コロナ禍の中、CTS(清掃)職場では消毒作業の追加や窓しめなど仕事が次々と増えました。他方で、JR東日本のコストカット攻撃の中で要員は増やさず、現場に労働強化ばかりが強いられました。吊手消毒などが問題になった津田沼、木更津、幕張の各事業所で働く組合員に1年を振り返りつつ、春闘・ダイ改にむけた課題を聞きました。
【津田沼】
今年こそ職場代表選に勝つ
― 昨年の闘いを振り返って
渡辺 3月頃から窓しめ作業が増え、4月16日から夜勤者を1人増員させた。
相馬 昼間は窓2人+床1人の3人組で動くんだけど、これまでは窓のほうが早く終わっていた。今は、消毒液をつけたりしていると窓担当のほうが遅れるほど手間が増えている。
渡辺 みんなも色々工夫しているけど腰を痛めて休む人が出ている。夜勤専門の人が一週間も休んだり、他にも腰痛の人が出てきている。夜間の窓締め担当は走り回ってやっとこなせるほど。「走ってやんなくていいぞー」って言ってるんだけど、実際、歩いてやってたら終わらない。夜勤5人のうち一番若い人じゃないと窓担当はつとまらないぐらい。
相馬 団交を経ても所長が動かないから「窓しめの件、どうなってるんだ」と職場でもう一押ししたんだよね。そうしたら、車体洗浄なしで午後に出区する4本は窓しめをしなくてよくなった。まだ第1歩だけど4本でも大きいからね。
― 昨年暮れの団交では、職場の様々な声が会社を追い詰める力になりました。
渡辺 団交報告も好評だったよ。「会社が言ってることは、どうも動労さんが言ってることと違うな」というのも分かってくるし。みんな読んでいる。やはり一番は賃金だけどね。メディアは65歳以降の継続雇用でも時給1200円だから。CTSは安いよ。仕事が多少きついのはいい、だけど賃金や手当にちゃんと反映してほしいということ。
相馬 津田沼事業所のエルダーは7月までに3人が退職、来年もさらに2人。いま新規募集をしていないらしいけど、退職時の補充か、65歳以降の雇用延長がないと絶対に人が足りなくなる。
渡辺 いつも同じ人が文句を言ってるんじゃなくて、いかに全体に火をつけるかが大事だよね。
― 相馬さんは清掃業務で約1年ですが?
相馬 やっと全体像が見えてきたし言えることは言えるようになってきた。コロナ拡大の過程とちょうど重なって大変だった。肩も痛いけどあと4年、頑張んないといけないしね。同一労働同一賃金のこともCTSは4月実施なわけだし、ダイ改で作業も変わるし、先手先手でどこまで言っていけるか。共感は得られていると思うんだよね。やはり、おう吐物処理や消毒作業への手当。夜勤の数も足りない。なにより基本給・時給の引き上げだと思う。
渡辺 自分は退職まであと2年。やはり職場代表選に勝つこと。いまの職場代表は当局からの情報も全体化しないし、安全衛生委員会に向けても職場の声を集めようとしない。ダイ改で色々変わるから、早めに作業ダイヤの案を出させてみんなで検討・改善させていきたい。直前に、ではなくね。職場代表選に勝って、その中から組織拡大の展望を開きたい。
【木更津】
退職不補充の負担増に怒りの声
※木更津事業所で働く組合員から話を聞きました。
― 昨年を振り返ってどうでしょう?
◎ 10月頃から吊手消毒が始まりました。木更津では午前中に気動車7本、209系を1本。夜間作業では0時52分着の京葉線快速10両が日掃+吊手消毒の指定で、最後の最後で遅い時間にやるので大変です。これまでは午前1時半ごろには起電停止となっていたが、吊手消毒でずれ込んで運転の当直から「まだか」と催促がくる状態です。
◎ 君津では夜間、日掃の快速2本が吊手消毒。そのうち1本は23時5分着。23時を過ぎていますが2本とも吊手消毒の指定が付いてます。
― 要員体制で問題点は?
