━ グループ経営構想「変革2027」━ 「電気部門の変革2022」を提案 外注化―分社化・転籍強制と安全の崩壊

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JR東日本は、グループ経営構想「変革2027」を具体化するために「電気部門の変革2022」を提案した。

「変革2027」は、駅業務と商業施設の一括で外注化、ドライバレス運転化、メンテナンス部門へのCBM(予防検査廃止)と丸ごと外注化、ローカル線切り捨て―廃線化など鉄道部門を全て『外部』に放り出し、労働者に転籍を強制する攻撃だ。公共交通機関としての「鉄道会社」であること自体を放棄しようとしているのだ。

大規模輸送障害の多発

JR東日本の地上設備のメンテナンス費用は営業費用の約2割を占めているが、この間の設備の老朽化等による大規模な輸送障害が発生している。しかも民営化・外注化による電気・システム技術者が不足する深刻な事態に直面している。

秋葉原駅の電化柱倒壊事故、籠原駅での老朽化した碍子の漏電火災事故、頻発する架線切断、保守設備火災など過去に経験のない事故が多発している。設備の老朽化、徹底した要員削減、徒歩巡視の延伸、そして外注化による技術継承の断絶など合理化を原因とするものばかりだ。

こうした状況に対して、「電気部門の変革2022」は、「設備のシステムチェンジ」「スマートメンテナンス」「工事の機械化・効率化」の3本柱を提案し、在来線の電力・信通部門は、「設備管理に対する最終的判断」以外は全て外注化してしまう攻撃だ。

それを「JR社員は設備管理部門のプロになる」という美辞でごまかしている。逆に言えば現場的業務はJRに一つも残さないということだ。それによって、電力や信通のメンテナンスセンターも半減する。千葉で言えば4カ所づつあったのが2カ所になる。直営に残る電気関係の業務は新幹線だけ。それがこの計画だ。

「スマートメンテナンス」で安全が崩壊!

「スマートメンテナンス推進」とはベテラン労働者の技術や集団的な経験則・暗黙知などを無視し、「モニタリング装置」を装着した車両が運行中に線路や架線をリアルタイムに状態監視し、それに応じてメンテナンスを行うというものだ。会社は、人間を機械やロボットに置き換えれば、コストを削減してメンテナンスを「効率化・高度化」できるとし、「《究極の安全》に向けた挑戦だ」と強弁している。

車両検修部門でも、山手線で導入された新型車両から、車両自身に搭載されたセンサーで蓄積したデータに基づいて検査を行うことが提案されている。事故を未然に防止するために定期的な検査が必要だという従来の考え方を根本から否定し、鉄道の安全を破壊する重大な攻撃だ。

だが、新小岩駅へのホームドア導入の経過をみても明らかなように、こんなことは絵に描いた餅だ。ホームドアのような、すでに一定確立されている技術でさえ、まともに動作していない。工事が完成しても不具合で何回も使用開始できず、開始してみたらドアのパイロットランプが消えてしまうという事象が繰り返し起き、輸送混乱を引き起こす。これが実際に起きている現実だ。このまま突っ走ったら間違いなく事故が激発する。

分社化・転籍強制と一体の攻撃 

鉄道の安全は現場が支えている。「スマートメンテナンス」では熟練技術者がもつ高度な技能やノウハウを次世代にきちんと継承することはできなくなる。現場要員の高齢化や若手技術者の不足はさらに深刻化する。

「電気部門の変革2022」は、「4万人体制」をめざしたものあり、分社化・転籍強制と一体の攻撃だ。

鉄道の公共性も、働く者の権利も、安全も、全て破壊するJRの暴走を絶対に許してはならない。職場には闘う労働組合が絶対に必要だ。動労千葉に結集し共に闘おう!

線路から煙、京葉線再開めどたたず…絶縁材焼く (9月9日)

JR京葉線下り線で9月9日午後3時半ごろ、線路から発煙しているのを運転士が発見。現場はJR京葉線新木場-葛西臨海公園間の下り線で、線路に流れる電流を鉄橋に伝えないための絶縁体が燃えた。この事故現場は過去にも問題を起こし、モニタリングでは見切れない箇所だった。

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