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年月 日 No. |
ダンパーの割ピン溶断−取付ピン落失、ボルト回り止めの破損等々・・・
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写真A |
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この間幕張電車区において、これまでに例を見ない車両故障や管理者の認識不足に伴う事故が多発している。とくにこの数ヶ月のうちに217系車両に関する割ピンの溶断や、それに伴うダンパーの外れ、ボルト回り止めの破損等が続発しているというのだ。
こうした事態は、この間の検修関係の検査周期の延伸=新保全体系合理化により点検内容が大幅に変更されたことにより発生していることは明らかだ。
また、3月ダイ改において、停車時分を短縮したことによる運転時分の短縮により、車体や台車等にはこれまでにない振動が容赦なく襲いかかっている。こうした状態がこれまででは考えられない故障の原因になっていることは明白だ。
写真@〜Bは、217系車両の台車に取り付けられている「左右動ダンパー」の取り付け状態を撮影したものだ。
写真@は正規の状態で取り付けられている箇所を撮影したものだ。
写真Aは、左右動ダンパー向かって右側の取付ピンが完全に抜け落ち、左右動ダンパーそのものが取付部から脱落している。
写真Bは、左右動ダンパー向かって左側の取付ピンが半分抜けて、落ちる寸前になっている。
取付ピンを止めているM型クリップが何らかの原因で溶断し、取付ピンが振動で抜け落ち、左右動ダンパーが脱落したのだ。
もし左右動ダンパーが台車から落ちたら重大事故になりかねない深刻な事態だ。しかもこうした事態は、先頭のTC車(上下)の第1台車に限定して発生しており、この間では6月に1件、7月に2件も発生しているというのだ。
一方、写真C、Dは、217系車両の車輪軸受け部分の前フタ取付ボルトの回り止めを撮影したものだ。
写真Cは、未使用の回り止め。
写真Dは、何らかの原因で右下部分の回り止めのうち1箇所が破損している。
軸受け前フタの取付ボルトについては、トルクレンチによる締付トルクが決められているが、幕張電車区の管理者は「100Nーm」で締め付けるように指示している。この数値は、ボルトが締まりきるはるか以前のもので、実際にもレンチがまだ回る余裕を残していたというのだ。後日、工場関係者に聞いたところ「止まるまで目一杯締める」とのことだった。また、作業標準でも最大294Nーm(ニュートンーb)になっており、所定の締付トルクの3分の1程度しか締め付けていなかったということだ。締め付けが弱いところに、列車の振動等が加わり、回り止めが破損したとしか考えられない事態だ。
車輪の軸受けといえば列車の走行を支える極めて重要な部分だ。現場では、あまりにも締め付けが緩く、危険と感じたため対策を取るように要求が出てたが、今回、ついに回り止めが破損するという事態にまで行き着いてしまった。千葉支社は、早急に対策を講じるべきだ。
検修職場をめぐる攻防はまさにこれからが正念場だ。千葉支社は、10月ダイ改から幕張電車区を「幕張車両センター」に変更し、幕張電車区縮小攻撃を本格的に始めようとしている。
これ以上の合理化ー要員削減は、車両故障・事故をさらに多発させる原因になる。
安全を確保し、運転保安を確立するために、職場からの反撃に打って出よう!