勝利判決!木更津支部脱退強要事件
全ての組合員の皆さん!大きな勝利が勝ち取られました!
1月26日、東京地裁民事第19部・中西茂裁判中は、木更津支部脱退強要事件について、JR東日本の不当労働行為を認定する、組合側勝利の判決を言い渡してきた。 この判決は、JR東日本がこれまで数々の不当労働行為を行ってきた中でも典型的な脱退強要事件であった木更津支部脱退強要事件対して、組合側の主張を全面的に受け入れ、JR東日本の主張を退けた上で、小関が職制上の地位を利用して脱退強要を行ったことを明確に認定した、極めて重要な判決だ。 ECへの転換という本人にとって切実な要求に対して、支区長という地位を利用し、しかも業務上必要な入寮届けに動労千葉への脱退届けと東労組への加入届を同封して手渡し、そして脱退させるという卑劣極まりない行為を行わせ、、しかも小関が手渡したことを認めておきながら不当労働行為ではないなどと言い張る会社の姿勢は徹底的に糾弾されなければならない。 われわれは、この判決の履行を直ちに求めるとともに、06春闘勝利!反合・運転保安確立!強制配転者の原職復帰、予科生の運転士登用実現、組織拡大に向けて、06春闘を全力で闘いぬくものである。 判決の要旨は以下のとおり。
【小関の利益代表性について】
① 小関は、95年12月か96年1月に、保田に組合を変わらないかと話しかけ、EC転換教育が決定した後の96年4月には、入寮届けと同封して動労千葉の脱退届と東労組への加入届を手渡し、保田に動労千葉からの脱退を働きかけた。 ② 小関は、保田のEC転換教育の可否の決定やEC転換後の配属先を決定する権限は有していなかったが、支区に勤務する最上位の管理者(現場長)として支区業務全般の管理及び運営を任務としていた。支区の職員の人事に関して、9月頃提出される自己申告書や10月頃行われる個人面談に基づき、職員の転勤等に関する希望を把握していた。 ③ また小関は、助役が1次評定権者として行った人事考課の2次評定権者として社員管理台帳を作成し、これを千葉支社に報告する立場にあった。そして、人事考課を考慮しない人員配置や人事異動がおよそありえないことからすれば、人事考課について評定者として重要な役割を担っている小関は、会社の利益を直接的に代表する立場にあるとはいえないとしても、人事に対する事実上の影響力を有しているというべきである。 ④ 小関が、職員のEC転換教育に関して、どのような権限を有し、どの時期にどのような行為をしているかは、保田は知り得ないのだから、実際に職員の希望をとりまとめる立場にあり、人事考課の評定権者でもある小関が、「EC転換できるといいね。」と断った上、組合の変更を持ちかけることが、小関の職制上の地位を利用して行ったものでないということはできない。 ⑤ 小関は、EC転換教育が決定する前に、EC転換の話をした上で、組合の変更をもちかけ、EC転換教育が決定し、その後の配属先が決定する前に、動労千葉への脱退届等を渡しており、保田が所属組合を変更するか否かについて動揺しやすい時期に本件脱退慫慂を行っているのだから、本件脱退懲漁が保田に与えた影響は当然に大きかったと認められる。 ⑥ 以上に加え、94年までの間に千葉支社内で運転士に登用されたのは国労組合員1名を除けば全て東労組であり、会社のかつての社長や人事部長が、東鉄労全国大会等において、動労千葉を「迷える子羊」と例えた上で、東鉄労を軸とした一企業一組合を目指すなどと発言していたことや、採用差別や脱退慫慂はじめとする組合への支配介入問題を巡って相当数の紛争があり、緊張関係が続いていることも併せて考慮すれば、本件脱退慫慂は、小関の職制上の地位を利用して、会社の意を体して行われたものである。
【小関が東労組の組合員として行ったという主張について】
① 動労千葉の脱退届及び東労組への加入届の交付は、EC転換教育の際の入寮届け交付という職務上の行為と同時に行われており、これを東労組の組合活動の一環とみることは不合理である。 ② 保田に組合の変更を働きかけることが東労組の分会で議題となったこともないこと、小関が特に組合活動に熱心であったといえる証拠もなく、小関が東労組の組合活動として本件脱退慫慂をしたとは到底考えられない。 ③ 小関と保田が職場における上司部下の関係を超えて個人的に親しい関係にあったとの証拠もない。小関による組合脱退の働きかけの主たる意図が、将来の働きやすさを考えた個人的なアドバイスであったとは考えがたい。 ④ 以上から、東労組の組合員、個人的なアドバイスとして保田に組合変更を持ちかけたとの小関証言は信用できず、会社の主張は採用できない。
【自らの意志で脱退したとの主張について】
① 会社は、保田が木更津支部の元支部長に動労千葉を脱退すると告げるなど、保田は自らの意思で組合の変更を決断したに過ぎないと主張するが、最終的に保田が組合の変更を決断していたとしても、その契機が、小関から組合を変更するよう言われたことにあることは否定し得るものではなく、本件脱退慫慂が保田に多大な影響を与えうるものであったと考えられることからすれば、前記結論を左右しうるものではない。 ② 以上によれば、小関は支区長の地位に基づき会社の意を体して本件脱退慫慂を行ったと認められ、本件脱退慫慂は会社の行為というべきであり、小関個人のあるいは東労組組合員としての行為とは認められないから、中労委命令に違法はない。
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