不当判決のりこえ外注化粉砕まで闘おう
12月1日、出向裁判の判決を受け、出向裁判判決報告集会を開催した。裁判当該の組合員を先頭に、各支部組合員が参加した。
集会冒頭、あいさつに立った田中委員長は、「外注化阻止闘争はシニア制度以来18年間、組織の総力を挙げた闘い。それが一つの節目を迎えた。シニア制度の時はクビを出しても『組合として外注化は認められない』と闘った。そのことを軽視してはならない」と提起。そして外注化攻撃の悪辣さと転籍まで狙われている現状を語り、「何より組織拡大。CTSで動労千葉組合員は1割になる。過半数を取れば外注化も粉砕できる。JRはもちろんCTSでも組織拡大を実現しよう」と訴えた。
われわれから逃げ回った判決
判決内容を報告して頂いた森川弁護士は、「12年末に始めた裁判闘争は最先端の闘い。外注化・出向を争う闘いはほぼない。現場で初めから攻撃と捉えて闘ってきたことは重要」と裁判闘争の意義を提起。
大法廷で3日間行われた証人尋問では、「出向期間は原則3年ではなく、初めから10年を予定」などの事実を暴き、外注化や出向しなければならない理由がまったく説明できないところまで会社を追い込んだ。森川弁護士は、「3日間の大法廷で獲得したものは大きい」と提起した。
判決について、「JRが書いたような結論ありきのもの。基本的にわれわれの主張から逃げまわっている。JR・裁判所を追い詰めた」と総括した。「出向期間は原則3年」という会社の主張のウソについて、判決は「はじめから10年かけて解消する計画」と認定。出向の目的についてもJRの主張を丸写しして、JRで技術継承や雇用の場の確保、コスト削減ができないのかという論点を無視し、「グループ会社全体で発展するため」とした。
森川弁護士は、「原則の意味が分からなくなる内容」「グループ会社ありきで『全体に業務を配分するのは当然』というが、外注化・子会社化すること自体が目的であり攻撃」と断じた。 また、判決はわれわれがスト権侵害を追及したことについて「動労千葉のスト権を侵害するものであるか否かはともかく」と判断を逃げた上で「出向は動労総連合のみではない」「スト破りを目的とはしていない」として「不当労働行為ではない」という形でごまかした。出向延長についても、「定年まで出向させられたとしても通常の異動と変わらない」などと全面的に会社を擁護した。森川弁護士は、「スト破りが目的でなくても、スト権を侵害する構造になっていることが問題」「『不利益の程度は通常の異動と変わらない』と15回以上使っている。裁判所が逃げられずに不利益だと認めざるを得ない時に、『我慢できる範囲』とごまかしている」と断罪した。
安全問題も外注化と関係ないと決めつけ、偽装請負も「出向命令が違法な状態を目的にするか、その違法性が社会通念上看過しがたい重大なもの」でなければ外注化も出向も合法とした。その上で、「グループ会社は、能力を超えたり緊急の時以外は自分でやっている」から偽装請負ではないとした。
森川弁護士は、「線路はつながっている。必然的に一体で業務することになる。バラバラに動けば事故だらけに。『例外』が日常であり、外注化がそもそもなじまない。労働局も偽装請負の疑いが強いと指導票を出した」とし、「判決は就業規則のみで出向させられるとしたが、就業規則は一方的に押し付けられるもので同意ではない。個別の同意は要らないということ。世界中でも就業規則の万能化が狙われている。最先端の闘いだと感じる。この闘いに関わっていることに誇りを感じる」と締めくくった。
外注化粉砕闘争に勝利しよう
質疑応答では、次のような意見が出された。
・就業規則が万能ならなぜシニア制度の時はクビにされなければならなかったのか。協定を結ばずクビになって闘った先輩たちの無念を晴らしたい。
・外注化されている千葉駅西口改札にも、中央改札と同じように情報が流されている。実際上、指示にあたるのではないか。
・出向には目的が必要のはず。派出には技術継承の対象が今も全くいない。ただの労働力の提供。なぜ正当化できるのか。完全にスルーされている。
関副委員長が、「証人尋問ではやりきったが、不当判決。87 年4月1日は忘れられない日だと思うが、12年10月1日も忘れられない日になった。最後の最後まで闘う」と決意を述べた。
森川弁護士は、「困難はあるが、自分は勝つつもりでやっている。尋問の時には勝ったと思った。労働者の誇りを傷つけることは許せない。これからも勝つつもりで闘う」と述べられ、最後に川崎書記長から今後の方針が提起された。
控訴審は、2月21日(水)10時30分より東京高裁825号法廷で行われる。裁判闘争と職場闘争を一体で闘い、外注化粉砕まで闘いぬこう。