高齢者雇用安定法の改正に基づき、JR東日本と交渉
再雇用について「法の趣旨は、希望者全員が対象」と回答
シニア制度差別撤廃に向けた大きな成果
05春闘をストライキで闘いぬこう!
昨年6月、「高齢者雇用安定法」が改正され、06年4月1日以降、@定年の延長、A継続雇用制度の導入、B定年制度廃止のいずれかを導入することが、企業に義務付けられた。
現在、JR東日本は、年金法が改悪されたことなどをうけて現行「シニア制度」を2001年度から導入してきた。しかしこの「シニア制度」では、組合側に「鉄道業務の委託を深度化する」という条文が盛り込まれた協定の締結を迫り、締結しない場合には「シニア制度」から排除するという、不当な対応を行っている。このため動労千葉は、これまでに4件にわたる不当労働行為救済申立を行い、うち2件についてはすでに救済命令が出されている。
定年延長は拒否、継続雇用制度導入を検討
こうした中で動労総連合は、今回の「高齢者雇用安定法」の改正に関して申2号をもって申し入れを行い、2月25日、JR東日本本社において団体交渉を行った。交渉の概要は以下のとおり。
組合 高齢者雇用安定法の改正に伴い、法が定めている定年延長あるいは、継続雇用制度の導入について、会社としてどのように対応しようと考えているのか。
会社(文書回答)高年齢者等の雇用の安定等に関する法律の一部を改正する法律の趣旨に基づき対応する考えである。具体的には現在検討している。
組合 法律では、定年延長または、継続雇用の導入を企業に義務づけているが、会社としてはどのようにしようと考えているのか。
会社 定年延長については、これまでも明らかにしたとおり、人件費がかさむことから考えていない。会社としては、継続雇用制度を考えている。
組合 継続雇用制度に関して、今回の法律改正の趣旨をどのように受けとめているのか。
会社 法律改正の趣旨は、再雇用を希望する者全員を対象とする法律であると考えている。
組合 現行「シニア制度」では、4月から現場長による面談が開始され、その中で協定を締結していない場合、「シニア制度」の適用がない旨の説明が行われ、関連会社の試験から排除されている。4月まであと1ヶ月しかない中で、どのように対応するのか。
会社 今回の法律改正の趣旨に基づいて、希望する者全員が対象になると考えている。
組合 再雇用の形態はどのように考えているのか。
会社 現行「シニア制度」と同様に、グループ会社への再雇用という形態を考えている。
組合 現行「シニア制度」の場合、関連会社による試験が行われているが、これは新規採用であり、法の趣旨から外れることになると考えるが。
会社 法に照らしてもマッチしていると考えている。グループ会社としても客観的に判断できるものとして行っている。
組合 法律では、労使協定により継続雇用制度の基準を定めるとなっているが、協定を締結した組合が社員の過半数を超えている場合は、継続雇用制度が導入されたということか。
会社 法の趣旨ではそのようになると考えている。
組合 この場合、協定を締結していない組合に所属する者にも継続雇用制度が適用されると考えるが。
会社 先ほども回答したように、再雇用を希望する者全員が対象になると考えている。
法律の縛りが変わったと考えてもらいたい。
具体的内容については現在検討を進めている所であり、3月中には具体的内容を提案できると考えている。
組合所属による差別=排除は一切できない
以上のとおり、今回の交渉で明らかになったことは、現行「シニア制度」においては、組合所属により動労総連合=動労千葉に所属している組合員が不当にも排除されてきたが、今後は、組合所属による差別=排除は一切できないということをあらわしている。
これは、この間JR東日本による「シニア制度」差別に対して、不当に排除された仲間たちを守りぬき、糾弾してきた闘いの成果として、大きく一歩前進したということだ。
05春闘にストライキで決起し、定年延長ー「シニア制度」差別の完全撤廃に向けて闘いぬこう!
●鉄建公団訴訟勝利3・7総決起集会
と き 3月7日(月)18時30分から
ところ 日本教育会館
●鉄建公団訴訟第1回公判
と き 3月11日(金)14時から
ところ 東京地方裁判所710号法廷
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