10月22日、運転保安上の二つの問題について千葉支社との団体交渉が行なわれたが、回答はきわめて不誠実なものであった(裏面に掲載)。
誉田駅2番線第1場内信号機にシステム上の重大な欠陥!
7月15日、誉田駅において、2番線に下り列車が停止しているにも係わらず、上り第1場内信号機の2番線が開通するという事態が発生した。
上り列車が信号に従って進入すれば、下りの出発信号機は開通できなくなる。また、一歩間違えば重大事故にもつながりかねないものだ。これはシステム上の重大な欠陥だ。
組 誉田駅の2番線第1場内信号機はシステム上、運転保安上、重大な問題である。回答は理解できない。
当 列車衝突等の防止対策は行われており安全上問題ない。
組 上り列車が2番線第1場内信号機を信号現示に従って運転したとき、下り列車は発車できないではないか。そう言うシステムになっていることが問題だと言っている。
当 通常はないがもしその様なことが発生した場合は列車をバックさせてもらうことになる。
組 運転士の感情や乗客との関係等も無視した回答である。運転が途中でバックしたとき乗客はどう思うのか。運転士がミスでもしたのではないかと思うではないか。
当 車内放送をしたりするのでそういうことはないと思う。
組 そう言う問題でない。もしその様な放送をしたら、JRは何をやっているんだということになる。下り列車が入っているのに、上り第1場内が開通するというシステムそのものが問題だと言っているのだ。システム自体に欠陥があるのだから、それを直すのが運転保安の確立だ。
当 システム上起きる可能性があるので、第1場内信号機で抑止するようにしている。
組 指令は知っていたのか。
当 知っていたので第1場内信号機の現示を落とした。抑止手配の時機が少し遅くれた。
組 システム上の問題であるならば改良する必要がある。
当 会社としても好ましくない事象ではあると認識している。しかし改良には莫大な費用もかかる。むずかいし問題があるかもしれないので信通関係者と協議したい。
組 われわれはこの間信号機の増設には反対してきた。第2場内信号機を廃止すれば良いではないか。
当 列車の運行を確保しなくてはならないので無理である。
組 会社の施策である列車の安全安定輸送の観点から考えても廃止が一番良いでないか。第1場内信号機に誘導信号機をつければすむ問題だ。
当 通常はないが、運転阻害を起こす事象であると認識しているので、ソフト、ハード面も含め検討していきたい。
組 現場には何の説明もない。事実について説明する必要はないのか。
当 あまり必要とは認識していないが、指導グループと相談していきたい。
運転士からの通告を無視して発車を支持(酒々井駅冠水時)
9月4日、酒々井駅構内が冠水し、進入した列車が床下機器まで水没するという事態が発生した。運転士が指令に状況を報告したにも係わらず、指令は規程を無視して発車を指示したため、起動した途端に機器が激しくショートし、破損するという事態が発生した。車両は、駅に進入したときの水圧で排衝器がグニャリと曲がり、また列車を発車させようとしたことにより、遮断器などは完全に溶損した状態であった。
組 事実関係を聞きたい。
当 20時14分、1475Mより酒々井駅発車の場面で冠水している旨の連絡があった。指令は短絡状態を確認したところ表示はなかった。1031Mが6分前に走っており、指令は35q以下で発車するよう指示した(その日この区間はすでに運転規制が実施されていた)。運転士より少し動いたところで動けなくなった旨の連絡があり成田派出の派遣を要請した。
組 冠水時における実態の把握はどの様にしているか。
当 運転士、駅からの通報と、指令が短絡状態を画面で把握することによるが、運転士からの通報が重要です。
組 運転士からの通報を軽く見たのはNEXルートということで動かすことに意識が強かったからではないか。
当 それはあったかもしれない。状態を詳しく聞き粗漏のない様にしていきたい。
組 今回は指令室の画面では把握できなかったというのは、システム上の問題か。
当 水の質によって感知できないことが多い。鉄分が多いと感知しやすい。
組 洪水の時に鉄分の多い水など通常ない。濁流である。運転中止の判断は指令が行うのにこのような状態では非常にお粗末である。
当 酒々井駅を要注意個所に指定し、大雨の恐れのある時は、関係者を派遣して状態把握をしっかりやり、早めに対策をとれるようにしていきたい。排水設備の関係は行政との問題あり難しいが行政と話し合っていきたい。
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