乗務員の労働時間を削り取るな!
9月15日、JR東本社は「乗務員の業務等の見直しについて」提案を行ってきた。
仕事は変わらず労働時間削減!?
実態は何も変わらないのに、形式上の労働時間だけを「3分」「5分」と削り取っている。そして一行路の労働時間を削減し、長大行路・ロングラン行路を強制して要員を削減する攻撃だ。実際、早目出場について、会社は「早目に出場するということは変わらない」としているのだ。
起床時の労働時間削減も許せない。「睡眠時間が確保できる」などというが真っ赤なウソだ。宿泊場所から点呼場所まで移動が必要なことも、点呼後に必要な仕事も変わるわけではない。どちらも業務上必要な時間であり本来なら労働時間だ。それを「労働時間ではない」というのは泥棒と同じだ。
ただでさえ、この間はコロナ感染症対策で乗務員には宿泊時のシーツ交換が「サービス残業」として強制されている。さらに労働時間を削り取るなど絶対に許せない!
合理化攻撃に反撃しよう
発車看視や入区点検の削減、帰着点呼廃止などは、明らかに行路の合理化、労働強化が目的だ。運転士による始発列車のドア扱いは、ワンマン運転化攻撃であり、すべての負担を運転士に押し付けようというものだ。「コロナ禍」「赤字」を口実にした安全軽視と、さらなる乗務員への負担増を許すわけにはいかない。合理化攻撃に職場からの反撃をたたきつけよう。
乗務員の業務等の見直しについて(JR東本社 9/15提案)
○出勤予備の労働時間
出勤予備の者の1日当り労働時間数は7時間10分とする。
○早目出場の見直し
(現 行)列車到着時刻の3分前までに乗継箇所に出場する
(変更後)列車到着前までに乗継箇所に出場する
○乗継後の発車看視を廃止
(現 行)乗継ぎ後、列車が乗継箇所を通過後にその場を離れることができる(停車時間2分以上の場合は省略)
(変更後)乗継ぎ後、その場を離れることができる(エンド交換時等に車両等の状態に注意する)
○入区点検の見直し(在姿状態確認廃止)
(現 行)1.機器及びスイッチ類の整備、2.在姿状態確認、3.転動防止、4.乗務員室の鎖錠
(変更後)1.機器及びスイッチ類の整備、2.転動防止、3.乗務員室の鎖錠
○点呼箇所と休養室間の移動時間の取扱い
(現 行)点呼箇所と休養室間の移動時間を一部、労働時間としている
(変更後)原則として、点呼箇所と休養室間の移動時間は労働時間として取り扱わない
○起床点呼後における付加時間の一部見直し
(現 行)起床点呼後に付加時間5分を労働時間に計上
(変更後)起床点呼後の付加時間5分を削除し、労働時間として計上しない
○帰着点呼の廃止
(現 行)自区所に帰着後、乗務内容の報告を行う帰着点呼を行う場合がある
(変更後)終了点呼時に乗務内容の報告を行い、帰着点呼を廃止する
○運転士による始発列車のドア扱い等を全支社に拡大
乗客の利便性向上、車掌の出場を遅らせることができる、ワンマン運転等の拡大を見据えること等が目的
<実施期日> 2021年度末ダイヤ改正(予定)