全支部活動者研修会―改憲阻止に向けて

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労働者は帝国主義がやる戦争に加担しない
?改憲阻止・国民投票法案粉砕に向けて?
鈴木達夫弁護士講演(1・28?29第15回全支部活動者研修会)

「改憲阻止・国民投票法案粉砕に向けて」と題して行われた鈴木達夫弁護士の講演

 第15回全支部活動者研修会で「改憲阻止・国民投票法案粉砕に向けて」と題して行われた鈴木達夫弁護士の講演の要約をまとめました。(文責編集部)詳しくは、近日発行予定の機関誌27号に掲載します。

 憲法改悪が大問題になりだした。これは革命の問題でもある。憲法というのは、その社会の基本を決める法律の中の法律。それを変えると支配者が言い出した。

誰が憲法をつくるのか

 憲法とは、権力と人民の基本的関係を表している。例えば、フランス革命で近代ブルジョアジー(新興の資本家、市民)が王制を打倒してできたフランス憲法は、革命の主体が労働者でなかったから、そこで謳われている「自由・平等」は資本家にとっての自由と平等、封建制に対するものであって、労働者のそれを直接謳うものではない。基本的には労働者の権利を敵視している。
 8時間労働制、団結権、ストライキ権などは、19世紀に入って労働者が闘って実力でかちとり、押し込んできたものだ。
 よく立憲主義では、憲法は「支配階級の手足を縛るもの」といわれるが、今の憲法が本当に縛っているかといえば、そうではない。基本的には資本家階級の自由を守るものだ。ここをよく見ておかなければならない。

国鉄分割・民営化反対闘争は改憲阻止闘争の始まり

 なぜ、いま日本の支配階級は憲法を変えようとしているのか。日本国憲法の性格はその成立によって特異なものとなっている。
 戦後の赤旗が林立しているような社会、アジアでの革命の嵐といった革命情勢のなかで、これを分断し、国体(天皇制)護持と資本主義体制を維持するために支配者階級が譲歩してできたのが今の憲法。戦後、執拗に改憲策動があったが、「労働者の闘いがある限り、憲法を変えることはできない」と中曽根が「国労を解体し、社会党・総評ブロックを消滅させ、新しい憲法を安置する」といって国鉄分割・民営化が行われた。だから、87年国鉄分割・民営化から改憲攻撃は始まっている。このとき唯一ストライキで立ち上がった動労千葉の分割・民営化反対闘争というのは、実は改憲の動きに真っ先にNOといった闘いでもあった。そういう意味でこの闘いは非常に大きな意味がある。そこから改憲攻撃が本格化し、今の攻防が始まったということを押さえておく必要があると思います。

改憲攻撃の焦点

 改憲攻撃の焦点になっているのは、9条2項(戦力の不保持、交戦権の否認)と96条(憲法改正規定)。自民党の新憲法草案では、9条の1項(国際紛争を解決する手段としてはこれを放棄する)は残し、2項を削除し、新たに「自衛軍を保持」「国際的に協調して行われる活動」緊急事態の治安出動などの活動はできるという「自衛軍」の項を新設している。本来1項と2項はセットであり、2項の「戦力はもたない、交戦権は認めない」という実質上の縛りを取っ払ってしまうと、1項だけでは、戦争放棄の縛りにならない。「国際紛争を解決する手段としては」というのは、国際法でも常套句で自衛戦争は含まないというのが一般的な解釈。自衛のための戦争はいいという。だからかつての侵略戦争も全部「自衛のための戦争」だったという。アメリカだってイラク戦争を「アメリカ国民の安全のために」といってやっている。戦後これまでは、自衛のための戦争も認めないというのが9条の立場だった。

「自衛の為の戦争」は敵の大ウソ
     ─労働者のとるべき立場

 いま、「北朝鮮が攻めてくる」「自分たちを守るためには仕方ない」といった論議がさかんに行われている。民主党、共産党も含め、この安全保障の論理に落ち込んでいる。では、「自衛のための戦争」は正しいのか? この安全保障論は敵の罠であり、大ウソだ。労働者はこんな論理にのってはならない。問題は、侵略を許すのか許さないのかということ。資本家が再び侵略戦争をやるための改憲。だから今、「国家のために死ぬことは美しい」なんてイデオロギーが出てくる。では国家とは何か? 一つは、国家とは大企業と大銀行が人民を支配する道具。その国家がやる戦争に労働者は加担しないということ。
 もう一つは、今の日本の資本主義は侵略をしないと生きられない帝国主義だということ。これがやる一切の戦争は自存─日本が生き延びるための自衛のための戦争だ。
 3つ目には、労働者に国境はないということ。労働者にとっては、資本家の利益のための戦争だから手を貸さないぞということ、労働者は存在そのものが国際的であり、労働者は一つなんだということ。これが侵略戦争をとめるカギ。そういうことが今、動労千葉の韓国やアメリカの労働者との連帯の中で見えてきている。

労働運動再建のなかで国民投票法案・改憲を阻止しよう!

 この憲法を改悪するための手続き法案である国民投票法案を5月3日の憲法記念日までに成立させたいと中川幹事長が言明し、ここにしぼって動き出している。
 最大の問題は、500万人といわれる公務員と教育者の投票運動の禁止。いま現場では、自治体労働者、教育労働者は憲法改悪に反対してるし、「日の丸・君が代」強制反対に起ちあがっている。これを全部つぶしてしまおうとしている。
 権力内部でその中心が入れ替わり新憲法を制定するというのはクーデター。彼らにとっても妥協の産物である憲法を変えて、戦後史の根底的な転覆を図ろうとしている。労働者の側もアジアの人々と分断され、中途となった戦後革命の挫折を乗り越えていく闘いが問われている。職場に学習と徹底討論を巻き起こし、改憲阻止へたちあがろう!

大失業と戦争の時代に通用する新しい世代の動労千葉を創りあげよう!
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