7月25日、今年度の最低賃金引き上げ額について全都道府県で50円引き上げる答申がおこなわれた。これを受け千葉県の最低賃金は10月1日から50円引き上げられ1076円となる見通しだ(現在、千葉県は1026円)。
これを受け、動労千葉は8月26日、CTSに対して「ただちに事業所賃金(時給)を1500円に引き上げること」等を求めて申し入れを行った。
▷契約社員・パート社員の時給を直ちに1500円に。事業所間の時給格差解消を。
▷希望者全員の正社員登用。とりわけ無期転換した契約社員は直ちに正社員登用を。
▷契約・パート社員の定期昇給制度導入。正社員と同様の退職金制度の新設。
▷全社員に住宅手当の支給拡大を。
▷エルダー出向者の70歳までの雇用を。
▷65歳以降の賃金引き下げをとりやめ事業所賃金と同額に。
▷深夜早朝手当の事業所間格差解消し、一律1500円支給を。
▷嘔吐物処理手当、消毒作業への危険手当。
■上場企業は過去最高益でぼろ儲け
労働者人民は物価高騰で悲鳴
「最賃50円」では問題にもならない!
「最賃50円引き上げ」「過去最高額」などと報道されているが、この間の情勢から見るならば問題にもならない額だ!
今年3月期決算で、日本の上場企業は3年連続で過去最高利益を更新した。歴史的な円安で、大企業は空前のぼろ儲けをしている。他方、こうした利益はほとんど還流せず、労働者人民の生活は何年にもわたる物価高騰できわめて厳しい。
最賃ギリギリで働く労働者の割合は年々、増加し、ある試算によれば、この10年で最低賃金の1・1倍以内で働いている人は2倍になった。最賃の1・2倍以内に範囲を広げると、全労働者の約24%(4人に1人)に達する。CTSも全事業所で最賃の1・1倍以内だ。
30年にわたり徹底的に賃上げが抑えられ、日本の賃金はOECD諸国中で最低ランクに転落している。本来なら、最低賃金を一気に2倍ぐらいに引き上げて当然なのだ。
■子会社の賃金を抑えて黒字をかせぐJR東日本
あくどい大企業の典型例がJR東日本だ。業績が大幅回復しているにも関わらず、いまだにグループ会社に対する許しがたい賃金抑制を続けている。JR東日本とCTS経営陣が一体となり、グループ会社の現場社員に矛盾と負担をしわ寄せする構造は断じて許しがたい。
そもそも、動労千葉が実施した賃金アンケートでは、社員の平均手取り額は、運転車両で19万円前後、清掃では15万円程度に抑えられており、将来の生活設計どころか、日々の生活にさえ事欠くような低賃金が強いられている。
ウクライナや中東で続く戦争、さらに円安等の影響で消費者物価は高騰を続けており、電気代・ガス代の政府補助も間もなく打ち切りとなる。CTSの現場からは「もう限界だ」という声が上がり続けており、事業所賃金の大幅な引き上げは待ったなし、だ。
■闘って賃上げをかちとろう!
今年4月にJR東日本は、子会社再編でコインロッカー事業をCTSから引き上げた。数億円規模の収益が一瞬にして消えてなくなった。これがJR東日本のやり方であり、グループ会社に対する姿勢だ。
闘うことなしに賃金は上がらない。アメリカやヨーロッパ、全世界で高揚する労働運動に学び、闘って賃上げをかちとろう! 正社員も、契約・パート社員も全職場から声を上げ、CTSでの大幅引き上げをかちとろう!
▼アメリカは今、「非常に刺激的な労働運動の時代」!
▼全米自動車労組では2023年、46日間にわたるストに約5万人が参加。4年半で25%の賃金増。
短期雇用労働者への差別(二段階賃金)撤廃
▼ホテルの従業員労組。60以上のホテルでストライキ。4年半で40%の賃金増をかちとる。最初の年は時給5ドル増を確約
▼ドジャーススタジアムの労働者。皿洗い労働者の時給が2025年までに30ドルに。調理師が時給40ドルに
▼ロサンゼルスの空港・ホテルの労働者は最低賃金が時給25ドルに。年々、1ドルづつ上がり、2028年には時給30ドルになる
▼ハリウッドの脚本家・俳優のストライキ
脚本家11000人が148日のスト、俳優6万人が119日間のスト。 ネットフリックスなどのストリーミング企業から大幅譲歩をかちとる