「エルダー社員」制度でJR東日本本社と団交①

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「エルダー社員」制度でJR東日本本社と団交(6月1日)
「グループ会社等と一体となった業務執行体制」とは、業務の全面的な外注化を推進する以外の何ものでもない!

 動労総連合は、6月1日、「エルダー社員」制度の問題点について申し入れた申10号に基づき、JR東日本との団体交渉を行った。
 今回の「エルダー社員」制度は、高齢者雇用安定法でうたわれている定年年齢の引き上げを拒否するとともに、今後も業務委託を推進するための施策として行われようとするものだ。
 また、「シニア協定」との関係も未だ明らかになっていないなど、問題は山積している。
 JR東日本は定年年齢を引き上げろ。「シニア協定」を破棄しろ。鉄道業務の全面的な委託攻撃を阻止しよう!

「エルダー社員」制度に関する申し入れ(動労総連合申10号)に対する回答
申し入れ
回答及び見解

1.再雇用機会提供制度を廃止し、会社で再雇用する制度を新たに設けることとした具体的理由を明らかにされたい。

◇定年後のあるべき姿としてはどのように考えているのか。60歳以降の生活をする上での収入を得るためにどうするのかは重要な問題であり、会社としてどう考えているのか。

【文書回答】提案内容のとおりである。
【口頭回答】技術継承と、年金の満額受給までの生活の安定を図ることを目的に導入した。
□経験を積んだ者を、グループ会社等に出すことなく、JRにおいて活躍してもらうこととした。
□他企業の動向もあり、再雇用は少数であったことから、継続雇用を取り入れることとした。
◆法に見合った仕組みを作ることになるが、会社としても生活設計を安定させる仕組みを作りたい。
◆年金制度を有効に使いながら、会社が支払える賃金を制定した。シニア制度より改善している。

2.「高年齢者雇用確保措置」を、定年年齢の引き上げではなく「再雇用制度」とした理由について明らかにされたい。

◇会社は定年延長について「500億円の経費増となりできない」と主張してきたが、今回の提案では会社再雇用し、賃金も一定支払われるなど、定年延長はできるはずだ。

【文書回答】人件費の大幅増につながり、経営に多大な影響を及ぼすこととなる定年年齢の引き上げの実施は、現時点では困難である。
【口頭回答】
現段階では定年年齢引き上げの判断に到っていない。
□定年を延長し、従来の業務のままとなった場合、鉄道業務に従事する者が急激に増えることになり、大きな影響を及ぼすことになる。
◆今回の提案でも数百億円の経費増となっており、定年延長は、現段階では考えていない。
◆定年を延長した場合、鉄道業務に従事する者が急激に増えることになり、大きな影響が出ることから、定年延長は考えていない。

3.「エルダー社員」の雇用契約期間を、「原則としてグループ会社等への出向」とした理由について明らかにされたい。

◇委託業務の中で、輸送混乱発生時の取り決めの部分で混乱を来している。直営で雇用することで業務が維持できるのではないか。
◇現場では、再雇用先を確保するために委託を行っているとの理屈になっている。

【文書回答】「グループ会社等と一体となった業務執行体制」の構築を引き続き推進する観点から、原則としてグループ会社等への出向を命ずることとした者である。
【口頭回答】
委託も含めたグループ会社等との一体化は今後も進めていきたい。
◆組合の主張は分かるところもある。しかし現行の制度が望ましいと考えている。
◆再雇用があるから委託という考え方ではない。個別の事象があるのであれば委託の弊害を無くすようにしていきたい。

4.1953(S28)年4月2日生まれ以降の者の「高年齢者雇用確保措置」について、どのように考えているか明らかにされたい。(今回提案した制度は、それまでの措置として考えてよいということか。)

◇60歳で年金が一銭も出ない以上、年金の補填分として賃金を会社が保障する必要があるのではないか。

【文書回答】今後も、年金制度や高年齢者雇用安定法の動き、他企業の動向、社会情勢、当社の経営状況等を踏まえつつ、定年のあり方や人事・賃金制度等について検討していく。
【口頭回答】
問題点については認識しており、どうするのかを考えなければならないと思っている。しかし、いつ見直すのかは何とも言えない。
◆減額になる年金分を保障するかどうかも含めて、現段階では回答できない。

5.再雇用機会提供制度の廃止にともなう「シニア協定」の取り扱いについて明らかにされたい。

◇「エルダー社員」制度の就業規則化及び協定化はどのように考えているのか。
◇「シニア制度」が廃止になる以上、「業務委託の深度化」をうたった「シニア協定」は撤廃すべきだ。

