JR東日本で歴史的な大合理化攻撃が準備されている。9月3日の定例記者会見で深澤社長は、JR東日本で1100億円、グループ全体で1500億円のコスト削減を行うと表明し、「抜本的な構造改革が必要」だとしている。会社は日々攻撃をエスカレートさせている。3月ダイ改を機に、分割・民営化以来最大の合理化攻撃が実行に移されようとしている。
◇現場裏切り合理化に手を貸すな!
この中で東労組は再び三度「雇用を守れ」という言葉で現場組合員を裏切り、会社に売り渡そうとしている。「骨身を削っても雇用や職場を守り抜いた国鉄改革を教訓化すべき」、「『三本柱』(早期退職・一時帰休・出向)や『広域異動』などの取り組みが実現し『職場と仕事と生活』を守ってきた」、「全組合員と共に黒字経営をつくり出す」などと主張し始めたのだ。
だが、なぜ会社が提案もしていないのに、「早期退職・一時帰休・出向」を持ち出すのか?
これは国鉄当局が「余剰人員対策」と称して打ち出した「首切り3本柱」だ。旧動労=JR総連はこれに積極的に協力した。要員削減のターゲットにされた50歳以上の組合員には、靴に水を入れる、ロッカーに「後進に道を譲れ」と書くなどの陰湿な嫌がらせまで行った。JR発足時、50歳以上の労働者は誰ひとり残らなかった。何が「職場と仕事と生活を守った」だ!
〝労使で黒字経営を作る〟とは、直接には期末手当が何ヶ月カットになろうと、どれほど要員削減されようと、「文句は言いません」と言っているに等しい。これまでJR東は凄まじい額の利益を上げ続けてきた。今年の株主配当は約600億円で、自社株買いを含めれば年間1千億円の巨費が株主のために投じられている。それなのに現場で日々鉄道の運行を支えている労働者が、なぜここまで会社にひれ伏さなければならないのか?
「雇用を守る」なる言葉で現場組合員をごまかし、会社にすり寄って合理化に手を貸し、労働者の権利を売り渡すなど絶対に許されない!
◇ひれ伏し続けた結果が今だ!
そもそも、東労組が「雇用を守るためには仕方がない」「反対だけでは展望は開けない」などといって、会社の合理化攻撃に手を貸してきたことの結果が今ではないのか。
検修業務外注化やライフサイクル制度には、JR採用の東労組組合員からも切実な怒りと反対の声が上がっていた。それを会社と一体になって現場組合員を黙らせ、施策推進に手を貸してきたのが東労組だ。そうやって労働者の団結を地に落としてきたことが、会社がここまで居丈高に攻撃を振りかざす条件を作ったのだ。
ライフサイクルという、運転士をたらい回しにする矛盾だらけの制度が成立したのは、東労組が会社に〝逆提案〟してまで協力したからだ。検修業務外注化は、「『労使は外注化を積極的に推進する』という条項を認めなければ、60歳以降の再雇用を認めない」という卑劣・違法な方法まで使って推進された。東労組が会社と結託しなければ、絶対に成り立たない攻撃だった。
ついに東労組は乗務員勤務制度改悪や運転士・車掌職の廃止、ジョブローテーションまで容認するに至った。御用組合では労働者全体の権利も、自分自身の権利も守れない。もうこんな裏切りの歴史は終わらせなければならない!
◇攻撃は必ず破綻―職場からの反撃を
JRがやろうとしていることは、あらゆることが矛盾だらけだ。そもそも無人運転や、検修部門のロボット化・自動化などの可能性があるのは、莫大な投資ができるごく限られた職場、線区だけだった。それも毎年のように巨額の利益を上げ続ける中だからこそ進めることができたものだ。
コロナ下で湯水の如くAI化等に設備投資するなどありえない。結局、攻撃の核心は外注化=非正規職化だ。その中身は徹底して労働者を低賃金でコキ使うことで利益をあげることだけになる。
だが、外注化を進めた職場で何が起こっているのか? 外注化から9年が経ってもCTSは検修・構内会社としての体裁をとることもできていない。CTSで採用したプロパー社員は次々に他の鉄道会社に転職してしまう。これが現実だ。
会社は改めて労働組合破壊と社友会による職場支配に向けて攻勢をかけようとしている。だが、JR側も矛盾だらけだ。団結を守り抜けば、会社側の矛盾を突き、力関係を転換する展望が必ず生まれる。団結を守りぬくことができれば、労働組合の力は決して小さくはない。社友会に職場を明け渡してはならない。今こそ職場に闘う労働組合を! すべての仲間は動労千葉とともに闘おう。