|
年月 日 No. |
中曽根発言への怒りの声を
|
●山本(NHKニュースキャスター) 自民党と社会党の対立を軸とした体制が55年体制ですね。この崩壊につきまして、中曽根さんは『国鉄の分割・民営化が、55年体制を終末に導く大きな役割を果たした』と本のなかに書いておられます。これは結果としてそういう役割を果たしたのか、あるいは最初からそういう意識で民営化に取り組んでおられたのか、どちらなんでしょうか。 ●中曽根元首相 それは意識的ですよ。国鉄の民営化をやったというのは、前にちゃんと意識がありましてね。その10年くらい前、三木内閣の時に、幹事長をして、その時に総評の皆さんがゼネストをやってわれわれと闘った。われわれは絶対負けてはならんというので、とうとう8日間頑張って向こうが負けた。それでやれっていうんで202億円の損害賠償請求をわれわれが出したんです。国鉄労働組合に。これが非常な重荷になった。私は幹事長からずっとそういうことをやってみて、国鉄労働組合っていうのは総評の中心だから、いずれこれを崩壊させなきゃいかんと。それで総理大臣になった時に、国鉄の民有化ということを真剣にやった。……国鉄の民有化ができたら、一番反対していた国鉄労働組合は崩壊したんですよ。国鉄労働組合は総評の中核体にあったもんだから総評が崩壊した。総評が崩壊したら、社会党が崩壊して現在みたいな社会党になった。 ●山本 それで55年体制は崩壊したと。 ●中曽根 そうです。 ●山本 そこのところは見通しておったということですか? ●中曽根 一念でやったわけですね。ゼネストやられたときから。 |
これと同様の発言は、これまで何度も繰り返されてきた。われわれは怒りを新たにしなければならない。
国鉄分割・民営化は、言うまでもなく国家的不当労働行為であった。その結果、徹底した差別・選別と激しい組合潰しの攻撃のなかで、20万人もの国鉄労働者が職場を追われ、200人の仲間たちが自殺に追い込まれ、今も1047名が解雇撤回を求めて闘い続けている。
この時に、当時、総理大臣という立場にあったものがテレビや雑誌に登場して、ぬけぬけと「明確に組合潰しを意識してやった」と公言しているのだ。不当労働行為とは違法行為である。中曽根はしゃあしゃあと「私が犯人だ」と繰り返し公言し、開き直って見せているのだ。
それを徹底的に弾劾し、追いつめることができなくて、1047名の解雇撤回闘争に勝てるはずはない。
改めて、中曽根発言に対する怒りの声を組織しよう。社会全体を中曽根発言弾劾の声で埋め尽くすような闘いを組織しなければならない。
しかもこれは、すぐれて現在の状況に対する闘いである。雑誌「文藝春秋」の座談会では、森元首相が、中曽根発言を受けて次のように語っているのだ。
●中曽根 国鉄の民営化と総評、国鉄労組の壊滅を狙っていたのです。 ●国正(政治評論家) 森さんはいまの郵政改革もそれだけの重みがあるとお思いですか。 ●森 あるんですよ。全逓(JPU)、全郵政に係わることですから。民主党を支える組織というのは連合でしょ。その連合の左派中心勢力は、日教組と自治労の二つです。この二つがつぶれたら、民主党は大きく変化さぜるを得ません。 |
民営化によって組合を潰す───これが一貫とした彼らの目的である。今こそ、原点に帰って、民営化反対の共同の闘いを現場からつくりあげよう。
しかも中曽根は別のところでは、「(行革・民営化・組合潰しで)お座敷をきれいにして立派な新憲法を安置する」とも言っている。改憲に突き進む現在の情勢への反撃の闘いをつくりあげるためにも、われわれは改めて中曽根発言への怒りを新たにしなければならない。
2月16日には、1047名の被解雇者自身が立場の違いをこえて団結し、ひとつになって闘いを呼びかける画期的な集会が準備されている。
また、尼崎事故や羽越線事故は、民営化とは一体何をもたらすものなのかを、一点の曇りもなく示している。民営化という犯罪的政策の矛盾が堰をきったように噴き出している。今こそ、新たな闘いにたちあがるときだ。中曽根発言弾劾の社会的大運動をまきおこそう。
1047闘争団・争議団・原告団 2・16総決起集会に結集を! ▼2月16日 18時30分 ▼日本教育会館 |