結成45周年 動労千葉が歩んだ道 切り開いた地平

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1979年3月動労千葉結成

動労千葉は今年3月30日、動労本部から分離・独立し新組合を結成してから45年を迎える。激しい攻撃に抗して団結を守りぬいた確信を胸に新たな一歩を踏み出そう!
結成の直接のきっかけとなったのは、動労千葉が首をかけて労農連帯を貫き、ジェット燃料貨車輸送阻止闘争に立ち上がったことに対する動労本部・革マルの敵対であった。動労本部は、「三里塚闘争とは一線を画する」と称して、国鉄当局や国家権力と一体となって闘いを中止せよと襲いかかってきたのだ。それを「決定」した前年秋の津山全国大会は、千葉の代議員・傍聴者の多くが骨折等の重傷を負う激しい暴力の場となった。そして3月30日、千葉地本執行部の処分を決定するための中央委員会が召集された。それまでも千葉地本は、激論の中で73年に闘う執行体制を確立して以降、何年にもわたる組織破壊攻撃に耐え、我慢に我慢を重ねて“動労改革”を訴えて闘い続けていたが、事ここに至って選択肢はひとつしかなかった。千葉地本は同日、臨時大会を召集し中央委員会の推移を固唾を飲んで見守った。そして「統制処分を決定」との報と同時に、臨時大会は動労千葉結成大会に切り替えられた。45年前のこの日、こうして動労千葉は産声をあげたのである。

労働運動の変質に抗して

こうした事態の背後で進んでいたのは、動労や日本労働運動の急速な変質であった。当時、われわれはそのことを声をからして訴えていたが、労働運動全体としてはそう認識されていたわけではない。マル生攻撃を粉砕した国鉄の職場では一見労働組合が天下をとったかのような状況があり、国鉄当局は「労使関係正常化」と称して組合をチヤホヤしまくっていたし、戦後の争議件数のピークは74年で9600件を数え、この年の春闘では30%を越える賃上げをかちとっている。国鉄を全線区8日間にわたってストップさせたスト権ストが闘われたのは75年だ。 しかし、こうした見かけの華々しさの裏で実は労働運動の変質・階級性の崩壊が急速に進んでいたのだ。 60年代を通して民間大手の労働組合のほとんどが資本の側にのっ取られてしまっていたし、公労協でも組合幹部、激しく進む合理化を見て見ぬ振りをして賃金が上がっているだけなのに、それを運動の前進かのように語って慢心し、ストは「年中行事」でしかなくなっていた。
それは、74~75年恐慌以降の情勢の中で、総評労働運動が生命力を最後的に失って自壊しようとしていることを示す事態であった。

本質的な問題提起

72年から始まる船橋事故闘争、77年からのジェット燃料闘争、そして分離・独立は、日本労働運動を覆っていたこんな現状を労働組合側からぶっ壊す鮮明な決起であり、「労働運動はいかにあるべきか」を問う衝撃的な問題提起でもあった。 動労千葉結成の2年後(81年)には第二臨調の発足という形で国鉄分割・民営化攻撃が始まり、動労は民営化と首切りの手先に転落していき、丁度10年後には総評が自ら解散していったことを考えれば、われわれの決断は全く正しいものであったことをあらためて確認することができる。
しかしそれが一単組における組合分裂というだけでなく、日本労働運動に対する本質的な問題提起であったが故に、集中砲火のような攻撃がかけられた。
ジェット闘争への5名の解雇、組織破壊をめぐる攻防への布施副委員長の解雇、国鉄分割・民営化攻撃に対する28名の解雇と12名のJR不採用、外注化阻止闘争に対する33名の解雇、成田・勝浦・館山運転区、佐倉・新小岩機関区等拠点職場への廃止・解体攻撃、相次ぐスト損賠攻撃、配転に次ぐ配転の嵐等、われわれはこの45年、常に激しい攻撃の嵐の中にあったが、数々の修羅場を潜ってきたわれわれの団結、組合員の強い信頼関係は揺らぐことはなかった。

1981.3.6三里塚ジェット燃料輸送阻止 全面ストライキ(津田沼)

日本労働運動の新たな地平

とくに、反合・運転保安闘争路線の確立、国鉄分割・民営化反対闘争ー2波のストライキへの決起、1999年以来続く外注化阻止闘争は、戦後日本労働運動がずっと抱え続けてきた限界をこえる新たな地平をきり開く闘いであったと確信をもって訴えることができる。「闘えば分裂する」という「宿命論」をこえることができず、「要求で団結」「統一と団結」の名の下に、労働組合を経済主義の檻の中に閉じこめ、そして自ら崩壊していったのが戦後日本労働運動が辿(たど)った道であった。
さらに動労千葉は、反戦闘争を労働組合の本質的な課題とし、その闘いの中から画期的な国際連帯闘争を生み出し、そして何よりも、ほとんどの勢力が階級的な運動をつくりあげる努力を放棄していった状況の中で11月労働者集会をはじめ小なりといえど、労働運動再生に向けた全国的な運動の拠点を守りぬいてきた。

2011.4.10外注化阻止ストライキ・京葉車両センター

戦争情勢に抗して

そうした闘いを担いぬいた組合員は、どこの組合とも変わらないごく普通の労働者だ。労働者が固く団結すれば、少なくともこのぐらいのことはできる。だから労働者の団結した闘いには無限の可能性がある。それを示すことができたのがわれわれの誇りである。
成長の余地を失った資本主義体制の危機が戦争となって爆発し、ヨーロッパを、中東を、アジアを、世界を呑み込もうとしている。これまでは抑え込まれてきた怒りの声が地鳴りのように響きはじめている。この間の動労千葉の努力や訴えが時代をとらえて団結を広げ、力を帯びる時代が到来しようとしている。結成の原点に返って闘い続けよう。結成45周年記念レセプションに集まろう。

動労千葉結成45周年記念レセプション
4月6日(土)12時
DC会館

 

 

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