JR東日本への指導を求めて国土交通大臣に対し申し入れ

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「 走行中に運転通告を受領してもらう」 との千葉支社回答に対して
JR東日本への指導を求めて国土交通大臣に対し申し入れ

 動労千葉は、7月1日、この間継続して行ってきた「動労千葉申第17号」に関する4回目の団体交渉を千葉支社と行った。
 この交渉の中で千葉支社は、運転士に対する運転通告に関して、「走行中でも運転通告を受領してもらうことがある」との回答を行ってきた。この回答は、これまで運転取扱実施基準に基づき各運転職場で指導され、あるいは労使間で確認されてきた内容を全て否定するものだ。
 これまでは、指令から呼び出しがあった場合は、駅到着後に運転士から指令に連絡し、運転通告受領券に記入し、復唱して確認するという取扱いだった。
 しかし千葉支社は、「通告受領券に記入しなくとも、復唱した時点で受領とする」「走行中でも運転通告を受領してもらう」との回答を行うなど、安全を無視する回答を行ったのだ。
 運転士には、信号を注視する義務が課せられ、ブレーキハンドルからは手を離してはならないと指導されている。それにもかかわらず、会社自らが安全を無視する回答を行ってきたのだ。
 こうしたことから7月4日、左記のとおり国土交通大臣に対して、JR東日本を指導するように申し入れを行った。
 JRは安全無視の姿勢を改めろ!安全運転行動を貫徹しよう!

動労総連合申第20号
2005年7月4日

国土交通大臣 北側 一雄 殿

国鉄動力車労働組合総連合
中央執行委員長 君塚 正治

申入書

1.JR東日本では、運転通告について、次の項目を「通告事項」と定め、通告券、無線機等により係員に通告する取り扱いが行われている(ATC関係は省略)。
(1) 閉そく方式又は閉そく区間を変更するとき。
(2) 列車の運転時刻を変更するとき。
(3) けん引定数を臨時に変更するとき。
(4) 列車の運転する線路を変更するとき。
(5) 列車を臨時に徐行させる旨を予告するとき
(6) 信号機の故障を予告するとき。
(7) 信号の現示を停止して手信号による旨を予告するとき。
(8) 特に重要な事項。
 これは「 運転取扱心得」 によって規定されていたときは、 通告券によることを基本としながら、 無線機等によっても通告することができるとしていたものが、 「 運転取扱実施基準」 となってからは、 通告券による通告と無線機等による通告が対等の位置づけとなった点以外、 今日まで変わることのない運転取扱いである。

2.また、無線機等によって通告する場合は、 「 (運転士が携帯している)運転通告受領券にその内容を記入させる方法による」 と、運転作業要領に定められている。

3.以上の規定に基づき、運転士に対しては、今日まで別紙の内容で具体的取扱いが指導されてきた。
 走行中、列車無線による呼び出しがあった場合、運転士は極力応え、運転通告だった場合は、駅到着後、運転士側から指令に連絡し、通告内容を「運転通告受領券」に記入し、復唱して確認するという取扱いである。(特急列車等の担当で、運転通告に係わる箇所が次駅到着後では間に合わない場合は、停止手配をとり、停車後指令に連絡し、同様の取扱いを行う)

4.ところがJR東日本は、この間(組合側に明らかにされたのは本年5月25日)、 「 必要により走行中に運転通告を受領してもらう」 として、 これまで指導してきた取扱いを変更している。
 7月1日、JR東日本千葉支社との団体交渉で改めて確認したところ、
 ① 列車無線による運転士への通告がされた場合、「運転通告受領券」に記入しなくとも、復唱した時点で受領とする。「運転通告受領券」への記入は、後で整理する。運転士の判断で、走行中に受領することができる。
 ② 通告内容が記憶しきれず「運転通告受領券」に記入する場合、あるいは別な紙等にメモをとる場合でも、運転士の判断で、走行中でもよい。
 という取扱いを行うことが明らかになった。

5.言うまでもなく、運転通告は、運転取扱い上、非常に重要な変更が生じたときに行われるものであり、一般的な情報の伝達ではない。
 (1) 前項①の場合は、失念や勘違いを防止する手段が全くないこと、また、復唱は文字として記録したものを復唱するから意味を持つものであって、 記録せずに、 運転士の記憶力だけに頼る取扱いは問題があること、
 (2) 前項②の場合は、前方注視をしないまま運転することになること、
 (3) そして、その判断を全て運転士に委ねてしまえば、運転士にとって列車を止めること、列車を遅らせることがどれほど精神的にプレッシャーを受ける行為であるのかを考えたとき、どのような場合でも否応なく「走行中の受領」が横行せざるを得なくなること、
 等を考えた場合、これは重大事故の発生にもつながりかねない危険運転行為を運転士に強制することになるのは明らかである。

6.なお、 JR東日本千葉支社は、 「 別紙文書は、 かつて指導グループで作成した『たたき台』であり、 公式なものではない。列車無線による通告受領について、 (走行中に受領してもらうこともあるという)取扱いは、以前から変わっていない」 としているが、 少なくともこれまで、 運転士に指導され、 あるいは労使間で確認されてきた内容は「 別紙」 によるものであり、 「 走行中に受領」 など一度も指導されたことはない。
 しかし、問題は従前までどうであったかという問題ではなく、列車無線による運転通告を走行中に受領するという取扱いの適否である。
 従って、 下記のとおり申し入れるので、 見解を明らかにするとともに、 JR東日本を適切に指導されたい。

1.列車無線による運転通告を走行中に受領するという取扱いについて、 国土交通省の見解を明らかにされ たい。

2.「別紙」千葉支社名文書に基づく取扱いが指導されれば問題ないと考えるが、列車無線による運転通告 は、必ず停車中に受領する取扱いとするように、JR東日本を指導されたい。

-以 上-

大失業と戦争の時代に通用する新しい世代の動労千葉を創りあげよう!
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