【文書回答】貴組合とは、「シニア雇用に関する協定」を締結していない。
【口頭回答】
現在、本社内で検討を進めている。成案が出来次第、組合に提示したい。
◆就業規則化は行うこととしたい。協定については、検討しているところだ。
◆組合側の主張は分かった。

6.「エルダー社員制度」について、次の点を明らかにされたい。

(1) 今回提案された制度により再雇用を希望しても、再雇用されたい場合があるのかどうか。仮にあるとすれば、どのような場合か。

◇「シニア制度」では、「ミスマッチが発生する場合がある」と回答していたが、今回の提案でも同様の問題が発生することはあるのか。
◇出向先が決定した後に、出向先の変更はできるのか。
◇個人的に出向先を探してきた場合はどのようにするのか。

【文書回答】提案内容のとおりである。
【口頭回答】
今回の制度は、社員が希望すれば「エルダー社員」として再雇用されることになる。
◆面談を実施し、その中で業務内容、場所、資格等を把握し、これに基づいて出向先を1箇所選定し、提示することになる。
 提示する出向先については、本人が働けない場所を提示することはない。
□ただ、本人が希望した出向先と提示した出向先がミスマッチする場合も想定されるが、基本的にはないと考えている。
◆会社が提示した出向先でやっていただくようになる。
◆個別に判断していきたい。

(2) 制度の周知、希望の把握、出向先の決定等、一連の手続について具体的な時期・方法等について。

◇定年後の雇用契約の関係はどのようになるのか。
◇出向先での異動が発生した場合はどのようになるのか。

【文書回答】平成20年度に定年退職する社員については、準備出来次第、個人面談を実施し、新たな再雇用制度による手続を行っていく考えである。
【口頭回答】
自己申告書を提出後、現場長による面眼を実施し、
その中で希望を把握し、その後出向先の決定、提示となる。
 時期としては、お盆前までには面談を実施し対と考えている。出向先の提示については秋頃(10月頃)になるのではないかと考えている。
□自己申告では、職種及び地区等を記入してもらうが、会社名の希望までは記入することは考えていない。
◆会社との雇用契約は、出向先を提示し、決定した後、年度内(59歳時点)で行いたいと考えている。
 また、本人の希望で、出向先決定時点で出向ということもあり得ると考えている。
◆JRで再雇用になっていることから、JRとして事前に本人に知らせることになる。

(3) 「人材育成や技術継承を目的として、出向を命ずることなく会社において勤務させることがある」としている点について、職種等具体的にどのようなケースを想定しているのか。
 また、「人材育成」「技術継承」に関する具体的業務内容について。
(4) 「会社において勤務」する場合、所属する業務機関の標準数と再雇用者との関係について。

◇人選等はどのように行うのか。本人が希望した場合はどうか。
◇想定している作業等はどのようなものか。
◇この場合の期間はどの程度か。

【文書回答】必要に応じ、支社や地区(指導)センター又は主要な現業機関等において、指揮命令系統には入らずに、アドバイザー的な役割として、人材育成や技術継承を目的とした業務に従事することとなる。
【口頭回答】
職種、職名はとくに限定していないが、それぞれの職種において、高い技術力やノウハウ、指導力を持った者を考えている。
□標準数としては入れないこととする。
◆会社から本人に打診し、承諾を得た場合に、会社に残ってもらうようになる。会社からの要請であり、本人の希望では取り扱わない。
◆運輸関係であれば、添乗指導、訓練、教育内容作成上のアドバイス等を考えている。営業関係は、運転取扱、分任、現金事故防止等の業務と考えている。
◆基本は、再雇用期間中である。
(5) 出向先について、「グループ会社等」としているが、グループ会社以外にどのような出向先を想定しているのか。 【文書回答】「グループ会社等」とは、グループ会社、関係会社、一般会社を示している。
【口頭回答】
一般会社とは、出向先確保のために開拓した会社を指している。
(6) 「グループ会社等」へ出向中の社員が定年年齢を迎え、「エルダー社員」を希望した場合の取り扱いについて。 【文書回答】グループ会社等へ出向中の社員についても、再雇用の対象となる。
【口頭回答】
基本的には出向先でそのまま延長になることがほとんどだと考えている。しかし、出向先を別の会社に変更することは、本人の希望であれば構わない。
大失業と戦争の時代に通用する新しい世代の動労千葉を創りあげよう!
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