「生産性向上」と「柔軟な働き方」による団結と安全破壊を絶対に許さない!
JR東日本は、3月29日、「新たなジョブローテーションの実施」について提案を行ってきた。今回の提案は、「変革2027」の中でうたわれている「さらなる生産性の向上」「柔軟な働き方」を進めるために実施するとしている。
提案内容は以下のとおり。
1 新たなジョブローテーション
① 車掌試験、運転士試験を廃止する。
今後の乗務員への異動は、任用の基準により扱う。
② 車掌を経ずに運転士になることを可能とする。
③ 車掌及び運転士の職名を「乗務係」 「乗務指導係」「乗務主任」「乗務主務」に統一する。
④ 駅配属の中途採用者が乗務員に異動することも可能とする。
⑤ 同一担務の従事期間が最長でもおおむね10年を超えないように異動又は担務を変更する。
2 車掌試験、運転士試験の取り扱い
① 車掌試験 18年度(19年3月実施済)で廃止する。
② 運転士試験 19年度(19年5月実施予定)で廃止する。
③ 新幹線運転士試験 18年度(18年10月実施済)で廃止する。
3 ライフサイクルの深度化の見直し
19年度の異動で廃止する。今後は、新たなジョブローテーションに組み込む。
20年4月1日時点で駅に在籍する社員は、従前の扱いとする。
4 その他 賃金制度の改正を行う。
5 実施期日 20年4月1日
「任用の基準」=労働者を差別するための常套句
今回の提案にあたって会社は、「運転士、車掌を廃止し、『乗務係』『乗務指導係』『乗務主任』『乗務主務』に統一する」とし、その理由を「他職は統一されている」「運転士、車掌以外の仕事もしてもらう」「車掌は、ワンマン拡大やAIによる自動運転等で今後減る要素が大きい」などとしている。
また、運転士、車掌試験を廃止する理由として、「運転士から先の展望が分かりづらい」「現在、運転士になる年齢が高い。早く運転士になることで経験を積み、企画部門で活躍できる機会を増やした」「試験にかわり任用の基準で扱う」との説明を行ってきた。企画部門(支社など)に行く者は運転士、車掌にするが、それ以外はしないということと同じだ。
しかも「任用の基準」とは、動労千葉に対する差別・不当労働行為がそうであったように、会社が労働者を差別するために使う常套句だ。
さらに、「20年4月1日時点で同一担務が10年を超えている場合は、担務変更や他区への異動を行う」としている。しかも、過去にさかのぼって従事期間を算定するとしている。「担務変更」とは、運転士から車掌、運転士から駅、車掌から駅という形で次々に業務を換えるということだ。そうなれば、大半の運転士、車掌が対象になるということだ。
「賃金改定」ー乗務員手当の剥奪を粉砕しよう!
そして、「賃金制度の改正を行う」としている。これまでも会社は「自動運転ができるのだから乗務員手当はいらない」と言っていたが、今回の提案により運転士、車掌を廃止することで、乗務員手当に直接手を付けようとしているのだ。
「ジョブローテーション」粉砕へ闘いぬこう!