CTSと集中団体交渉(11.27)業務中死亡事故を受け、AEDの設置を!住宅手当・扶養手当の整備を!駅清掃事業所の休憩所の改善を!

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① 業務中死亡事故を受け、AEDの設置を!
② 65歳まで働けるような賃金・労働条件の抜本的改善を! 契約・パート社員も同様の基準で取り扱え! 住宅手当・扶養手当の整備を!  
③ 深夜早朝手当の事業所間格差の解消を! 駅清掃事業所の休憩所の改善を!

 動労千葉は11月27日、①8月8日に幕張事業所で起きた業務中の死亡事故、②2017年年末手当要求に対する回答、③組合大会決定に基づく賃金・労働条件に関する申し入れをめぐって、CTSと集中的に団体交渉を行った。

田中さんの死亡事故は「業務に起因したものではない」

 8月8日に起きたCTS幕張事業所で起きた田中宏昌さんの業務中の死亡事故に関して、CTSは「業務に起因するものではない」「AEDを設置する考えはない」と許しがたい姿勢に終始した。引き続き、職場の仲間の命を守るため安全対策について徹底追及を行っていかなければならない。

【組合】田中さんの死亡は労災と考えるが。
【会社】死亡原因は、業務に起因したものではないと聞いている。
【組合】『業務に起因したものではないと聞いている』という回答は、まるで他人ごとのようではないか。業務中に社員が亡くなるという事態は大変なことだ。
【会社】会社としては重大な事態と考えている。急性心不全であると病院から連絡を受けている。
【組合】経過と『業務に起因したものではない』と判断した根拠は。
【会社】午後1時10分頃、洗浄線1番線の快速車両内で倒れているのが発見され、社員と管理者が応急手当を実施、1時26分に救急車が到着、1時50分に病院へ搬送された。午後4時25分に警察から社員死亡の連絡があった。翌日、労基署に連絡。その日に労基署が調査に入った。当日の勤務の流れ、3か月分の勤務表、それぞれの日の担務、作業ダイヤ、超勤の有無などを聞かれた。
【組合】超勤の時間数は。
【会社】8月はなし。7月は4時間。
【組合】持病や健診の結果は。
【会社】健診の結果は、この2~3年のものは問題なかった。それも労基署に提出した。労働環境についても労基署は見ていったが、この点についても労基署からの指導はなかった。
【組合】どこを見ていったのか。
【会社】洗浄線の様子や、快速車両の社内の気温なども計っていった。病院から死亡原因の連絡を受け、8月10日にその旨を労基署に伝えた。その場で労基署が『急性心不全であれば、業務に起因したものではない。これで労基としての調査は終わる』というお話があった。
【組合】それだけで終わりなのか!
労基署の調査、会社の姿勢はあまりに不十分だ。車両基地での夏の仕事は、誰にとっても過酷で、いつ誰が倒れてもおかしくない。組合としては基本的に労働災害と考えている。職場の仲間も、酷暑の中での連続する作業が最後の引き金になったと誰もが思っている。快速車両内の温度を測って、何がわかるというのか。

〈AEDを設置する考えはない〉

【組合】労働者が死亡した以上、具体的対策が必要だ。
【会社】申し入れのあった安全対策については担架、副木、止血帯を11月15日、津田沼、幕張、京葉の各事業所に配備した。AED設置は現在のところ考えていない。救急救命講習会等については今後、検討したい。
【組合】AEDがあれば助かった可能性もある。現実に社員の死亡事故があったのに、なぜ設置しないのか。「乗降数の多い駅にはAEDがすでにある。少なくともまず車両基地の事業所には設置すべきではないか。
【会社】各事業所への設置は義務付けられていない。設置するなら全事業所に、となる。特定の事業所だけとはならない。
【組合】JRとの協議はしているのか。
【会社】行っている。『未来永劫、設置しない』と言っているわけではない。
【組合】少なくともAEDについては設置する方向でJRと議論を進めるべきだ。また携帯型の熱中症指数計が販売されている。二度と同じことが繰り返されてはならない。来夏にむけ、引き続き議論していきたい。

無期転換に伴う労働条件・福利厚生の改善を

 年末手当支給に際して、動労千葉は「基準内賃金の3・7か月分の支払い。「契約・パート社員も同様の基準で取り扱え。と求め交渉を行ってきた。同時に、住宅手当や扶養手当、深夜早朝手当の事業所間格差解消をめぐって交渉を重ねた。
回答は、社員は「基本給の2・9カ月+一時金。契約・パート社員については従来どおり「勤続年数に応じた手当+一時金。という差別的取り扱いを強行した。社員の一時金は、昨冬から5千円増額の1万円。契約・パートの一時金は、昨冬と同額の1万円、今夏の一時金=3万円からは2万円の減額となっている。
組合からは「契約・パート社員の中には5年、10年と働いている仲間も多い。そういう社員については社員と同率の支給を検討すべきだ。と改めて求めたが妥結には至らず、会社は低額回答を強行した。

