9/22千葉支社団体交渉 外房線パンタグラフ故障、乗務員行持替・要員問題

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9月22日、①6月21日に外房線で発生したパンタグラフ破損について、②コロナ感染拡大で乗務員区で行路の持ち替えなど要員問題が発生したことについて、JR千葉支社との団体交渉を行った。

外房線パンタグラフ故障(申27号)

なぜ破損したのか

会社 6月21日23時頃、安房鴨川駅に到着した特急車両のパンタグラフ破損が確認された。

組合 発生区間や原因は何か。

会社 原因と思われる区間については、安房小湊~安房天津間の大風沢トンネルの電車線設備、架線の曲線引き装置が外れていた。それにパンが接触したと考えている。曲線引き装置は、トロリ線を引っ張っている金具だ。

組合 後続の列車はどうだったのか。

会社 前後の列車を確認しても事象はなかった。調査を進めている中で幕張車両センターで同区間を21日朝に走った車両のパンに傷が見つかった。全編成の確認を行い、傷がついているものが何編成か見つかった。

組合 当該列車の前方車両は傷がない。前後の編成にもなかった。なぜか。

会社 前方のパンが通過する際は金具が正常な位置にあった。第2パンタ通過時に落ちてぶら下がった状態になり、パンにあたった。その衝撃で金具が地上に落ちた。その後のパンは、金具がなくなったのでその後は傷つかなくなったと考えている。

組合 209系と257系でパンの形が違う。その影響はあるのか。

会社 乗客の乗り具合、車輪径など微妙なところで変わることはあると思う。壊れた状態だと、釣り金の状態や車両の速度などでも変わってくる。

組合 架線に問題はなかったのか。

会社 当該箇所以外は壊れている場所はなかった。

検査で発見できないのか

組合 当該箇所を発見したのはいつか。

会社 翌日に検測車が走行していて、検測車が衝撃を検知した。確認した所、曲線引き装置が落ちていて、架線に支障が出ていたと確認した。

組合 検測車が走っても故障がなければ発見できないということか。

会社 変位があれば検知できるが、正常な位置にあれば検知できない。今回のケースでは検知できなかった。

組合 原因はなにか。

会社 腐食による劣化だ。

組合 所定の点検の期間はどのくらいか。点検後どのくらいの時間が経っていたのか。

会社 年1回の周期で点検している。前回の点検は22年2月だった。検測車によるモニタリングの検査と、社員が目視で行う検査があるが、目視の検査が22年2月だ。

組合 運転台に乗って目視で点検するということが行われているが、速度も60㌔などになる。確認できないということか。

会社 乗車巡視ではわかりにくい。

組合 事前に定期点検で把握できないのか。

会社 腐食は経年劣化だ。定期的な検査で予兆、交換時期を予測できる。

組合 当該部品の取替実績はあったのか。

会社 当該設備は92年製で取り付けも同年だ。

組合 交換周期はどのくらいなのか。

会社 区間により周期が違う。今回は重塩害区間で腐食が著しい箇所だ。今回は30年経っているが、そのくらいは持つと考えている。

組合 当該部品は、異常がなければいつ交換する予定だったのか。

会社 交換するには設備数が多いので優先順位付けも必要だ。何年だというのは出せない。

組合 30年も取り替えていなかったとは驚きだ。他の箇所では腐食などはなかったのか。

会社 トンネル内の同種設備を対象に緊急点検を行った。腐食が進んでいる箇所が千葉支社全体で8か所あり、曲線引き装置が垂れ下がらないよう仮処置をしている。外房線、内房線といった重塩害区間が多い

組合 他の腐食箇所の部品製造・設置は何年か。

会社 この場ではわからない。

組合 会社は「時期を決めた周期的な検査」から「モニタリングによる検査」に変えるといっている。今回のようにトラブルにならないと直さなくなるのではないか。検測車でわからないものが壊れている。メンテナンスの周期を見直しや巡回増が必要だ。

会社 事象を受けて定期点検の際のポイントとして検査している。想定していた以上に腐食が早ければ交換周期を見直すことも必要だ。

派出体制の強化が必要だ

組合 深夜に終点近くでの故障だった。出動はどこからか。

会社 千葉派出と幕張本区からだ。

組合 鴨川派出は出動しなかったのか。

会社 入出区担当で検査はいたが、本区から来てもらった。

組合 鴨川に2人いれば対応できたのでは?

