65歳以降雇用延長裁判 証人尋問闘争

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JR・CTSの雇用拒否・動労千葉排除の不当性は明らかだ!
証人採用拒否・結審強行弾劾!雇用延長かちとるまで闘おう!

11月22日、65歳以降の雇用延長拒否・動労千葉排除をめぐる裁判が千葉地裁で行われた。今回の裁判では、組合側から関委員長、渡辺書記長、山田護特別執行委員、山田繁幸特別執行委員、会社側からCTS笹本総務部長が証言した(各証言の詳細は後述)。

裁判長は、組合側から申請していたCTS交渉担当の証人採用について、「必要なし」として採用を拒否した。そして、不当にも結審を強行して審理を打ち切った。

だが、笹本総務部長は証言で、交渉の中でCTSがいかに回答したか具体的には「分からない」と語っている。CTSは現場労働者には「管理者も雇えないから、65歳以降は現場も雇用できない」という形で諦めさせておきながら、自分たちだけはこっそり隠れて都合よく雇用延長をしようとした。そうした実態を明らかにせずに結審を強行するなど到底認めることはできない!

判決日は来年2月21日と決定された。今回、証言で明らかになった事実からも、JR・CTSが動労千葉排除のために65歳以降の雇用を拒否していることははっきりした。裁判所は65歳以降の雇用を認める判決を出せ! 雇用延長をかちとるまで断固闘おう!

次回日程
県労委:12月4日11時~ 千葉県労働委員会
千葉地裁(601号法廷):
〈1次訴訟〉判決 24年2月21日13時10分~
〈2次訴訟〉弁論 24年1月17日11時~

渡辺書記長

冒頭に証言にたった渡辺書記長は、CTSが団交でどのように回答してきたか、その不当性を証言で明らかにした。

CTSはエルダー社員を65歳以降も雇わないことについて、「経営状況が悪い」「良くなれば、情報提供サービスに登録して雇用したい」と回答してきた。当時、コロナ禍を口実にしていたが、現状ではそうした言い訳もきかない。実際にハローワークでの募集も再開されている。だが、回答は反故にされ、いまだに募集も雇用もされていない。

また、裁判では「要員が足りているので雇用する必要がない」とも主張している。このことについて渡辺書記長は、「各事業所から人が足らないという声が上がり、団交も行っている」「会社も、幕張事業所の上回りについて『手薄になっている』と認めている」とCTSのウソを暴いた。

一方で、管理者についてCTSは「所長や副所長をやれる要員が不足し、65歳以降も雇わざるを得なかった」と主張している。しかし、実際にはCTSの所長・副所長のほとんどはJRからの天下りだ。「65歳以降も雇用を延長しなければ人がいない」など、自分たちが都合よく雇用延長するために取ってつけた言い訳だ。

交渉においては、「エルダー社員も管理者も情報提供サービスによってしか雇えない」としていた。「隠れて管理者だけ雇用するのではないか」といった追及にも、交渉員は「自分たちも同じように辞める」とまで回答していた。

だがその後に所長の雇用延長が明らかになると、「別制度で雇われていた」と回答が一変した。「管理者はエルダーではなかった」「(交渉員は)自分たちもエルダーとは別枠だったが、知らなかった」「交渉員の認識不足だった」などと言い始めた。

しかも、それを「誤解を招く回答」と「誤解した組合の問題」とでもいうかのような回答を繰り返した。どこが「誠実な謝罪」だというのか!

こうした誠実さのかけらもないCTSの対応について渡辺書記長は「認識不足は信じられない。1年以上たってから回答内容が180度変わった。後出しジャンケンで信じられない」と訴えた。

CTS笹本総務部長

続いて、CTS笹本総務部長の証言が行われた。主尋問では「65歳以降のエルダーの雇用は原則断っていた」「要員不足はない」「所長の雇用延長について、組合には十分に説明した」「誠実に謝罪した」などと主張した。このウソとごまかしを反対尋問で暴いていった。

幕張事業所では21年9月末に65歳以降も雇用を延長されていたJR出身者のうち少なくとも10名が一斉に雇用を打ち切られた。ベテランの労働者の雇用を無理やり打ち切ったために、上回りで十分な経験のある労働者が一挙にいなくなってしまった。それが、現在の「上回りが手薄な状態」を生み出している。

こうした追及に笹本総務部長は、「プロパーを養成している」「エルダー社員の受け入れもある」「要員は足りている」などと回答した。

一方で、運転車両でプロパー社員をこれまでで98名雇用したが、現在は72名しか残っていない(26名が退職!)という事実も明らかになった。

エルダー社員の受け入れ数について追及されると、「今年度はいたが、来年度はゼロ」「その後もほぼいない」と答えざるを得なかった。また、「プロパー社員だけで仕事を回すことはできない」ことも認めた。

今後、エルダー社員の退職は続く。即戦力で技術と経験のある要員を確保するには、エルダー社員を雇用する以外にない。この点を追及されると、笹本部長は「要員は足りている」と繰り返す以外になかった。

清掃部門についても、「要員は足りている」「エルダーを雇用する意思はない」と主張した。そこでハローワークでの募集が8事業所で合わせて17名募集されていることを突きつけると「管理者層を育てるためだ」などと答えた。

