大月事故の本質④ 

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书勤労千菜 NOODLE
国鉄千葉動力車労働組合
〒260 千葉市中央区要町2番8号(動力車会館)
電話 」(鉄電) 千葉 2935 ·2939番 1 (公) 043(222)7207番
’98 1. 23 No.4725
とそれに伴う各箇所での入換、 拡大したため、運転線区の拡大 それに伴って各区の乗務範囲が
密度をあげたばかりではなく、 効率化は、単に乗務密度·労働
しかし、このような徹底した
線区拡大·大型交番
という状況が生まれている。
があたり前のようにつくられる
拘束時間は十数時間という勤務 る。実際全国的には、日勤でも
せることが可能となったのであ
に長時間拘束·長距離乗務化さ
乗務員の勤務は、半ば青天井的
切り縮めたことにより、動力車
し時間·整理時間を一分単位で トし、さらに準備時間·折り返
合わせ時間を労働時間からカッ なした。とくに、折り返し待ち
う状況を生みだす大きな画期を
と運転保安の危機の日常化とい 改悪が、労働条件の大幅な悪化
ダイ改から実施された動乗勤の 運転士にとっては、92年3月
いる現実がある。
働強化が労働者にのしかかって
て、安全の切り捨てと猛烈な労
た効率化·要員削減攻撃によっ
より大きな問題として、徹底し
(4) 大月駅事故の背後には、
徹底した効率
隔絶たる差が
働の条件が極めて悪化している。 が加わることによって、乗務労
し複雑化している)などの要因 いる車両いない車両などが混在 すらATSが自動投入化されて
や運転車種の増大(同一車種で
しかもこれにスピードアップ
生しているのが現実である。
カ月間も乗り入れない線区が発
という。千葉でも、日常的に何
月ぶりの本乗務初箇所であった
カ月半の大型交番で、一年四カ
の来宮事故の際も、当該区は三 半周期の交番だという。その前
一組の交番は実に十二段二ヵ月
三鷹電車区の実態を見ても、
のが日常になったのである。 担当しないような作業をこなす しかも大型交番で、年に何回も ないかのうちに士職に発令され、 情報を与えるとかえって混乱を れに対しJR東日本は「余分な なかった」と供述しており、こ 「あずさが通過することも知ら
も、各行路を一回経験するかし 畢竟、促成栽培される運転士
めて困難になっている。 を充分に習熟すること自体が極
るようになり、業務内容·線区 記載等が省略されてしまってい
視した大型周期の交番が組まれ を生みだした。しかも安全を無 ですら把握するのが大変な状況 作業などは、ベテランの運転士
分割·併合、入出区等付帯した
策は細かく、かつ具体的であら 事故がへればへるほど事故防止
のような提起がされていた。『 する教則本でも、その冒頭で次 た動力車乗務員の事故防止に関
国鉄時代には、当局が作成し
国鉄時代との落差!
とが言われている。
く聞こうともせず、全く同じこ 減っている」と、現場の声を全
ある。現実に運転事故は大幅に とかえち て混乱を招く危険性が
ればいい。余分な情報を与える 「運転士は信号に従って運転す
千葉でも、団交の場などで、
な姿勢が典型的に示されている。
は、JR東日本のあまりに傲慢
とが報道されているが、ここに
招く」との見解を示しているこ
:
毎日新聞では、当該運転士は
この傲慢な姿勢
るという現状がある。
列車や到着番線、注意事項等の
べき携帯時刻表から、行き違い
降、日々の乗務の指示書という コンピューター出力となって以
は さらには、携帯時刻表が
例え国鉄総裁の指示だとしても ら規程に定められたこと以外は、 「運転士は一旦運転席に座った れてきたものだが、国鉄当局も、 のような訓練のあり方が確立さ 保安の観点から強く要求し、そ あった。これは、旧動労も運転
や事故例に関する訓練が中心で 国鉄時代は、規程類の反復訓練 れる一方で、職場に蔓延してい
例えば、毎月の定例訓練だが、 してしまっている。
れまでのあり方を形骸化·解体
全という問題を主眼にすえたそ は、教育·訓練についても、安 になるはずである。しかしJR ていいほどの重要性をもつこと 練のもつ位置は、決定的と言っ
対する日常的な指導、教育·訓 現実を前提とすれば、運転士に
(6) 各号で延べてきたような
日常的訓練も!
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J
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大月駅事故の本質4

は当然のことである。
そが問われなければならないの
的な業務指示や指導のあり方こ すれば、三鷹電車区当局の日常 らなかったというのが事実だと
に入換え作業を行うことすら知 運転士が、『あずさ』の通過後 画然たるものがあるのがわかる。
する姿勢·その精神との落差は、 ながら、現在のJRの安全に対 こうして見ると、当局の主張
真の効果は期待できない」と。 る方策を乗務員に示さなければ
をする場所毎の、すぐ応用でき
ひとりひとりの、しかも、仕事 考えたのは昔のことで、今は、 う文字で事故防止対策なれりと とか『打ち合せの徹底』とか言
ねばならない。『信号の確認』
ことという他はない。(つづく) 二の次三の次になるのは当然の こんな状態のなかでは、安全が 動の基準にされているのである。 かの判断基準になり、昇進や異 「JRに相応しい運転士」かどう である。これに熱心かどうかが るのは小集団や増収·提案活動
断の地道な教育·訓練が軽視さ
さらに付言すれば、日常的不
とし言いようがない。
いるのである。まさに愚の骨頂
ちのけでこんなことが行われて
る状況のなかで、安全などそっ
れないような事故が多発してい が延々と繰り返される。考えら
っしゃいませ」等、接客マナー りがとうございました」「いら れている。この研修では、「あ
に送り込むようなことまで行わ 運転士を順次「サービス研修」
指導員や指導操縦者を中心に、 うことが公言されるようになり、 感覚』をもつ必要がある」とい
さらには、「運転士も『営業
しまったのである。
…という軽薄な精神に変貌して
の努力よりも「車掌との融合」… の事後対応、士職としての不断
道な努力よりも車両故障時など
りも競争、事故防止のための地 ている。日常の訓練が、安全よ
合同訓練等を中心にしてしまっ
急措置等の現車訓練、車掌との
わせる「競技会」や車両故障の応 の訓練は、運転士同士を競い合 ところが、JRになってから
競技会·車掌との融合
新たな10万人合理化粉砕 !! 労働運動の新たな潮流めざし全国へはばたこう !!
=
とを徹底して指導したのである。
聞いてはならない」、というこ
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