「解雇撤回?JR復帰」を捨てた国労大会 1047名争議団の団結 解雇撤回の原点貫こう
「総団結」の内実は
8月26?27日、国労第72回定期全国大会が開催された。国労本部は、この大会を「総団結する歴史的大会」と位置づけていた。 1047名の解雇撤回闘争?4党合意をめぐって生じた組織内の対立、亀裂をのりこえて団結を回復しようという主旨だが、提起された運動方針案は、「解雇撤回」も「JR復帰」も、それどころか「1047名闘争」という言葉さえも消し去られたものであった。国労本部は「総団結」のためにと称して、闘う闘争団員に対する「生活援助資金」の凍結を解除することなどをにおわせていたが、凍結解除も、22名の闘争団員への統制処分の撤回も、「そのような状況にはなっていない」ことを理由に拒否した。
「早期収拾」が本音
「総団結」というが、国労の団結が崩れたのは、激しい反対の声を機動隊を導入して圧殺し4党合意の大会決定を強行したからに他ならない。さらに国労本部は、闘争の継続を訴え続けた闘争団員への生活援助資金を止め、統制処分し、ついには自らの組合員を警察権力に売り渡した。 これら一切が「総団結」の名のもとにやられのである。そして今度は、「1047名闘争」や「解雇撤回」そのものを運動方針から抹殺してしまうようなことが「総団結」の名のもとに行なわれようとしている。 そして大会では、「解雇撤回」ではなくて「雇用確保」、「不当労働行為の原状回復」ではなくて「慰謝料請求」そして「早期解決」「政治解決」「年内解決」という空絵ごとが繰り返され、早期解決のためには鉄建公団を相手にした新たな訴訟はしないという方針が確認された。結局これは、1047名闘争を早期に収拾し、切り捨ててしまおうということだ。
1047名の解体
「1047名」という言葉そのものを運動方針から消してしまったのも、1047名の中には、動労千葉争議団が含まれるからだ。国労大会の直前には、国労と建交労(全動労)の共催で「ILO勧告を機にJR不採用事件の早期解決を」と題した集会が開催されたが、その呼びかけにも「1047名」や「解雇撤回」はひと言もない。早期に収拾してしまおうとしているときに動労千葉がいては困るということだ。 この間の事態は、国労本部と革同?共産党グループが手を組んで、動労千葉を排除し1047名闘争を早く終わりにしてしまおうという深刻な反動に他ならない。
この地平はどこへ
今年4月13日の1047名闘争支援大集会では、三争議団・闘争団が演壇に並ぶなかで、これまで国鉄闘争を支援しつづけてくれた首都圏の労働組合が総結集する画期的な地平が切り開かれていた。17年目にして初めて、様々な立場の違いをのりこえて新たな一歩が築かれたにも係わらずこの事態である。だが闘いというのはそういうものだ。闘いが前進すれば必ずそれへの反動が生まれる。それをのりこえることによってしか闘いの戦列は強化されない。
「早期和解」の幻想
だが何よりも最大の問題は、闘争団の中にも、「総団結」論や「早期収拾」路線に大きく絡めとられていく動きがでてきていることだ。国労本部などの動きに対する怒りの声はほとんど聞かれない。むしろ全体が総ぐるみで「早期解決」という願望、幻想にまきこまれてしまっている。 一時も早い解決を求める思いは誰も同じだ。しかし、闘いの側から「和解、和解……」「政治解決」と繰り返すようなことをすれば、足元を見透かされ惨たんたる結果となるのは目に見えている。何か要求をまとめれば解決すると思うのは、あまりにも主観的な願望に過ぎない。和解も原則的に闘ってこそかちとることができるのは争議のイロハなはずだ。 とくに国鉄闘争が国家をあげた労働運動解体攻撃との闘いであることを考えればなおさらのことだ。
闘いの原則貫こう
1047名の団結を築きあげ、全国の労働者に新たな闘いを呼びかけ、その息吹でJR本体からも闘う国鉄労働運動再生への声を結集し、矛盾を噴出させているJR資本との闘いを組織する。全力をあげて鉄建公団訴訟への1047名の結集と支援陣形をつくりあげる。「日の丸・君が代」の強制に対して断固として起ちあがった教育労働者の闘いをはじめ、大きな援軍も生まれている。こうした闘いと固く連帯して、巨大な闘いの戦線をつくりあげる。───こうした原則的闘いを貫くことのなかにこそ勝利の展望はきり開かれる。
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