だが、ハローワークの募集には「要員補充の必要から」と書かれている。結局、要員不足であり、継続して募集しなければならない実態が明らかになった。

所長の雇用延長に関しては、65歳を迎える3~4ヶ月前になって後任について検討を始め、「管理職エルダー再雇用賃金内規」を作成したと証言した。さらに「助役エルダーを65歳以降も雇用したのか」と聞くと、「副所長として採用した」と「エルダー社員を雇用しない」という証言とまったく逆のことまで語った。CTSの主張がどこまでもデタラメなごまかしであることがはっきりとした。

組合へウソの団交回答をしてきたことについて、CTSは「これまでも真摯に交渉してきた」というとんでもない回答書をだした。これも笹本部長は内容を事前に確認していたと認め、「当時はこれでいいと判断した」「交渉内で謝罪した」と苦し紛れに答えるしかなかった。

山田繁幸特別執行委員

山田繁幸特別執行委員は、千葉事業所での実態を中心に証言した。

山田繁幸特執は、そもそも木更津事業所での勤務を希望していた。木更津事業所ではエルダー社員の退職があり、通勤上も木更津なら1時間弱だが、千葉事業所では2時間半もかかる。木更津に配属することが当然の状況だった。

だが、山田繁幸特執を排除するために、他企業での仕事が決まっている人間を無理やり連れてきて要員の穴埋めまでして千葉への配転を強行した。明らかに木更津支部の弱体化を狙った攻撃だ。

こうした経過を明らかにした上で、千葉事業所では欠勤者の穴埋めで担当替えが起こったり、休勤での呼び出しが行われたりするなど、常に要員不足であった実態を証言した。そして、CTSプロパー社員の雇用は65歳以降もどんな労働者も基本的に雇用が延長されており、エルダー社員の雇用は拒否がいかに意図的かを明らかにした。

JR・CTS側の弁護士は、「休日勤務や担当替えは一部期間のみだ」とごまかそうとしてきたが、「自分が在籍してきた5年間ずっと見て聞いてきた」と職場の実態を証言した。

山田護特別執行委員

山田護特別執行委員は、まずJRが当時幕張支部長だった山田護特執を幕張から外そうと画策していたものの、団交などでの追及で希望した幕張事業所への配属をかちとってきたことを証言した。そして、外注化反対闘争で12年以上にわたって検修・構内業務の全面外注化を阻止し、その闘いの中で組織拡大を実現してきた闘いの歴史を語った。

山田護特執は20年以上にわたり幕張支部長として闘いの先頭にたってきた。エルダー社員としてCTSに出向させられた後も、パンタグラフ組立作業で使う発がん性物質の安全対策、防護服の配備などをかちとった。特急車両のフィルター交換の作業方法を改善させたり、熱中症対策では飲み物や空調服の配備をかちとった。

こうした闘いをJR・CTSがどれだけ敵視し、その中心にいる山田前支部長を嫌悪してきたか。だからこそ、山田前支部長の65歳以降の雇用が問題になる直前になって、同じ職場である上回りで65歳以降雇用されていたベテラン労働者6名の契約を一度に打ち切ったのだ。

そもそもは、希望者は基本的に雇用延長されてきた。証言でもこうしたベテラン労働者が「面談があって希望すれば100%雇用された」実態を語った。

JR・CTS側は、「上回りの要員にCTSプロパー社員が補充されている」と反論してきた。だが、上回りという業務はいつも同じ作業をするわけではなく、様々な業務に習熟するためには十分な経験が必要になる。新人ばかりを増やしても、1年もたたずに異動になれば十分な経験を積むこともできない。

こうした職場の現実を突きつけ、「数だけ揃えるのではなくベテランを確保することが必要だ」とはっきりさせた。

証言の最後には、「現場の雇用は拒否しておいて、管理者が自分たちだけ雇用を延長している現状は許せない」と怒りをたたきつけた。

関委員長

最後に証言にたった関委員長は、分割・民営化反対闘争、外注化阻止闘争など動労千葉の闘いの歴史、JRが常に動労千葉を敵視してきた歴史を語った。

シニア制度では「外注化を認めなければ再雇用しない」という悪らつなやり方にも対決し、33名が雇用を拒否され、10数名は動労千葉を脱退して雇用される道を選ばざるを得なかった。また、外注化攻撃を前に、幕張支部の支部役員12名中5名がわずか5ヶ月で次々に強制配転されるという組織破壊攻撃がかけられた。これに対しても動労千葉は5波のストを闘い反撃にたちあがってきた。全面外注化が強行された12年10月以降も、外注化撤回を要求して闘い続けている。

こうした動労千葉の闘いの中心であった幕張支部や山田支部長に対して、JR・CTSがつねに嫌悪してきており、65歳以降の雇用拒否は職場から動労千葉を排除する目的だと明らかにした。

ここでJR・CTS側の弁護士は、なんと「職場にいなくても組合活動に支障はない」「団交に参加できるから問題ない」「労働組合とはそういうものだ」と考えられない反論をしてきた。こんな考え方こそ不当労働行為そのものだ。

証言においても、「職場で闘ってこその労働組合だ」「ストライキにおいても職場に組合員がいることが重要」と突きつけた。

(以上)

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