青年に訴える②千葉運転区山口世修 「社会と向き合い考えてほしい 労働組合は何のために」

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社会と向き合い考えてほしい
労働組合は何のために

考えてほしいこと

JRの場合、若い人はこれから先もすんなり行くと思っている人が多い。だけどそうじゃない。年収200万以下の世帯が3分の1という日本全体の中ではJRは中の上。でも、すでにグリーンアテンダントなどが入っていて、東京の詰所などで話すけど、若い人がどう思っているのか聞いてみたい。グリーンアテンダントは、乗客とすごいトラブルになりながら低所得でやっている。一方自分らは無関心。自分は敷かれたレールにのって運転士やっていればこのままいくと言う気持ちが多いと思う。俺は「そうじゃない、これからの社会は大変なんだ」というけど、「そういっても現に何でもないし、株価も上がっている(みんな社員株主会に入っているから)し」と。俺は「株が上がったって、祝日勤務手当など廃止されてそれ以上に賃金削られてるってるんだよ。一方で同じ若者で食えない人もいっぱい出てきているんだよ」と。
俺たちは国鉄分割・民営化を経験してクビを覚悟で闘ったし、その過程で乗務員勤務制度の改悪があって、超勤前提交番になって、「仕事はきつくなるけどお金になる」といわれて、最初喜んでいた人もいたけど、数年後にはまた改悪できつい仕事だけが残って超勤もなくなった経緯があるでしょ。

歴史を伝えたい

今の若い人も国鉄時代のことを聞きたがっている。動労千葉がなんで東労組と袂をわかったのかとか。東労組・旧動労が何をやったのかとか。俺もそうだけど、団塊の世代が安保闘争とか闘ってきたのを見ているから、労働組合の大切さということがわかってきたんだよね。若い人には情報は遮断しないでほしいと言いたい。そのかわり動労千葉はウソはいわないよと。最後の判断は自分でするしかないわけだから。だからちゃんとに歴史を伝えたい。
若い頃は組合も強かった時代だし、当時は俺もいればいいやって感じだった。だけど役員やってわかってきたことは、労働組合は一人ひとりが自分の問題だと思って動かないと成り立たない。自分は何もやらないでいいというわけにはいかないんだよ。組合というのは仲間の集団。本当の仲間だと思うから助け合うし、当局と闘う。動労千葉は何をやるにも組合中心でやっている。飲み会も、サークルも。家族ぐるみのつきあい。そこが他労組にはないところだよね。

自己責任、規制緩和

今どうなっているのか、情勢は大事だと思う。若い人には「小泉が自己責任論なんて言い出してからおかしくなった。儲けるヤツは儲けて、ダメなのはダメ。派遣だとか昔は職安しかやっちゃいけなかったことを民間の企業が中間でピンハネしてやっている。昔だったらあんなことは人身売買と同じで出来なかったんだぞ」って話す。黙っていたらもっと酷くなるってね。
若手は俺のことを「予想屋だ」と言ってるらしけど、こっちも団結して五分にならないとやられちゃうのは事実。一番の罪は規制緩和。規制というのは弱い人を守るためにあった。それをとっぱらったからシャッター商店街や夕張になった。資本家を守るために労働者もダメにした。人づき合いがうまくいかない人だって、今までは社会がそういう人を守ってきたわけでしょ。守らなくなれば引きこもりだとか、ニートになるのは当たり前。ワーキングプアなんて、それでいいのかって。だから闘わなくちゃいけない。自己責任だから自分以外のことには関心をもたなくなる。あれは罪だな。
憲法だって、俺らは改正しなくたって何の不自由もないのになんで改憲しなくちゃいけないのか具体的に出してくれよって言いたい。今は安倍が国家主義者で「美しい国」って言うけど、だったら弱い者を助けてやれよって。自己責任とこれは真っ向から反対のものなんだよ。

労働組合は何のために

一番伝えたいのは幕張事故の闘い。やはり幕張事故闘争で勝ったというのが大きい。「大月事故みてるだろ。東労組だって顧問弁護士に見離されて、それで自分で弁護士頼んだんだぞ」ってね。「組合費だけとって何もやらないこと自体おかしいだろ」って言った。「動労千葉だって、いっときは闘えないかと思ったけど、やっぱり徹底的に闘っていくしかないと決断して、仲間を守りきったんだよ」ってね。
携帯解雇の件だって、闘わないでああなった。動労千葉はそういうことだって教訓として闘いの中にとり入れている。東労組や国労だってちゃんと労働者のために闘うんだったら、別に動労千葉なんかなくたっていい。
支部の組合員が、平成採の人に「うちの委員長は組合員の話をよく聞いてくれるんだぞ」ってオルグをしていた。徹底的に議論してひとつになって闘う。そういうところが動労千葉のいいところ。「俺たちは鉄路に生きる3」の本を出したけど、動労千葉は全部さらけ出して闘っている。だから若い人に読んでほしい。
俺としては若い人たちには大いに期待している。心からともに闘いたいと思っているし、俺たちにぜひ力を貸してほしい。

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