地労委命令(シニア制度差別第3次)履行と、 車掌業務外注化中止を求め申し入れ
千葉県地方労働委員会は、シニア制度差別に対する申し立て(第3次)に対して、シニア制度による組合所属による差別を行ってはならないこと、動労千葉組合員に対して再雇用の機会を提供することなどを命じる救済命令を発した。(日刊5885参照)
動労千葉は、今次救済命令の履行を求めて直ちに動労総連合を通じて申し入れを行い、救済命令の履行等を求めてきた。
しかし、JR東日本はすでに中労委に対して再審査を申し立てており、地労委命令を履行しないことをすでに明らかにしている。法をも守ろうとしないJR東日本の姿勢は厳しく糾弾されなければならない。
一方、シニア制度に関して、先の通常国会において「高齢者の雇用の安定等に関する法律」が改正された。ことにより、2013年までの間に定年年齢を段階的な引き上げること、継続雇用制度の導入等が義務づけられることになる。施行は2006年度からだが、法律が定められた以上これまでの「シニア制度」でいう「再雇用の機会を提供する」というものは通用しなくなるということだ。定年年齢の引き上げと、高齢者の再雇用を導入しなければならないということになるのだ。
JR東日本は、「シニア制度」を撤廃し、定年年齢の引き上げと高齢者の再雇用制度を早急に導入しろ。
一方、JR東日本は、今年のダイヤ改正から快速グリーン車内の車掌業務を外注化するとの提案を行ってきた。今年は高崎線、湘南新宿線等で、来年ダイ改では総武・横須賀快速線にも導入するとしている。
この間会社は、営業及び保守部門の外注化を強行してきたが、今回車掌業務にまで外注化の手を伸ばしてきた。
今回はグリーン車の特別改札業務であるが、今後はさらに拡大しようと狙っていることは明らかだ。JR東日本は、無謀な車掌業務外注化を中止しろ。
千葉県地方労働委員会命令履行を求める申し入れ
1.5月21日付で千葉県地方労働委員会から交付された「平成15年(不)第1号事件」の救済命令を速やかに履行すること。
なお、その具体的な履行について直ちに労使協議の場を設定すること。
2.すでに手続きが進行中の1944年度生まれの者に関する「再雇用機会提供」については、本人の希望に基づき、手続を行うこと。
3.高年齢雇用継続給付の支給額が、2003年5月1日の制度改正に伴い、支給対象月賃金額の15%まで引き下げられたことについて、「シニア制度」の提案にあたって組合側に説明してきた再雇用者の賃金の前提が崩壊したことを意味するものであり、「シニア制度」の存続そのものが問題にならざるを得ないと考えるが、会社の考え方を明らかにすること。
4.「 高齢者等の雇用の安定等に関する法律」 が一部改正されたことに伴い、65歳までの定年の引き上げ、継続雇用制度の導入等の高年齢者雇用確保措置が義務づけられたことに踏まえ、今後、高齢者の再雇用に関してどのように取り扱おうとしているのか、会社としての考え方を具体的に明らかにすること。
また、高年齢者雇用確保措置施行から3年間の取り扱い及び、3年間を経過した後の取り扱い等についてどのようにしようとしているのか、会社の考え方を明らかにすること。
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「普通列車グリーン車の新たな業務体制」に関する申し入れ
1.車掌業務については、列車を運行する上で列車防護等の運転保安及び、輸送混乱時等における乗客対応等において極めて重要な業務であるが、こうした車掌業務の一部を委託することは列車の安全を脅かすものであると考えるが、会社側の考え方を明らかにすること。
2.今後の車掌業務のあり方等について、将来展望も含めて会社側の考え方を具体的に明らかにすること。
3.グリーン車の車内業務委託について、次の点を明らかにすること。
(1) 車内業務委託に伴う車掌要員の削減数について
(2) 車掌業務の今後の委託計画等について 。
(3) 車内業務で委託する具体的な内容等について。
(4) 車内業務について「運転取扱業務と基本的に分離されている」 「運転計算ルール等の複雑な業務知識を要しない業務」としているが、その具体的根拠等について。
4.「車掌職等シニアの今後の再雇用機会の多様化を図る」としているが、グリーン車内の業務委託に伴う今後の再雇用者数等について明らかにすること。
5.事故・災害等に伴う輸送混乱及び、緊急事態が発生した場合の対応等について、具体的に明らかにすること。
6.グリーン車の車内業務委託については、運転保安及び異常時等における乗客対応等にとって極めて重要な業務であることから、今次業務委託計画を撤回すること。
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