〈住宅手当・扶養手当の整備を〉

【組合】住宅手当、契約・パート社員の扶養手当についても検討しているということでいいのか。運転車両で採用されたプロパー社員は、遠方からの採用され、職場周辺でアパートなどを借りている人も多い。この賃金だけでは成り立たない。
【会社】住宅手当については研究はしているが出向者をのぞく約650人の社員に出すと大変な額になる。そもそも、どこまで有期雇用の方に福利厚生を広げるべきなのか。JRのグリーンスタッフ(契約社員)も扶養手当はなかった。
【組合】契約・パート社員といっても無期転換して『65歳まで働く』と意思表示している人たちが半数以上だ。臨時的、一時的な働き方ではない。本来なら社員になりたい方が大半だとおもう。来年4月以降の労働条件、福利厚生については、考え方を転換すべきだ。
【会社】無期転換が大きな変化点であることは確か。会社としても、そこは課題として持っている。

〈深夜早朝手当の事業所間格差の解消を〉

【組合】この点については、一般的な福利厚生とは次元の違う問題。制度として明らかにおかしい。
【会社】具体的に検討はしている。組合要求の『一律1500円』とすると総額で5千万円程度となり、一年間の利益が消える額。経営を圧迫する。
【組合】地域によって時給額も大きく違う。そのうえ深夜帯の作業手当が、最大で6倍も違うのは説明がつかないのではないか。組合として当面する最重要課題と考えている。
【会社】可能な時期に手をつけたいとは考えている。
【組合】『可能な時期』では話にならない。会社が行ったシミュレーション結果などを示してもらい、具体的に議論を継続していきたい。

後期の無期転換、面接は120名

 今年度後期分の「無期雇用転換」については以下のような議論を行った。

【組合】前期分の転換は確認した。後期分の人数は。
【会社】対象者126名のうち120名と面談を行った。判定結果は1月中旬に伝えられると思う。
【組合】従来どおりの基準で大丈夫か。
【会社】基準は従来どおりで問題ない。
【組合】社員でも辞める方が多いのが現実。根本的には賃金水準の問題だ。先ほども議論したが、組合としては無期転換の次は、65歳まで働けるような賃金・労働条件の抜本的改善と考えている。
【会社】組合の意見は受け止める。 

駅休憩所問題は引き続き議論

【組合】駅清掃事業所の休憩所の改善について、進捗はどうか。
【会社】葛西臨海公園での休憩スペース確保、一部屋を確保した。成田空港事業所での社員トイレの改善、男女共用だったが別々のトイレを作った。今後も進めていく。
【組合】一か所、2か所の話だけでは全体像が分からない。全体の調査を進めたはずだが、その結果は示せないのか。春から議論している通り、駅関係では休憩スペースと水(手洗い水、飲用水)の問題が大きい。JRとの協議は進めているのか。
【会社】協議は進めているが、協議が進まない部分は、作業ダイヤ見直しで、スペースのある駅に移動して休憩してもらうなどしている。
【組合】緩行線エリアから手をつけるとしてきたが、進捗は。
【会社】場所を確保できるよう協議進めてきた。何か所かは話がついた。小岩駅、武蔵野線の新八柱駅。
【組合】他の駅の進捗は。組合員から千葉みなと駅の現状がひどいと声が上がっている。京葉事業所も、清掃、上回りともスペースが狭い。
【会社】調査結果の全体を示すことはできないが、具体的に聞いてもらえば答えることはできる。
【組合】今後も改善要求を出し、議論を継続していきたい。

〈千葉事業所の労働環境改善を〉

【組合】10月から千葉東と西が統合して千葉事業所になり、100人規模となった。人数にみあった施設を整えないと、千葉東事業所の事務所のままでは無理があるのではないか。
【会社】借りられるスペースがあれば借りて、広げていこうとは思っている。
【組合】要員数はそのままか。エスカレーターなど、新しい仕事が増えている。
【会社】要員はそのまま。
【組合】東と西の作業分担は。
【会社】いまは基本的に従来のまま。今後、駅舎も車両も両方できる人を増やしていくよう多能化を進めていきたいと考えている。
【組合】新しい仕事を覚えるにも、見習期間などプラスアルファの要員がないと不可能だ。必要な要員の確保を進めるべきだ。

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