「シカの首を切れ」?!
内房線・竹岡〜浜金谷間でシカと衝突時、乗務員に輸送指令が指示
あまりに非常識だ!
6月17日、内房線・竹岡〜浜金谷駅間でシカとの衝突事故が発生した。車輪あたりにからまり、引っ張っても取れない状態になっていた。そこで指令から「シカの首を切って外せ」と指示が出された。
当該列車はワンマン運転(2人乗務)で、担当の運転士は「さすがにできない」と断った。だが、そんなことまでが運転士に要求されたのだ。その後、前後に列車を動かしても取れず、徐行して次駅の浜金谷まで運行することとなった。
矛盾を運転士に押し付けるな
そもそも野生動物との接触は、血液や虫等を媒介とした感染症の対策が必要な作業だ。シカやイノシシ等との衝突時に、列車から降りて確認作業を行い、からまった場合に外すといった作業を乗務員が行う負担は大きい。
駅間での停車・確認の際には抑止手配も必要だ。ワンマン化の中で、指令への連絡、乗客への案内も含めて、すべての負担と責任が運転士にかけられている。
また、運転台にのせられたノコギリは、列車にぶつかるような木を「大きくなければ運転士が切ってくれ」というためのものだ。それ自身、倒木対策の矛盾を乗務員に押し付けるものだ。
ワンマン化を撤回しろ!
今回はその上、「シカの首を切る」という到底認めることのできない指示まで出されている。職場の中でも「こんなことまでしなければならないのか」と問題になっている。こんな指示を許すことはできない! JRはワンマン化も業務融合化も撤回しろ!
車輪転削時の切削量削減
安全無視の合理化絶対反対!
19年7月、工場で行う保全検査の周期が60万㌔から80万㌔に延伸するという安全無視の合理化が強行された。
だが、実際には車輪転削によって車輪径が修繕限度を割る方が早く、保全検査の周期延伸が合理化にならない状態になっている。
そこで会社はあくまで合理化を進めるために、切削量を減らせる踏面形状を用いて走行試験を開始している。
これまでフランジを元の形状に戻すところまで削っていたのを、フランジの厚さをより薄い形状にすることで、切削量を減らそうというものだ。
鉄道の安全破壊ゆるすな
会社は、「修正円弧踏面を変更するわけではない」「規定の範囲内でメンテナンス方法を変えるだけ」というが、そのギリギリまで切削量を減らすということだ。
とくにローカル線はカーブがきつく、フランジへの当たりも強くなる。コスト削減を優先し、安全マージンを次々に取り払っていけば、鉄道の安全は破壊される。JRは安全無視の周期延伸・車輪転削合理化を撤回しろ!