夏期手当3・1ヶ月を要求
貨物超低額回答打破へ全組合員の力を
動労総連合は、5月26日に貨物、同じく28日に東日本に夏季手当の要求を提出した。
@基準内賃金の3・1ヵ月分。
A55歳以上については、減額前の等級・号俸の100%を算定基礎額とすること。
3日には東日本、5日には貨物と第一回交渉が行なわれたが、とくに貨物は、またも超低額回答を強行しようとしている状況にある。
この間貨物会社は、夏も年末も1・5ヵ月という超低額回答を強行し、日貨労は何ひとつ抵抗しないで、それを提案即その場で妥結するという大裏切りを続けている。
こんなことをいつまでも許しておくことはできない。しかもこの一時金からは「総報酬制」で、年金・健康保険の掛金だけでも1割以上が引かれることを考えると事態は深刻だ。全組合員の力で、貨物の超低額回答を打破しよう。
日貨労は03春闘でも、会社になり変わって、「定期昇給4号俸を完全実施させたことが成果だ」などと機関紙で書き立てている。来年は定期昇給4号俸を削られても仕方がないと組合側から申し出たようなものだ。
さらに日貨労は、「賃金制度見直しの時点で検修手当の新設を検討する」と約束させたことが03春闘の成果だとしている。これは「賃金制度の白紙見
直し」まで予め認めたに等しいことだ。断じて許せない。
一方東日本も、この3月決算では会社発足以来史上最高の利益をあげながら、03春闘ではベアゼロ回答を強行し、一時金も含めた人件費の抑制攻撃を強化しようとしている。
JR総連の裏切りを許すな。夏季手当満額獲得をかちとろう。
「総額報酬制」が始まる!
ボーナスが大変なことに!
毎月の賃金から引かれている年金や健康保険の掛金を、「総報酬制」にするという制度が今年4月から始まった。
簡単に言えば、毎月の賃金だけでなく、夏季手当や年末手当(ボーナス)からも掛金をとるということだ。そのかわり毎月の掛金は若干下がることになる。
下の表のとおり、期末手当から引かれていたのは、これまでは「特別保険料」として1%だけだったが、今回の夏季手当からは、何と年金と健康保険の掛金だけで11%以上引かれることになる。期末手当に限って言えば、11倍以上の掛金になるということだ。もちろん、これに加えてさらに税金が引かれるわけだから大変なことになる。
法律的には、すでに三年前に改悪され、施行=実施は二〇〇三年からと定められていたものだ。
やらずぼったくり!
言うまでもなく狙いは年金や健康保険の掛金を徹底的にとりたてるということだ。
その一方で、年金も医療制度もより抜本的な改悪が準備されている。すでにこの4
月から医者にかかった場合、医療費は3割負担となり、年金の支給金額も物価スライドを理由に1%減額されている。
それだけでなく、年金については保険料率(掛金)をさらに段階的に引き上げ、支給額を大幅に引き下げる等の法改悪が準備されており、医療制度も、これまでの健康保険制度を解体してしまうような改悪が準備されている。
さらに財界は「消費税を15〜16%まで引き上げよ」と政府に提言している。弱肉強食−「やらずぼったくり」───生きる権利そのものが脅かされる時代が来ようとしているのだ。
二百万人がスト(仏)
フランスでは、この4月2〜3日、年金改悪に反対して、200万人がストライキに起ちあがっている。この闘いは政府との交渉が決裂したため、14日以降もストが続き、交通機関などの混乱が拡大している。今ほど労働組合の存在価値が問われているときはない。闘いに起ちあがろう。
「総報酬制」に伴う厚生年金・健康保険料率の変更
2003年3月まで
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厚生年金
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健康保険
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介護保険
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合 計
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毎月の賃金
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10.045%
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4.06%
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0.50%
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14.065%
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夏季年末手当
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0.5%
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0.5%
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1.0 %
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↓
4月以降
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賃金・手当 同率
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7.845%
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3.10%
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0.36%
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11.305%
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3月まで
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毎月の賃金
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夏季年末手当
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14.065%
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↓
4月以降
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毎月の賃金
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夏季年末手当
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11.305%
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11.305%
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増 減
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2.76 %減
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10.305%増
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