|
年 月 日 No. |
11・4労働者集会に根こそぎ総決起しよう!
|
昨年の11・5労働者集会 |
11・4全国労働者総決起集会が、東京・日比谷野音で開催される。本年の労働者集会は、「闘う労働運動の全国ネットワークをつくろう」と訴え、戦争と大民営化に抗する闘う労働者が集まり、労働運動の新しい潮流を形成するものとして始まってからちょうど10年目の節目にあたる。
この10年間を顧みたとき、なによりも労働者としての時代観が大きく問われた。当時われわれは21世紀の労働運動という観点から見て、資本主義の末期症状を呈した世界的な経済危機と経済争闘戦、米国を中心とした戦争の時代であると規定し、まさしく世界的な戦争と大民営化に抗して闘う労働運動を掲げ、組織すること、その橋頭堡の場となるものが労働者集会として位置づけた。
資本主義社会の決定的な危機!
日本の労働運動をめぐる状況は、資本主義の行き詰まりを大きな背景に体制の側からの打開策である「戦後政治の総決算」攻撃がかけられ、国鉄の分割・民営化を先駆けとして、全産業にわたる大民営化、規制緩和、非正規雇用化の嵐のような反動が労働者、労働組合に襲いかかった。そして中曽根発言に見られる通り、ナショナルセンターとしてあった総評は解散し、連合が結成されたのだ。
戦後の日本を支えてきた一方の柱である55年体制は、ここに終焉を迎え、同様に戦後の労働者支配の根幹としてあった「3種の神器」=年功序列、終身雇用、企業内組合も解体の対象となり、一挙に体制側から支配の根幹を突き崩さざるをえなかったのだ。
これは世界的な資本主義体制そのものの決定的な危機によって生じている。そのための競争原理、市場経済のグローバル化、列強支配の経済の争闘戦に打ち勝つことから発生している。もはや資本主義社会がもたなくなっていることを示している。ゆえに経済のブロック化が進行し、経済障壁を設けてスクラップ&ビルドへと進む、資源を略奪するためのイラク戦争に最も如実に表れていることだ。
いっそう広がった格差社会の実態!
日本においては、とりわけ91年の日経連プロジェクト報告と、それに沿った小泉構造改革路線の進行、続く安倍による「美しい国・日本」=「戦後レジュームからの脱却」、日経連・御手洗の「希望の国 日本」路線によって、労働者をめぐる環境は一挙に底辺まで落とし込められた。社会保障制度は切り詰められ、規制緩和政策の嵐のごとき展開は、偽装建築や産地偽装、事故の多発という安全の崩壊へと向かっていく。派遣労働の緩和により、これも非正規雇用が膨大に増加─01年〜07年の間に正規雇用労働者の3分の1以上。賃金も3分の1から2分の1、生活保護世帯以下という最低賃金がまかり通り、医療保険も年金もなく、病気になればたちまち住むところも失うという労働者が大量に生み出された。また年間の自殺者は8年連続して3万人を越し、生活保護を打ち切られて餓死・孤独死するという事態にまで至っている。その対極では、トヨタをはじめ大資本は、空前の利益をあげ、この5年間で国内総生産は22兆円の増加、役員報酬は3倍に跳ね上がった。一方で、「ワーキングプア」「ネットカフェ難民」「スポット雇用」などの言葉や現実が常態化し、2000万人の青年労働者をはじめ、高齢者、無数の労働者が貧困の中に叩き落とされるなど、生活そのものができない状況を生み出した。まさしく労働者を食わせていけなくなった資本主義の実態がここにある。
だからこそ急ピッチで、力による労働者支配をめざすものとして教育基本法改悪、改憲のための国民投票法案が強行採決され、反動法案が目白押しに出てきている。これこそ国家のあり方そものを覆す攻撃だ。まさに戦争と大民営化攻撃のいっそうの進行と激化なのだ。こうした時代のなか、労働者は、社会の主人公としての存在なのか、われわれは虫けらなのか。そのことが明確に問われている。改憲を標榜して登場した安倍政権は、こうした労働者階級の怒りの前に辞任を余儀なくされたのだ。決して民主党が労働者の心をつかんだのではない。労働者階級がその攻撃の意図を見抜き、安倍にNoを突きつけたということだ。その意味からいっても自民党支配の終わりの始まりだ。改憲をめざす動きは、戦前と同様の国民運動的な差別と排外主義をともなって出てくる。これに対抗する労働者階級の手段は、まさしく国際的な労働者階級の団結にしかない。動労千葉、関西生コン支部、港合同の闘いは、同じ質をもった闘いであることが世界の労働者の共感を得たのだ。
わき起こる労働運動の変革を求める声!
現在、アメリカでは1930年代に次ぐ労働運動の「第2の高揚」(ネクスト・アップサージ)が始まっている。昨年、移民法に反対する1000万人の労働者がAFL−CIOの制動をはねのけて立ちあがり、都市ゼネストを敢行した。韓国では、非正規職関連法によって解雇された労働者を先頭に職場を占拠し、度重なる逮捕・弾圧に抗して激しい闘いが激発している。いまや世界各地で労働者の闘いが巻き起こっている。新たな情勢の中で労働運動の変革・再生を求める声が大きな津波となって登場する時代が到来しようとしている。沖縄では、「集団自決」について軍命はなかったとする教科書検定意見に対し、島ぐるみの怒りの声が爆発し、県民大会に11万6千人が結集した。
日米韓の戦闘的労働者が国境を越えて団結し、共同の闘いを宣言する画期的な集会として、11・4労働者集会は、情勢を動かす決定的な位置にのぼりつめようとしている。
職場生産点からの闘いと団結を!
われわれ動労千葉は、その総力をもって現場から起ちあがり、第2の分割・民営化新段階との闘いをどう切り開いてきたのかを全労働者に訴えよう。職場生産点からの決起、全組合員の団結に依拠して闘いに起ちあがってきた成果こそが情勢を変革する力だ。全力で11・4日比谷野音に結集しよう!