JR東日本は12月22日、来年3月16日のダイ改以降、上総一ノ宮駅での仕業検査と入出区作業、木更津駅ホームで行う分割併合作業をCTSに委託しないと提案してきた。
これを受けてCTSは12月26日、CTS幕張事業所一ノ宮派出の廃止と、木更津派出の縮小(1徹→1日勤)を組合に対して提案してきた。断じて許すことはできない。
CTSの提案内容
- CTS幕張事業所 一ノ宮派出
(現)2徹 →(改)廃止 - 同 木更津派出
(現)1徹 →(改)1日勤 - 実施は3月16日
銚子派出廃止(22年)に続き「廃止」提案
JR東日本とCTSは22年ダイ改で「仕業検査周期の延伸(6日→9日)で銚子と鴨川での仕業検査がなくなる」と、銚子派出をいきなり「廃止」し、鴨川派出の体制縮小を強行した。これに続いて一ノ宮派出まで廃止するというのだ。
検査派出は、車両故障や輸送障害が発生したときに真っ先にかけつける安全運行の拠点だ。「定型的な仕事があれば残す。なければなくして良い」というものではない。安全のために維持すべきものだ。
とりわけ上総一ノ宮駅は多くの電車の発着駅となっており、「効率的」な鉄道運行というなら車両検査係が常駐して当然なのだ。
JRとCTSは業務委託をとりやめた「分割併合作業や出区点検は本線乗務員と駅社員で対応する」と言っているが、運転士に対してこれまで以上の負担増・労働強化になる。また、出区点検中に車両不具合が発生したらいったいどうするのか。
提案時の質疑でも22年度の一ノ宮派出の臨検対応は年間206件、木更津派出は110件もあったことが明らかになっている。CTSは「何かあったらJR千葉派出か幕張車両センター本区が対応することになる」と説明しているが、どこが「効率的」なのか?!
この間、明らかに車両不具合や車両交換が急増している。獣害も増加の一途だ。ここで一ノ宮派出を廃止し、木更津派出の夜間検査体制を無くしたら、検査・保守体制が一気に弱体化することは明らかだ。暴挙としか言いようがない。
コスト削減を優先して安全を切り捨てるな!
安全よりもコスト削減を優先する検査派出の廃止・縮小は絶対に許せない! JRとCTSは「派出の廃止・縮小」提案を白紙撤回しろ!
千葉支社が提案したダイ改資料でも、「新たな価値創造」「収益力の強化」「収入へのこだわり」「駅業務の生産性向上」(??)「新たな価値創造を通常業務に」といった言葉ばかりが踊り、「安全」や「日々の鉄道運行の着実な遂行」は完全に軽視され投げ捨てられている。
千葉運輸区・習志野運輸区・佐倉運輸区の廃止と統括センター化と一体で、とことんまで鉄道業務がないがしろにされている。「コスト削減」「効率化」がすべてに優先され、真っ先に安全が切り捨てられようとしているのだ。鉄道事業者であるJRにとって車両の検査・修繕は基本中の基本業務ではないのか。
外注化の破たん!
一ノ宮派出や鴨川派出、木更津派出はCTSに業務外注化されて以来、主に出向したエルダー社員が担っている。「エルダーの雇用の場の確保」と称して業務外注化を強行しておきながら、多くの仲間が今も働く職場を一方的に廃止しようなど断じて許されない。
JRは、派出検査を含む検修業務の外注化を強行するとき「これからは委託先のCTSで車両検修のプロパーを養成する」と言った。だが、あまりの低賃金と将来展望のなさからプロパー社員の退職が続き、いまだにCTS独自で委託業務を遂行するにはほど遠いのが現実だ。
各所の検査派出では、出向目的の一つであったはずのプロパー社員への「技術継承」どころか、ほぼエルダー出向者のみで検査や入換業務を行ってきた。エルダー出向者が大量退職期を迎える中、本区から送り込む要員のメドも立っていない。これは、業務外注化の破たんそのものだ。
こうした業務外注化政策の破たんの末に、〝だったら派出ごと潰してしまえ〟と言わんばかりの廃止・縮小提案を行うなど絶対に認められない。JRとCTSは検査派出の廃止・縮小提案を白紙撤回しろ!