JR東日本千葉支社は12月24日、CTS幕張事業所・鴨川派出で行っている出区点検と入出区作業について「来年3月15日のダイ改以降、CTSへの委託をとりやめる」との提案をしてきた。これを受けてCTSは12月25日、「CTS鴨川派出を廃止する」と組合に対して提案してきた。昨年の一ノ宮派出廃止、木更津派出縮小に続く攻撃であり、断じて許すことはできない。
CTSの提案内容
CTS幕張事業所鴨川派出
(現)1徹 →(改)廃止
※実施は2025年3月15日(土)
◆一ノ宮派出廃止に続き
JR東日本とCTSは、22年ダイ改で「仕業検査周期の延伸(6日→9日)」と一体で「仕業検査がなくなる」と銚子派出をいきなり「廃止」し、鴨川派出の体制縮小を強行した(2徹→1徹)。24年3月ダイ改では、いきなり一ノ宮派出を丸ごと廃止(2徹→廃止)、木更津派出体制の大幅な縮小(1徹→1日勤)を強行した。
いうまでもなく検査派出は、車両故障や輸送障害が発生したときに真っ先にかけつける安全運行の拠点だ。「定型の仕事があれば残す。なければなくして良い」というものではない。安房鴨川駅は多くの電車の発着駅となっており、千葉派出からも距離があるため車両検査係が常駐して当然の職場だ。
運転士の負担は増
JR千葉支社は、鴨川派出廃止のために「鴨川駅での入換時間の見直し」として、これまで2人で行ってきた入出区を、6両編成まで(通常は2両と5両)は運転士1人でやらせるとしている。運転士に反対側の運転台まで歩いて移動させるという、これまで以上の負担増・労働強化だ。
◆検査派出の全廃へと向かう攻撃
JR東日本は2000年以降、錦糸町(06年)、館山(10年)、成田(12年)、銚子(22年)、一ノ宮(24年)と管内の派出を、まさに次々と廃止してきた。
さらに今年10月1日からは、JR本体の千葉派出・西船橋派出についても「日中帯は車両センター本区で本線対応を行う。夜間のみ派出に勤務」という車両センター本区との融合化を強行した。横浜支社でも8月1日から、鎌倉車両センターの横浜派出、大船ホーム検査が、それぞれ「2徹→1徹」に削減、逗子派出もこれまでは逗子駅構内建屋で執務していたが鎌倉車両センター本区での執務へと変更された。
◆金もうけのために安全切り捨て
これらは事実上、「もう検査派出はいらない」と宣言するに等しい攻撃だ。この間、多発している車両故障・車両交換、獣害、倒木・倒竹などとの衝突についても、乗務員は検査係に対応してもらえない。タブレットで情報共有はできても「あとは乗務員が自力でなんとかしろ」と言わんばかりだ。相次ぐワンマン化と合わせてみるならば、運転士の負担とプレッシャーは大変なものとなる。まさに「コストの削減」「金もうけ」のために安全が切り捨てられようとしているのだ。
3月ダイ改での鴨川派出廃止は絶対に許せない! JRとCTSは「派出廃止」提案を白紙撤回しろ!
◆運転業務外注化の破たん!
鴨川派出や、一ノ宮派出・木更津派出での仕事は、CTSに運転業務が外注化されて以来、主に出向したエルダー社員が担ってきたのが現実だ。当初は、「プロパー社員への技術継承」もうたっていたが、CTSの低賃金と将来展望のなさから運転車両での退職が相次ぎ、エルダー大量退職期を迎える中、本区から送り込む要員のメドも立たない。業務外注化の破たんそのものだ。
こうした破たんのあげくに〝だったら派出ごと潰してしまえ〟と言わんばかりの派出廃止提案を行うなど絶対に認められない。
CTS運転車両のプロパー社員にとっても、自分たちの働く場、腕を磨く場が次々と「廃止」「縮小」されていくことを意味する。JR東が「鉄道軽視」へとシフトし、コスト削減・子会社への矛盾のしわ寄せを強める中で、CTSへの委託業務が次々と無くなっていく現実は、断じて見過ごしておけない問題であり、無責任きわまりない話だ。
JRとCTSは、鴨川派出廃止提案を白紙撤回せよ! 運転業務の外注化をとりやめ、CTSプロパーの仲間とともに、JR本体に戻せ! JRとCTSで働くすべての仲間は、動労千葉に結集し、ともに闘おう!