「四党合意」を粉砕し、1047名闘争勝利へ
解決金1人80万円・関連会社へ75名−これで解決案と言えるのか 国労が1000名以上の警察権力機動隊を導入して強行した定期大会続開大会開催から半年が経過した。この続開大会で「四党合意」採択を強行したものの、警察を導入しての大会開催という労働運動にとってあまりの不正義性と、「四党合意」が1047名闘争解体攻撃であるばかりか、国労そのものの解体攻撃であるということが鮮明となり、国労内外から批判が続出するなかで、国労中央は定期全国大会の召集がいまだ出来ないままに至っている。
解決案ならざる「解決案」
6月29日には「四党合意」の母体となった「四党協議会」が開催され、自民党・甘利と社民党渕上幹事長の会談が行なわれた。このなかで自民党甘利は、旧運輸省が一昨年明らかにした「解決案」を上回る回答を新たに出す意志がないことを明らかにした。
旧運輸省の「解決案」とは、「解決金ひとり80万円、本州JRの関連会社への採用が75名」というものであり、およそ「解決案」などと呼ぶことすらできない代物だ。
国労中央が国家的不当労働行為弾劾の旗を降ろし、「人道上の解決」にきりかえた結果が、この内容だというならば、あまりにもこの15年の闘いを愚弄しきったものに他ならない。
解雇された1047名とその家族はもとより、国鉄闘争を支えつづけてきた多くの労働者・労働組合や支援者を裏切り、今日の日本の労働者の直面しているリストラ・大失業攻撃に抗する国鉄闘争の地平を放棄し、JRの企業内組合へと変質させることを通して、国労解体を狙ったのが 「四党合意」と「解決案」だということだ。
完全民営化の前に立ち塞がる
6月15日には、JR会社法改訂案が国会を通過した。この法案審議のなかで議論が集中したことは、革マル問題と1047名問題であった。とりわけ、結託体制を強める東日本大塚社長にたいする革マル問題は多くの議員が取り上げることとなった。こうした国会の状況や革マル本体との対立・分裂が、松崎が東労組会長を辞任する背景になっている。
一方1047名闘争は、その発端は国鉄・分割民営化であり、しかも労働委員会で不当労働行為の救済命令が出されていることなどをみても、政府・資本にとってこれ以上長期化することはできない問題として存在している。そしてJRの「完全民営化」を問題にするときには避けて通れない大きな壁となって立ちふさがってきたのだ。だから政府は、「四党合意」という形で直接介入し、なんとしても国労中央の屈服をとりつけようと躍起になってきたのだ。1月の続開大会に一千余の権力機動隊を送り込んだのも、そのためだと言える。
闘争団共闘会議準立ち上げる
これに対して国労闘争団の仲間たちは5月30日、日比谷公会堂を埋め尽くす3000人の結集で「がんばれ闘争団ともにGO!JRの不当労働行為は許さない!5・30国労闘争団共闘会議(準)結成集会」を開催し、大成功をかちとった。
ここに「四党合意」反対を闘いぬく闘争団の結集体として闘争団共闘会議の結成にむけた大きな一歩が勝ち取られた。そして同時に、この集会に都労連が機関で参加したように、国鉄闘争の支援陣形の再構築にむけて大きく進み出した。
国鉄闘争をめぐる左右の分岐
この秋にも開催が予定される国労定期全国大会は、「四党合意」とそのもとでの「解決案」をめぐって国労中央とそれを支持するチャレンジグループや本部派革同と、闘う闘争団との間で国労運動の全てを決するものであり、国鉄闘争をめぐって左右の分岐がはじまったのだ。
伝えられる「解決案」で納得できる闘争団と家族はひとりもいない。だから国労中央は「解決案」の内容も、1047名闘争の今後の展望も未だに明らかにできないのだ。政府・自民党、JR総連・革マルの動向
と合わせて、1047名闘争は大きな正念場を迎えている。
政府・自民党が、国労解体を焦点にして、「四党合意」をうち出した以上、もはや闘争団の納得のできる「解決案」がこのなかから出てくるということはありえない。闘争団共闘会議という形で、新たな闘いに踏み出したとき、「四党合意」はすでに根本で破綻したといえるのだ。
残るはどこまで国労中央の屈服を引き出せるか、JR本体の第二の分割民営化攻撃に、どこまで国労の屈服を引き出せるかという攻撃として表れる。
第二の分割・民営化に反撃を
国労内チャレンジグループは「1047名闘争があったから職場の闘いができなかった。1047名闘争を早く終わりにして職場での闘いを」などと転倒したことを主張している。だが「四党合意」の延長に、職場での反合理化闘争など成り立つはずもないことは、自明なことではないか。
国鉄労働運動の再生の道は、1047名闘争の大義に立って、大失業・大リストラ攻撃と対決する労働運動の先頭で、第二の分割・民営化攻撃と職場のなかから闘いぬくことなしにはありえない。そして闘いの過程で、JRの青年労働者を獲得していくことだ。
闘う労働運動の新たな潮流へ
動労千葉は、そうした決意のもとに今春闘で二波のストライキを闘いぬいた。
小泉政権の登場で、大失業・大リストラ攻撃と社会保障制度の解体が激化するなかで、労働運動も大きな試練に立たされている。いまこそ国鉄闘争15年の成果を発揮して、闘う労働運動の新たな潮流の形成にむけて、全力でたちあがろう。
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