第5に、われわれは02春闘は「反戦春闘」としての位置をもつ闘いであると声を大にして訴えた。そして、3・28〜31ストは戦後史を一変させた「9・11」以降の情勢の急展開、そして有事法制上程策動に職場からの闘いをもって反撃し、労働者は戦争を阻止し、社会を変革する力をもっているということを示す闘いとしてうちぬかれた。
02春闘は4月国会上程に向けて有事法制が策定される渦中での闘いであった。有事法制とはまさに戦争をするための法律であり、これまでの諸反動立法とは画然と質の違う攻撃だ。関連三法として提出されようとしている法案には、憲法を停止し侵略戦争を行なうための超法規的措置を全て合法化し、首相の独断で開戦−戦争突入を決定し、さらには労働者をはじめ社会の一切の機能を戦争のために強制的に動員し、統制することが可能な恐るべき内容がもり込まれている。戦争と改憲に向けて最後の堤防が決壊しようとしている。
米ブッシュ政権は人口の三分の一にもあたる750万人が飢えに苦しむアフガニスタンの嘆きの大地にこれでもかと残虐兵器を投下し、また年頭の教書では「2002年は戦争の年だ」と宣言して「悪の枢軸」発言をもってイラクや北朝鮮への侵略戦争の牙を剥くなど、とめどない侵略戦争、世界的規模での戦争に突進する意志を明らかにした。
▼国際連帯をかけて
3ヵ月決戦の過程は、帝国主義の抑圧と戦争政策に対する闘いの炎が世界中で燃え上がる過程でもあった。イスラエルの殺戮攻撃に対して、パレスチナ民衆はまさに生命がけの抵抗に起ちあがり、韓国では2月25日、韓国鉄道労組、発電労組などがゼネストに起ち上がった。とくに韓国発電労組は、執行部に逮捕状がだされ、スト中に340名の労働者の解雇通告が行なわれる困難な状況のなかで、無期限ストが闘いぬかれた。イタリアでは政府の雇用制度改悪攻撃に対して1000万人のゼネストが準備されて、100万人のデモが闘われた。怒りの声は臨界点をこえ、労働者の闘いが歴史を動かす時代が来たのだ。
われわれは「テロ根絶」の名のもとに戦争が「正義」とされ、国家主義が世界を覆う恐るべき状況に抗して国際連帯をかけて3/28〜31ストに起ちあがったのである。
悲鳴をあげた東労組・革マル
思わず「東労組は革マル」と口走る
JR東労組・革マルはわれわれの闘いに対し、悲鳴に近い非難の声をあげている。東労組千葉地本は「千葉労(駄馬)の無意味なスト」などという、全く中身のない低劣な情報を発行したが、われわれの闘いを真正面から見すえることもできないのだ。
何よりも、いてもたってもいられずに「千葉労(駄馬)」などと口走ってしまったところに彼らが受けた打撃感がにじみでてしまっている。「革マルじゃない、革マルじゃない…」と百万遍も繰り返してきた彼らにとって、このような革マル丸出しの言い方は絶対に衣の下に隠しておかなければいけなかったことなはずだ。「千葉労(駄馬)」などという低劣な言い方は革マル以外誰もしないものだ。これで他人を非難した気になれるという発想自体が革マル以外誰も思い及ばないものである。その精神構造は「卑劣」としか言いようがないが、これは「東労組は革マルです」と言ってしまったに等しいものである。
われわれの闘いを批判するのは自由だ。だが、このような卑劣な中傷に対してはわれわれは断固として謝罪と撤回を求める。
あらわになった東労組の裏切り
しかしそれ以上に東労組の受けた打撃感を示しているのは、この千葉地本情報の「批判」が、「無意味なスト」「愚かとしか言い様がない」と繰り返すだけで中身が全くないことである。言っていることは「『JR総連解体』など全く前進するはずのない目的を掲げて組合員を引き回したのは無意味で愚かだ」という一点に尽きるのだが、それ自体が、自らの裏切りから何とか目をそらしたいというだけのことだ。
われわれは、大幅賃上げ獲得を掲げ、検修・構内全面外注化反対、1047名の解雇撤回を掲げて02春闘を闘いぬいた。だがそのことにはひと言も触れられない。今春闘の最大の焦点はJR東日本のベアゼロ回答をめぐる攻防戦であり、検修・構内外注化−新保全体系合理化をめぐる闘いではなかったのか。東労組が保線・電力・信通の全面外注化も、検修・構内の全面外注化も、新保全体系合理化も、そしてベアゼロも、会社の言うがままに丸呑みしたという事実を消すことはできない。
東労組は別の情報で、「痛恨のベアゼロ」などといい、自らのことは棚にあげて連合が要求を放棄したことを非難しているが、組合員をごまかすのもいい加減にしてほしい。JR総連は貨物ではベア要求もしなかったのだ。東日本でも会社から言われれば要求すらしなくなるのは目に見えている。唯一の主張は「精力的に団体交渉をやった」ということだけだが、それは何もしなかったと言っているに等しいことだ。春闘で団体交渉をしない組合などどこに存るというのか。
職場の現実を言えば、この春闘の過程で新保全体系合理化が提案されたことも、それを裏切り妥結したことも、現場の東労組の組合員は、討議どころか知らされもしなかったのだ。そして千葉地本情報は、つい本音をもらし「対策に借り出された東労組組合員の疲弊感だけを残した」と泣き言をいう。だが、会社と結託してスト破りやスト対策に組合員をかり立てたのは、東労組の役員である。
そればかりではない。われわれが「JR総連解体」を掲げていることを「愚かだ」などというが、東労組の役員には、自らがどれほど忌み嫌われているのか、組合員からどれほど激しい怨嗟の声があがっているのか、その声さえ耳に入っていないのだ。
もはや東労組を労働組合と呼ぶことはできない。3/28〜31ストは会社と手を結んだ東労組の職場支配を揺るがし、大きな打撃を与えた。われわれはこの闘いの地平の上に、各職場で東労組組合員との徹底した討論を巻きおこす決意である。
確信をもって新たな闘いへ!
資本主義体制の危機の進行と内外の情勢の激しい展開のなかでわれわれと、資本・権力との関係はますます非和解的な闘いの渦中に入った。そして動労千葉−動労総連合は、この3ヵ月間の闘いをとおして、情勢決定要因として前面におどりでたのである。
闘いがきりひらいた地平が大きければ大きいほど必ずそれへの反動も大きい。組織破壊攻撃との攻防戦を焦点としてこれからこそが最大の勝負のときとなる。だがこの闘いを敢然と闘いぬくことを通してわれわれは、これまでの殻を破ってこの時代に通用する動労千葉への脱皮をかけて新たなスタートラインを築いた。
われわれはすでに、4月1日以降もあらためて恒常的スト体制を継続・強化することを通告し、新たな闘いに突入している。
この素晴らしい団結への自信と確信をもって今次闘争が切りひらいた大きな成果を確認し、新たな闘いを開始しよう。
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