6月17日、「国鉄闘争から新自由主義と闘う労働運動の再生を」と題して国鉄闘争全国運動主催の討論集会が開催された。「労組弾圧との闘い」、「新自由主義との闘い」、「反戦闘争」の3つのテーマで報告と討論が行われた。
「労組弾圧との闘い」
はじめに港合同・木下執行委員が関西地区生コン支部への大弾圧との闘いを主なテーマに報告した。港合同と関生支部、全港湾はともに地域の闘いを牽引し、弾圧などに対しては互いに支援・激励行動を行ってきた関係だ。
報告の冒頭、今年5月のG7サミット粉砕闘争ともに、かつて労働組合がスクラムデモを闘ってきた歴史を振り返り、そうした闘いを過去のものにせず、今こそ労働組合が戦争を止める闘いの先頭に立って闘おうと訴えた。
関生支部に対する当たり前の労働運動を「犯罪」にでっちあげて逮捕・起訴する大弾圧に対しては、関西労組交流センターが「改憲・戦争に向けた労組弾圧との闘い」と提起して抗議集会や組合員への激励行動などの反撃にたち、関生支部とともに弾圧を地域との結合、新たな連帯行動で乗り越えてきたと報告した。
困難な中でも反撃に立つことで労働委員会での勝利などがかちとられ、和歌山事件では逆転無罪と産業別労働運動の権利を認めさせる高裁判決をかちとり、闘いは反転攻勢へと進んでいる。
こうした闘いを踏まえて、「この弾圧を打ち破る闘いの中に階級的労働運動を甦らせる道、11月集会1万人結集の道もある」と訴えた。
港合同での闘いとしても、現在ストを構えて一時金闘争にのぞんでいることや経営の反動化などを報告し、「戦時下の組合つぶしとの闘いと捉えて闘いを組織できたのは、関生弾圧との闘いがあったからだ」と総括された。
「新自由主義との闘い」
続いて新自由主義と闘う労働運動再生の展望をテーマに、自治労広島市労働組合の前執行委員長である福井さんが報告を行った。
広島市職労は連合結成過程で自治労を脱退し、数年後に自治労連に加盟した。その後、1996年8月に自治労傘下の広島市労働組合が結成された。
福井さんは、「理不尽な分割・民営化に対して闘い解雇されるのは間違っているし、解雇撤回の闘いに同じ労働者は協力してくれる」という思いで動労千葉物販を職場ではじめた。物販を継続する中で組合員も協力者も拡大してきたことを報告し、「ここに労働者の団結を見る思いだ」と語った。
もっとも印象に残った闘いとして、現業の正規職員の退職者補充に会計年度任用職員をあてることに反対し、現業職総出で団交を行い、はじめて交渉決裂となった闘いがあげられた。また、会計年度任用職員の組合員が団体交渉に参加し、前面に立って当局とわたりあった闘いへの思いと意義を語った。
最後に教訓として、①動労千葉物販が闘いの基礎にあった、②継続は力なり―決して諦めないこと、③職場生産点からの闘いが重要、④非正規労働者は救済対象ではなく力を持った存在、雇用形態に関係なく同じ労働者として団結していくこと、⑤反戦・平和を闘う労働組合を作っていくことの重要さが提起された。
「反戦闘争」
「反戦闘争」のテーマでは、神奈川労組交流センター・三浦半島教育労働者部会の桝渕さんから報告があった。桝渕さんの所属する三浦半島地区教職員組合(三教組)は、米海兵隊基地や自衛隊基地がある地域において反戦反基地闘争を軸に組織され、神奈川県教組の〝鬼っ子〟と呼ばれた過去がある。
桝渕さんが部長を務める事務職員部は女性が多く、「お茶くみや電話番は当たり前」という女性差別が横行する学校事務職場の状況を職場闘争で変革し、「職場の民主化」運動や反戦闘争の先頭にたってきた。
報告では、深刻な長時間労働と非正規職化、「年度初めから欠員」など「教育崩壊」というべき職場状況の一方、ストレートに組合を求める若者が増えている現状などが語られた。
また、「改憲・戦争阻止!大行進神奈川」の結成と運動を、三教組の中に階級的労働運動の主体をいかに作るか、反戦闘争を労働組合の「最も重要な任務」として確立していくかという問題意識のもとに取り組んできたことが報告された。今年の三教組の定期大会では代議員から「空母母港化50年の闘いを組合員10割動員で闘おう」ということが正面から提起されている。
そして、「『教え子を戦場に送るな』というスローガンを実際の戦争を阻止する行動原理として階級的に甦らせていくことが必要」と決意が語られた。
討論では多くの参加者から発言があり、最後に全国運動呼びかけ人の金元重さんから各提起ごとに意見を述べ、同じく呼びかけ人の山本さんからまとめが提起された。