感染防止なのに「無給で休め」? 会社責任で全額賃金保障を行え!(団体交渉報告)

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「新型コロナウィルス」に関する緊急申し入れ 4/9JR本社・4/10JR千葉支社 団体交渉

徹底した感染防止と要員確保を行え!

新型コロナウィルスの問題をめぐり、4月9日にJR本社、10日にJR千葉支社との団体交渉を行った。だが、会社は現場労働者を守るための真剣な対策も考えも何一つ示さなかった。

補助金活用も「考えていない」!?

動労千葉は以前より有給での「感染対策休」を要求してきた。だが、会社は3月5日に発表した休暇の特例取扱以外は何も出していない。

その内容は、「感染防止のため」と称しながら、「書類提出の省略」「無給休暇の要件の緩和」というだけだ。今回の団交でも、賃金保障について何の具体策も計画も示さなかった。

政府でさえ感染拡大防止策として、小学校や保育園などが休みになった場合、保護者である労働者が仕事を休めるように賃金を保障する助成金を出すと言っている。だが、JRはその活用さえ「考えていない」と回答したのだ。

「感染防止」といいながら、労働者には無給を強制する。助成金の活用さえ検討しない。現場で労働者が苦しんでいる中、いったいどうしてこんな回答ができるのか!

そもそもJRほどの大企業なら、補助金などなくとも有給で休みを保障すべきだ。感染防止で仕事を休まざるを得ない以上、賃金保障は当然にも会社の責任だからだ。

だが、JRはその責任を完全に放棄した。その上、「休めるようにした」かのように見せかけて負担はすべて労働者に押し付ける卑劣さ!

こんなことがJRでまかり通れば、グループ会社も「右へならえ」となる。断じて許しがたい!

感染防止は「通常清掃の範囲内」

感染防止策もほとんど見せかけだ。「感染防止を徹底する」と言いながら、具体的内容に踏み込めば「日常清掃の範囲で消毒」という回答を繰り返している。何が「感染防止の徹底」だ!

一方、国交省は鉄道各社に換気やアルコール消毒などの徹底を要請するとしている。すでに清掃現場では夜間に膨大な量の窓閉めが強制され、乗務員には出区時の窓開けが指示されている。だが、JRは本体でもグループ会社でも、必要な要員を確保しようともしていない。ただ労働強化を現場に押し付けている。現場は感染の不安の中で日々働いているというのにだ!

JRと政府の非道を許すな!

今、コロナを口実にした解雇や休業による賃金削減が横行し、膨大な労働者が苦しんでいる。安倍政権の「コロナ対策108兆円」は完全なペテンだ。企業の税金猶予などで26兆円、台風19号等の復興名目だった経済対策分で約20兆円…内実はほとんどが大企業のための、しかも政府支出がないものだ。「国民への現金給付」はわずか6兆円。児童手当の上乗せは1回こっきりで1万円。感染防止も労働者の生活保障も「アリバイづくり」としか考ていないのだ。

こんな中でJRのやり方が社会に拡大すれば、非正規労働者は完全に生きる道を絶たれてしまう。そんな非道を許すわけにはいかない!

JRはコロナに関連する休職の賃金を全額保障しろ! 口だけではない感染防止対策と、それを実施できる要員確保をただちに行え!

団交における主な回答

◇「感染対策休」の場合は有休として、「自宅待機」は労働時間として取り扱うこと。
→就業規則に則り取り扱う。

◇賃金保障について政府助成金の活用は?
→考えていない。

◇会社としての感染予防対策について。
→対策本部を設置したうえで、公共交通機関として国や関係行政機関と連携し、感染防止対策の徹底に取り組んでいる。

◇感染防止の具体的な作業については?
→日常清掃の範囲内で消毒を行う。

◇本人が感染あるいは感染の疑いがある場合の取り扱いについて。
→これまでどおり、発熱などの風邪症状がある場合には、各種休暇にて対応する。

◇家族が感染した場合の取り扱いについて。
→事象が個別に異なる。個別に判断する。

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