安全運転行動に対する不当処分弾劾!
安全を守ろうとする労働組合の闘いを否定するJR東日本を絶対許すな!
JR東日本は、尼崎事故を教訓化し、安全確保の経営姿勢に改めろ!
「 運転保安に関する申し入れ」 でJR東日本と団体交渉 (7/19)
動労千葉が「尼崎事故」から1ヶ月を期して開始した安全運転行動は、2ヶ月目に突入した。しかし、事故から3ヶ月が経過しようとする状況の中にあってもJR東日本の安全に対する姿勢はこれまでと全く変わらず、「
尼崎事故」 を何ら教訓化しようとしていない。その現れが安全運転行動に対する「 厳重注意」 処分の発令だ。絶対に許すことはできない。こうしたJR東日本の対応に対して7月19日に行われた団体交渉の中でも厳しく追及してきた。団交の概要は以下のとおり。
運転時分に余裕があるから回復できる?
組合 申し入れからすでに2ヶ月近く経過しているが、この間に国交省への報告も含めて行われたことから、改めて「
尼崎事故」 を踏まえた会社としての見解及び安全対策等について明らかにしてもらいたい。
会社 JR西日本で発生した列車脱線事故については、同じ鉄道事業者として重大に受けとめている。JR東日本においても同様の事故が発生し得ない状況ではないと考えている。ATSーPがあるから大丈夫だと言われているが、それだけでは事故防止はできない。今回、ATSーPについても国交省基準も含めて820箇所に設置する。
組合 「 尼崎事故」 の場合、過密ダイヤ、スピードアップ等により回復運転に駆り立てられるという問題がある。JR東日本においても同様であり、回復を行わないように指導すべきだ。
会社 鉄道輸送の安定性の問題もあり、遅れた場合には回復運転に努めることとなっている。回復運転ができるということは、列車の運転時分に余裕があると考えている。
組合 西日本でさえ「 回復運転は求めない」 としているにもかかわらず、東日本では全く対応しないということか。東日本でも事故後、職場では「
決められたことは守る」 という指導がされているが、それは西日本でも同じことが行われていたはずだ。遅れが許されない中で、回復運転に駆り立てられ、事故に行きついてしまったという背景事情を考えれば、回復運転を行わないということが安全を確保する上での最低限の条件だ。
会社 鉄道の安全は最終的には係員の判断によるしかない。現在、どこに問題があったのかがはっきりしない中では、今の仕組みをきちんと守ることが必要になってくる。そのためにも、回復運転については、運転士の技量の範囲内で行うことになる。
また、列車設定も無理なダイヤではない。乗降の流れが大きな要因で、最後に帳尻が合うダイヤになっており、問題ない。
常磐線・特快の曲線制限の教育は不十分
組合 7月のグループダイ改で、常磐線に「 特別快速」
が導入され、130q運転が行われる。「 尼崎事故」 の3日後に提案されたことも含めて、鉄道会社として危機感を全く持っていないと痛感した。提案でも「
市場競争は一層激化」 「 収入の確保」 「 対抗輸送との競争力強化」が叫ばれ、過密ダイヤ、時間短縮、スピードアップ、軽量車両導入を最優先させるなど、「
尼崎事故」 を何も教訓化していない。今回の特別快速は、規定にわざわざ1項目設けて、最高速度を特急(高性能優等列車)と同じ130qにしたが、曲線等における制限速度が在来の列車(その他の高性能列車)と同じことから、特急では問題にならなかった曲線の制限が、特別快速では発生するために、十分に周知されないままの乗務になっている。しかも、ランカーブも出さないままである。極めて危険であり、特別快速の130q運転は行うべきではない。
会社 7月9日のダイヤ改正は、安全を担保して実施してきた。会社としても自信を持って特別快速を設定したものである。ダイ改の中でも大きな施策であり、安全対策については全く問題がないと考えている。
組合 列車を安全に運転するためには、教育が十分でなければならないが、今回のダイ改では曲線の制限速度等について完全な教育ができたとは考えておらず、会社的に言えば「
完全な商品」 とは到底言えないものである。
速度向上区間は、運転時分短縮等の効果
組合 速度向上区間について、どのような根拠で設定されているのか。
会社 規程では「 注意信号等に対する運転速度の向上線区」
と規定しているが、通常、停止信号までに止まれる速度として注意信号は45q以下と規定されているが、新形式車両等の高性能車両が導入され、制動性能等が向上したことにより、注意信号を55qとした場合でも停止信号までに停止できることから、線区を指定して速度の向上を図っているものである。速度を引き上げることにより、高速域でのブレーキ扱いに余裕が生じ、乗り心地も向上と滑走の防止、運転時分の短縮等メリットがあると考えている。
組合 会社が挙げた理由は、結局利益を優先することしかない。先ほどの常磐線での特別快速130q運転もそうだし、千葉でも120qの向上区間内に45qポイントがあるなど、極めて危険箇所が存在している。乗客とすれば、130q運転や速度向上よりも、安全で確実に到着することを望んでいる。
会社 会社としては、速度向上区間の廃止及び130q運転について中止する考えはない。
(つづく)
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