呼びかけ人会議で2011年方針決まる
12月9日、東京において国鉄闘争全国運動呼びかけ人会議が開催された。会議には動労千葉顧問の中江昌夫さんら13名の呼びかけ人が参加した。山本弘行・動労千葉を支援する会事務局長から経過報告が行われ、今後の闘いについて活発な討論を行い、具体的方針を決定した。
◎田中康宏(動労干葉委員長)
国労本部は連合に行くことを来年夏の大会で打ち出すと言われている。和解から半年経つのに和解金の配分をめぐってもめ、いまだ振り込まれていない。動労千葉は12月3~4日に外注化阻止のストを打ち抜き、新たに3名が動労千葉に結集した。1名は平成採。新しい一歩を踏み出した。
◎高英男(関西生コン支部副委員長)
動労千葉の闘いは日本の労働運動全体に影響を及ぼす。逆に国労がグチャグチャにされたことが周辺の労働組合に悪い影響を及ぼしている。これから労働運動を巻き返すときに、国鉄分割・民営化の原点を修正しておかないと、その上にどんなに「良い家」を建ててもぐらつく。全国運動と自分たちの運動をどう連動させていくのかが課題だ。
◎中村吉政(港合同副委員長)
今回の国鉄の和解もそうだが、どんなことがあっても闘争を辞めたら絶対にあかん。国鉄という全国網羅の運動に私たちが関わることによって日本の労働運動を引っ張っていくものになるのではないか。動きを止めたらダメになる。
◎手嶋浩一(元国労九州本部書記長)
和解した904名の中にも歯がゆい思いをしている人がいるはず。その労働者も参加できるような運動にしてい区事が課題。現場労働者が国労本部を乗り越えていくことが重要だ。
◎伊藤晃(日本近代史研究者)
闘う労働運動がなくなり、いまの社会が壊れている。社会を作り直す原点に労働運動の復権がある。各地、各職場の運動のつくり方、これまでの労働運動の常識では考えられない。若い人たちの意見が重要。
◎葉山岳夫(動労千葉顧問弁護団長)
国労闘争団の成田、羽広、石崎さんの上告審と小玉さんの控訴審を闘っている。鉄建公団の代理人が「職場で暴言を吐いたから停職処分は正しかった」と言い出した。こちらは、「待ってました」と、停職処分がそもそも無効だという争いを同時に起こした。
◎高山俊吉(憲法と人権の日弁連をめざす会代表)
国鉄闘争を支援する弁護士の運動は初々しく広がっている。まだ少ないが現時点で百人。新目由主義が嵐のように弁護士に降りかかっている。それが労働者と同じだという話がうけている。裁判員制度の破綻で身をもって分かると思う。
◎金元重(韓国労働運動史研究家)
国鉄闘争を支えてきた人たちが今回の和解を手放しで良かったと考えているのか聞いてみたい。
韓国では11月16~17日に現代自動車で2~3千人の非正規雇用労働者が不法派遣に対し工場を占拠し生産をストップさせた。中小企業で非正規雇用撤廃の闘いはあったが、現代自動車で始まったことはひとつの歴史を変えた。
◎花輪不二男(世田谷地区労顧問)
今回の「和解」で労働組合が潰されるという感覚をもった。それで呼びかけ人になった。労働組合運動は常に和解や妥協があるもの。しかし幹部が上から和解を説得してはいけない。和解金の配分をめぐって内部でもめているというのは、やってはいけないことをやったからだ。
◎入江史郎(ス労自主委員長)
時代に見合った運動にしていかなければならない。具体的方針が必要。各地域で具体的方針、行事を設定して運動を見えるようにしていく。2・16集会を前後して各地でやったらどうか。
◎鈴木達夫(法大弾圧裁判弁護団長)
小玉さんの裁判で処分無効の争いをやる。毎回の裁判で90人を集め大法廷を埋め尽くしている。すごい圧力になる。全国運動の会員が広がっていることが司法権力に響いている。
◎高石正博(動労千葉争議代表団)
「和解の内容は認められないが当事者が和解を了解したからよいではないか」というのが大方の反応。約900名の全部が納得したかと言えばそうではない。こういう人たちを全国運動の陣営に引き込んでいく。
◎中村仁(動労千葉争議団)
分割・民営化によって今の労働者の現実がある。今回の和解はこれを認めること。多くの青年は非正規雇用におとしめられている。1047名闘争は労働者全体の問題だから、国鉄労働者が声をあげ続けること。それが若い人たちに展望を指し示すことだ。
今後の行動提起
―国鉄分割・民営化で不当解雇から24年―
2・16を忘れるな!
①1047名解雇撤回2・16集会
2月16日(水)18:30~ すみだ産業会館
②「国鉄闘争全国運動」活動者交流会
2月16日(水)10:00~17:00 ティアラこうとう
③2011年6月5日(日)国鉄集会
日比谷公会堂