会社 パンタグラフが降下できないという状況だった。本区での処置が必要だ。

組合 今回は当該列車が特急で折り返しもなく、発見も駅での発見で時間は夜だった。2両ワンマン車両で乗客が乗っているケースもある。線間やトンネル内で起こることもある。検査派出は改めて必要だ。ワンマン運転を中止し、駅無人化も有人化・直営化すべきだ。

乗務員行持ち替え・要員問題(申34号)

7~8月過程では、乗務員区でのコロナ感染拡大により、乗務員区間での行路持ち替えが行われた。乗務員の労働強化につながる重大な問題だ。交渉においては乗務員の要員増を要求し、会社を追及した。

組合 コロナ感染拡大に伴い、各乗務員区における業務の持ち替え等が発生した。千葉運輸区では鴨川や佐倉の仕事を持っていた。

会社 7~8月、お盆明けまでがピークだった。9月は持ち替えを行っていない。昨日の段階で、乗務員区所で出勤できない人は一桁だ。

組合 これまで職場間の業務のやり取りはなかった。必要な要員が確保されていないということではないか。

会社 要員は足りている。コロナ感染が急激に増えたことによるものだ。感染対策を行ってもらっていることで行路移管の範囲で収まった。感染対策をしっかり行うことが必要だと改めて認識した。

組合 これまでも対策しているが、感染することはある。これ以上の対策とは何か。

会社 新しい対策は難しい。マスクや換気、手洗いなどだ。

組合 全区で拡大した場合には、列車削減も必要になる。想定しているか。

会社 考えているが、そうしないことが第一だ。

組合 要員を増やすべきだ。要員が多ければその分対応できる。

会社 主張としては理解できる。管理者の乗務や支社にも乗務できる社員がいる。そういった部分を含めて対策していく。

組合 運転士の年間養成数はどの程度か。

会社 手元に数字はない。その時々で変わるが「コロナだから増やす」ということはない。

組合 例えば千葉運輸区は乗客を乗せてワンマン車両の運転はできない。今後、訓練を考えているのか。

会社 この場で「すぐやる」とは回答できない。

組合 車掌との込運用が教育された運転士に対して、会社は「異常時に車掌として乗務させることもありうる」と回答した。
ワンマン車両でも、そうした事が言われるのではと懸念している。それが「当たり前」となるのは非常に危険だ。行路の持ち換えが労働強化につながることは看過できない。ひっ迫しない要員確保を行うこと。

(以上)

〈減速・注意運転で表彰〉―安全運転闘争は処分?!
闘いなくして安全なし!反合・運転保安闘争で闘おう!

今年2月に減速して運転し、踏切内に自動車が通っていることを発見し、踏切前で停車させた運転士が、「これぞMVP」「自律的な安全行動」と会社に表彰されている。

当該運転士は、直前に防護無線を2度受信して停車していたため、踏切を無理に横断する人がでるのではないかと考えて、速度を落とし、注意して運転したと話している。

だが、会社はわれわれが闘った安全運転闘争に対しては、「違法争議だ」と何千人もの管理者を動員して運転台に乗り込ませて処分を乱発した。レール破断が相次ぐ中で、「危険な箇所の速度を落とす」という闘争にも関わらずだ。

会社はダイ改のたびにスピードアップ、乗務員の労働強化を繰り返してきた。そして今も、ワンマン化、無人駅化、自動運転導入など、「安全より合理化」の攻撃を進めている。「鉄道部門4千人削減」を打ち出し、現業職すべての職名を廃止し、業務融合化を進め、〝何でもやれ〟と「転籍・副業」へとかりたてようとしている。

労働者の抵抗や労働組合の闘いがあってはじめて「安全」を資本に強制することができる。その闘いは、鉄道に働く労働者、労働組合の責務だ。反合・運転保安闘争を強化し闘おう。

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