貨物会社は欠員を直ちに解消しろ
安全と要員は切り離せない
全職場で始まった要員不足と労働強化、犠牲の転嫁
国鉄分割・民営化の強行から20年近くが経過しょうとしていますが、その矛盾が要員問題という形で、解決不能な形でJR職場を覆い尽くそうとしています。とりわけ貨物会社は早くから関西・東海支社で要員問題が深刻化していますが、それが全貨物職場に拡大しようとしています。関東支社管内においても今年度になって、多くの運転職場で欠員状況が生じています。これは貨物会社特有のことではなく、時期の違いはあれ、全JRで起きる問題です。大量退職時代の到来のなかで、要員をめぐる問題は、最重要の闘いとなります。いま貨物職場で起きていることを、新小岩支部の例をとって報告します。
要員問題の矛盾の爆発
動労千葉の貨物職場であるJR貨物の千葉機関区・同新小岩派出では要員不足の中で深刻な問題が続いています。新小岩支部の乗務員会長に問題点を整理してもらいました。
@普段から年休が入り難い状態が続き、更に波動要員の補充もない状況で、定期臨・季節臨が重なった時などは、その間は、年休申し込みが1番目の人でも入らない。年休消化が出来ないばかりか、年間17日ある特休(注・貨物会社は乗務員交番作成にあたっては特定4週に3日特休を付与している。これが年間39日、残りが17日で、これは年末年始、G・W、盆休の貨物運休時に消化させているが、実際にはそれでは消化できない)すら消化出来ない人もいる。
A輸送混乱時に代替乗務員の手配ができず、ものすごいオーバーワークとなる。
B千葉の貨物職場においては20代・30代の乗務員は1人も居らず、一番若い乗務員でも43歳と、良く言えばベテランばかりです。退職者が続き、乗務員の補充が無いままで、今の交番を維持していくのは大変な状況です。
輸送混乱時には深刻に
要員不足を象徴する出来事として、一例をあげます。
ある日の新小岩派出32仕業。所定は9時43分出勤、19時35分退勤、新小岩〜鹿島サッカースタジアム一往復像の日勤行路です。翌日は35仕業で、15時15分出勤の泊行路です。
その日の32仕業、73列車、所定11時13分発車、ノンストップで13時04分着予定。ところが北浦鉄橋が強風のため不通になり佐原駅に臨時停車。6時間の抑止!その後、潮来、延方と停車し、鹿島スタに到着したのは21時01分。入換を行い、トイレにだけは行けたという状態で、21時49分に折り返し発車。片道だけでも10時間の乗務となる。
そして単機にもかかわらず、快速線は走っている時間帯なのに、22時46分千葉駅東番線にて抑止し、そのまま留置となり、運転を再開したのは翌朝4時55分。新小岩操到着は5時25分。結局18時間以上も機関車に乗りつばなし。交代要員がいないため、そのまま勤務予定の35仕業に乗務。
満足な休養も取れず、事故が起きたときの責任は誰に?実際に事故が増加している。会社の言う「安定輸送より安全を優先する」はいったいどこへ?
民営化強行が問息の本質
これは千葉の貨物職場だけの問題ではない、JR貨物全体・JR全体の問題だ。いくら新規に養成してもこれからの大量退職時代をむかえるなかで、民営化を前提とした会社は、退職者に見合う新規採用は行わない。まず要員削減ありきが資本の本質だ。貨物も再建計画での2年間にわたる新規採用停止が、今日の要員問題の根源にあるのだ。
団結して闘おう!
分割・民営化時とその後の新採停止。鉄道としての技術継承がおろそかにされ、営利優先のJR体制の中で、それは「尼崎事故」として矛盾が爆発した。
運行確保のために、日々現場で繰り広げられる苦闘。その上に胡座をかく、経営幹部と御用組合幹部。日貨労委員長にいたっては「東京タから稲沢まで乗務しろ」と平然と言う始末だ!
闘いなくして安全なし
適正な要員の配置、嘱託や再雇用ではなく、65歳まで安心して働ける労働条件を確立しよう!反合・運転保安闘争を水路に、1047名闘争と結合して、国鉄労働運動の戦闘的拠点であつた、貨物労働者の団結を取り戻そう!勝利の鍵は、JR体制と不屈・非妥協に闘う職場の団結、組織の拡大にある。トウジエン!
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