線路破断の続発!JRは抜本的安全対策を行なえ
3/15-19安全運転闘争へ
総武快速線最高速度100q/h 鹿島線最高速度70q/h 滑川駅構内制限速度10q/h
17〜19春闘ストへ闘争体制を
▼3月15日始発時〜19日終着時まで、全本線運転士を対象とした安全運転闘争を実施し、抜本的な安全対策を求める。
@総武快速線(東京−千葉間)
→最高速度を100q/hに制限する。
A鹿島線(香取−鹿島スタジアム間)
→最高速度を70q/hに制限する。
B成田線・滑川駅構内
→制限速度を10q/hダウンする。
▼3月17日〜19日に、旅客関係全組合員を対象としたストライキを配置し05春闘に関わる要求の解決を求める。
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線路が折れるという信じられない事態の続発。しかも、昨年来続いていることを考えれば、何か偶発的な問題ではないことは明らかだ。われわれは運転に携わる者として危機感をもってこの事態を見すえなければならない。
締結ボルトが脱落
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総武快速線幕張電車区のすぐ脇。【写真上】黒丸で印した部分を拡大したものが【写真下】。レールと枕木を締結している金具とボルトが抜け落ちてしまっている
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3月10日、幕張電車区のすぐ脇を通る総武快速下り線で、幕張電車区の社員が線路とPC枕木を締結している金具とボルトが完全に抜け落ちてしまっているのを発見した。
NEXは120q/h、快速列車でも100q/hはだしている区間だ。
会社に報告し、まもなくボルトは締められたが、見るとその周辺の多くのボルトも、目に見てわかるほど弛んでいる。もちろんボルト締結作業にきた者もそれに気がついたが、標しをつけただけであった。
総武快速線のわずかの列車間合いだけでの作業だったため、抜け落ちた箇所以外のボルトの締め増しをすることが不可能だったのだと思われる。
数多くのボルトが
だが、問題はそこから先だ。見てみるとそこから幾らも離れていない箇所でも、ボルトと金具が完全に抜け落ちてしまっている。掲載した写真はその状況である。
さらに、弛んでいることを確認していったボルトについては、その夜、終列車後の列車間合いで補修するつもりでいるのだと思っていたが、翌朝になってもそのままの状態であった。
これは一体何を意味するのか。保線の労働者の責任にきせられる問題でもなければ、実際の作業を行なう関連下請け会社の責任にきせられる問題でもない。徒歩巡回周期の延伸や丸投げとしか言いようのない保線業務の外注化、保線区や保線管理室の廃止など、この間の保線合理化によって、線路を保守する体制が事実上崩壊させられてしまっているということだ。
検査周期の延伸!
次に掲げた表は、総武快速線の線路の徒歩巡回周期がどれほど延伸されているのかを示すものだ。これを見れば、どれほど保守の手抜きが行なわれているかは、一目瞭然である。
総武快速線(1b)徒歩巡回周期
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普通区間
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スラブ区間
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以 前
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1回/4日
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1回/10日
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95年
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1回/7日
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1回/15日
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01年
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1回/14日
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1回/28日
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徒歩巡回だけではない。列車巡回周期なども大幅に延伸されている。列車の運転速度がアップし、列車本数が大幅に増えていることを考えれば、本来ならば、それに合わせて線路等の保守作業はこれまでより強化されなければならないはずである。それが逆行しているのである。
業務の丸投げ外注
それだけではない。2001年に行なわれた、保線・電力・信号通信・建築業務等の丸投げ的外注化によって、線路の保守部門では、それまで「10保線区+18保線管理室」体制で行なわれていた千葉支社管内の線路の管理・検査業務が、わずか6箇所の保線技術センターに統合されてしまった。
千葉支社の保線体制(01年)
▼10保線区+18保線管理室
↓
▼6保線技術センター
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これは、1職場の受け持ち範囲が約3倍に増えたことを意味する。これまでベテランの保線労働者は、どの箇所に問題が起きるのか、線路のことから道床のことまで、自らの担当線区の線路状態を熟知していた。
そうした経験と蓄積をすべてぶち壊してしまったのがこの合理化攻撃であった。
設備関係要員削減
さらにそれだけではない。ことのとき、設備関係で3312名もの要員削減が行なわれたが、部外委託された所用数は2451名であった。差し引き861名もの純粋要員削減が行なわれている。
設備部門要員削減数(01年)
▲3312名
↓
《業務委託された所用数》
2451名
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これが、一方では労働強化となり、他方では保守を手抜きせざるを得ない事態となって現場にのしかかっている。
線路破断が続発するという事態は、こうしたなかで起きていることなのである。
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2005年3月12日付『読売新聞』京葉面
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構造的問題だ!
会社は、昨年来の線路破断の続発という非常事態的状況について、未だ「原因不明」としている。また、急きょ十数ヶ所の部分的なレール交換を実施した。
だが、それで済ますことのできる問題でないことは明らかである。01年の「設備部門におけるメンテナンス体制の再構築」は、「設備メンテナンスに関わる最先端技術の導入」を根拠として強行されたものだが、この間のレール破断で明らかになったのは、検測車による探傷などが、ほとんど意味をなしていなかったということである。
速度アップや列車増発が線路に与える深刻な影響に対し、保守・検査体制の余りにおそまつな現実こそが問題だ。まさに構造的問題であり、保守・検査体制の抜本的強化がなされなければならない。
抜本的安全対策を
この現実を放置しておくことはできない。われわれは次のとおり求めている。3月15日からの安全運転闘争で、
抜本的な安全対策を実施させよう。
1. 総力を結集して徹底した原因究明を行なうこと。
2. ベテランの保線労働者による管内全線区の徹底した総点検を行ない、その結果を明らかにすること。
3. シェリング傷やきしみ割れの認められる全箇所についてレール交換を行なうこと。
4. 前記の対策が終了するまでの間列車の最高速度を制限すること。
5. 線路検査周期を延伸前に戻すこと。
6. 保線・電力・信通等の業務について直営を中心とした執行体制に戻すこと。
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