも、仕事をする場所毎の、すぐに応用できる方策を乗務員に示さなければ真の効果は期待できない。

○ 不注意という言葉は、事故の真因を隠す煙幕のようなものであるからもちいない方がよい。

 いずれも『動力車乗務員の運転事故防止』(関東鉄道学園編)より。

 だが、今のJRに、こうしたことを言う管理者は誰ひとりとして居ない。こうした真っ当な判断力さえ失われている。

なぜこんなことが!

 「安全」という、膨大なコストのかかる問題を真剣に考えるような管理者は、皆「組合寄り」と見られて排斥された。東労組と結託し手先として、職場など、動労千葉や国労潰し一本やりで強権的に支配できるという異常な労務支配を続けた結果、管理機構までおかしくなり「安全の崩壊」という面でも深刻な陰を落とすに至っているのだ。「とにかくコスト削減・競争原理で突っ走れ!」「東労組以外は組合じゃない徹底的に差別し潰せ!」・・・・・この二つがJR東日本という会社を支配してきた論理だ。さして安全は忘れ去られた。いつまでこんなことを続けるのか!

大失業と戦争の時代に通用する新しい世代の動労千葉を創りあげよう!
 
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