安倍政権 「同一労働同一賃金」「最低賃金1000円」 –労働者の権利奪う歴史的攻撃 CTS就業規則改悪を白紙撤回させよう

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安倍政権は、「働き方改革は最大のチャレンジ」と語り、労働法制改悪に突き進んでいる。
狙われていることは「正社員」というあり方を根こそぎ解体することだ。
産業競争力会議や規制改革会議では、「非正規問題」ではなく「正社員改革」が最大の課題として議論されてきた。「限定正社員」を「社会通念上相当な働き 方」として、非正規職から限定正社員に移行する際、「処遇を変えない」ことを徹底するという。これで解雇自由で超低賃金の「正社員」を生み出そうというの だ。
この限定正社員で、これまでの正社員を一掃すれば、「正規と非正規」という区別自体が消滅する。たとえ最低賃金を1000円にしても、企業にとっては濡れ手に粟ということだ。
労働者が連綿たる闘いの中でかちとってきた権利のすべてを破壊する歴史的な攻撃だ。今こそ労働組合が声をあげ、闘いに立ち上がらなくてはならない時が来ている。

「同一労働同一賃金」とは何か

しかし、既成の野党や連合をはじめとした労働組合も、安倍が「同一労働同一賃金」「最低賃金1000円」「非正規という言葉を一掃する」といったスローガンを持ちだしたことで、まったく対抗力を失っている。
そもそも「同一労働同一賃金」というスローガンは、突き詰めれば職務給に行き着くという弱点を持っている。
実際にアメリカでは、「自分の仕事に見合った賃金をよこせ」という労働者の当然の意識をも利用して職務給を導入する武器として使われた。
それでも、日本でこの問題が議論された50~60年台には「生活できる賃金をよこせ」という最低賃金制とセットで議論されてきた。「生活給が賃金の基本」という大前提があったのだ。
「同一労働同一賃金」は90年台、パート労働者や女性労働者に対するあまりにひどい差別的な扱いに対抗するスローガンとして再び大きく取り上げられた。しかし、連合などが「同一労働同一賃金」を語る時、「生活賃金」の大前提は完全に忘れ去られた。

 闘う労働運動の復権を

これは、日本労働運動が後退に次ぐ後退を続けてきた結果そのものだ。
日本における賃金闘争は、最低賃金をめぐる闘いと「企業の成果に応じた分配」を要求するベースアップ闘争との間で常に揺れ動いてきた。ベア闘争が主流と なっていく中で、労働運動は資本の合理化攻撃や生産性向上運動に自ら率先して協力するまでに転落していった。そして、「生活賃金」という大前提は労働組合 の側からも語られなくなってしまったのだ。
こうした中で、安倍は「非正規や女性労働者の賃金を少しでもあげよう」という思いで語られた「同一労働同一賃金」を逆手に取って、「正社員ゼロ」のスローガンにしてしまったのだ。

白紙撤回まで闘いぬこう

CTSにおける就業規則改悪との闘いは、安倍政権の「解雇自由・正社員ゼロ」攻撃との真正面からの闘いだ。
CTSは8月30日、就業規則改悪の修正案を提案してきた。その内容は、「契約社員・パート(有期)の雇用期間は最長で5年間」「会社は…無期雇用とす ることがある」「月給制を時給制に変更し定昇も廃止」という悪辣なものだ。正社員登用もないに等しい状態にされることは間違いない。安倍政権の「働き方改 革」そのものだ。
しかし、現場労働者の怒りの決起で4月実施は打ち破った。10月実施もギリギリのところまで追い込んでいる。
この闘いは全労働者の未来がかかった闘いだ。白紙撤回をかちとるまで全力で闘いぬこう。

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