東労組本部は現場の怒りの抑え込み、会社の組合破壊に手を貸すな!

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 常磐線の特急一人車掌化をめぐり、東労組水戸地本に対して本部から組合指令17号、18号が出されている。
17号では、会社が議事録確認の破棄と特急一人車掌化を強行したことに対して、会社を批判するのではなく、〝水戸地本が本部の指導に従わずに反対を貫いたせいだ〟〝組合員の利益を守るために、水戸地本は指令を実施すべき〟としている。
また、18号は、東労組水戸地本がマスコミの取材を受け、特急一人車掌化に批判的な記事が出たことについて、〝マスコミ対応は本部が行う〟〝組織運営上の重大な問題だ〟と批判するものだ。
そもそも特急一人車掌化は、勝田運輸区で28人、水戸支社管内で31人の車掌を削減する大攻撃だ。一人車掌化直後の10月27日には、「ときわ90号」で指定席をめぐる乗客間のトラブルで車掌が暴行を受ける事件も発生している。当然にも現場からは激しい怒りが噴出した。東労組水戸地本としても批判的見解を出さざるを得なかった。それを東労組本部は組合指令まで出して〝会社に従え〟〝反対するな〟というのだ。明らかな異常事態だ。
さらに、インターネット上で東労組本部執行部への批判を展開している「真実の声」に関して、〝各地本は、組織破壊と確認された「真実の声」に対する見解を11月15日までに本部に提出せよ〟とする組合指令を発している。12月19日には「組織・財政方針を再確立」をテーマに臨時大会が開催されることになっている。「真実の声」の背後に八王子や東京地本がいるとみて、踏み絵を踏ませて叩き潰そうとしているのだ。

 会社の組合解体攻撃に率先協力

 その背後にはJR東日本会社の意思が働いていることは明らかだ。いわば、東労組を使って東労組をつぶそうとしているのだ。〝乗務員勤務制度改悪をはじめ会社のすべての合理化・人員削減、外注化・分社化―転籍攻撃に、現場から疑問や反対の声を上げることは一ミリたりとも許さない〟〝それに従わない地本は「統制処分だ」と、会社と一体となって現場の声を圧殺する〟―東労組本部も、そうやって会社にひれ伏すことで組織温存を認めてもらおうとしているのだ。
同時に、これをJR東日本内部だけの問題ととらえることはできない。
JR総連は各単組にも12月15日までに「真実の声」に対する見解を出すよう指示している。JR北海道労組や日貨労、JR東海労、JR西労などを含めて、労働組合的な抵抗力を打ち砕く狙いだと見なければならない。
 JR北海道や貨物会社には、自らの力で労組の抵抗力を一掃する力はない。そこで東労組本部やJR総連が会社に反抗する要素を率先して叩き潰すことで、自らの存在価値を会社に売り込もうとしている。国鉄分割・民営化の時に、松崎らが首切り・退職強要や動労千葉、国労破壊攻撃を率先して担うことで生き残りを図ったことと同じことをやろうとしているのだ。
だが、会社の構えはこれまでと完全に一変している。今年2月には冨田社長(当時)が首相官邸に呼び出され、「2020年までに組合を解体しろ」と指示されている。それを社会全体への労働運動解体攻撃の突破口にしようとしているのだ。
 仮に東京、八王子、水戸地本を抑えつけたとして、現在の東労組本部派の生き残りを会社が容認するはずがない。

 今こそ職場に闘う労働組合を

 最大の問題は、幹部の自己保身のために現場労働者たちが犠牲にされていることだ。
これまで東労組幹部は、現場労働者の団結の力ではなく、会社の力に依拠して自らの地位を維持してきた。だからこそ、会社から見限られた途端に組織崩壊的な事態にまで陥ったのだ。黙っていれば会社の好きなように攻撃され、一言も声を上げられない職場にされる。
 だが、現実に列車を動かし、乗客に接し、鉄道の安全を守っているのは現場労働者だ。東労組の中で職場や労働組合について真剣に考え努力してきたが、脱退せざるを得なかった組合員や、激しい切り崩し攻撃にも耐えて東労組に残っている組合員。その一人ひとりの団結の力にこそ、会社の攻撃を阻止する力がある。
 何より必要なことは、職場に闘う労働組合を取り戻すことだ。すべての仲間は動労千葉とともに職場から声を上げ、闘いにたちあがろう。

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