◎ 木更津のパートの女性(4・5時間)が1人、1月末で退職されたんですが、所長は今後についての説明会で「補充はしない。今いるメンバーで補う」と言っている。駅舎清掃を担当している女性陣からは、現行の作業体制にもいろいろ不満があるのに「さらに」ということで相当不満の声が上がっています。
◎ 木更津の駅清掃は4人体制なんですが、女性陣で「4人」が埋まる日もあれば女性が1人、2人の日もある。穴が空いた分は日勤の男性が埋める。場合によっては君津事業所からも木更津の穴埋めに人を使う。矛盾のしわ寄せを食って、どっちかといえば君津作業所の余裕がなく要員が不足ぎみです。君津は女性4人、男性6人。これで日勤(女性3人)、夜勤(男性4人。※日勤帯は男性はなし)を回しているのでギリギリです。日勤が女性で埋まらない時は、夜勤の男性が日勤に入る。ダイ改で夜勤帯の人数を減らすのではというウワサまで出ています。
― ダイ改で作業量はどうなる見通しですか?
◎ 君津には、木更津で分割したワンマン車両が入るので日勤帯の清掃作業は増える見通しです。夜間清掃は本数は同じですが、日常清掃を簡易清掃に切り替えたり、快速の折り返し清掃のやり方を変更したりという話は出ています。
― コストカット攻撃の中で、清掃のやり方変更で要員を削減することが他の整備会社でも問題になっています。その他、職場からの要望は?
◎ 車通勤の人に対する交通費の支給が少ない。実費にも足りてないので増額してほしいですね。
◎ それと、津田沼事業所では、午後にすぐ出る車両は窓閉めしなくていいと確認されたそうですが、木更津でもそういう車があるので窓閉めしなくていいように確認したいです。
― ありがとうございます。職場を守り、組織を拡大するためにお互いに頑張りましょう。
【幕張】
飯倉さんに続く組織拡大を
※幕張事業所で清掃業務についている組合員の話をまとめました。
― 昨年を振り返って?
◎ コロナで窓閉め、手すりの消毒、さらに吊手消毒が入って負担は増えたよね。しかも人は増えてないし。やれてる人もいるけど、元々、腰が悪い人とかには負担が大きい。
◎ 女性だと快速車両の窓が上がらない人もいる。古い車両だから固いしね。吊手なんかも、女性だと爪先立ちみたいになってる人もいる。あれは見てて気の毒だよ。
― 幕張では吊手消毒班を作って、これまでの仕事に負担増にはならない形になった。
◎ あれも、最初は洗浄線班にもやらせようという話があったんだよね。それで「おかしい」と言ってやめさせた。女性陣からも、「トイレに行く時間もなくなる」と声が上がったし。
◎ 吊手班を作ったから、以前よりは確実に特掃は減ってる。4人で吊手班を作ったんなら、4人、新たに増やさないと。何人も辞めたのに、この間は新しい人が入ってないからむしろ事業所としては減っている。
◎ 昨年3月には夜勤も減らされた。仕事は増えてるのに人は減っているなら、本当なら賃金面で手当てするのが当然だよ。
― 高田さんは清掃の仕事、約1年になりますが、感じていることは。
高田 仕事の面ではなんとかなってるけど、やはり設備面はぜんぜん違うよね。上回りと比べても、個人の机も無ければ、洗面所なんかも人数の割にぜんぜん少ない。同じCTSなのに。女性トイレも少ないから、昼休みはいつも並んでるじゃない。そういうとこは変えていかないと。
― ダイ改に向けては?
◎ 新型車両の掃除が入ってくるから作業面での不安は出てるよね。作業ダイヤもかなり変わるだろうから、人を減らしたりという動きには注意していく必要が。組織拡大は、この一年はコロナでいろいろ大変な部分があったけど、頑張って行きたいね。
◎ 去年は飯倉さんが加入してくれたから、それに続く人をなんとか獲得したいですね。
― ありがとうございました。