昨年11月19日、東京・日比谷野外音楽堂は、コロナ禍をこえて全国各地から結集し、会場を埋め尽くした2800名の熱気に包まれました。沿道からデモへの参加者も200名をこえ、この数年では最大の結集を実現することができました。闘いを支えて下さった皆様に心から感謝いたします。
滞日・在日外国人労働者・留学生が多数参加してくれました。それは、ウクライナ、ガザ、台湾・中国、ミャンマー等をめぐって戦争(クーデター)が泥沼的に激化し、日本政府がそれに深く関わっていることを象徴していました。また、外国人労働者が200万人をこす日本社会の現実を反映したものでもあり、そして何よりも一昨年来、全国各地の仲間たちが無数の反戦デモや職場からの闘いを組織するなかでつくりあげたかけがえのない連帯の姿でした。
集会では、3労組と民主労総ソウル地域本部の代表が演壇に立って「韓日共同声明」が読み上げられ、「パレスチナ連帯決議」が採択されました。2023年11月集会は、国際連帯闘争の前進という点で、画期的な地平を切り開きました。「戦争を止め、社会を変える力がここにある」「国境をこえた労働者の連帯を!」が3000名の共同の決意となったのです。
さらに、港合同昌一金属支部、JAM日本機械労組、船橋二和病院労組、SKさくら交通労組など、組織化の先頭を担った仲間たちが、11~12月にかけてストライキに立ち上がっています。11月集会はそうした闘いと一体となることで、単なるカンパニアをこえて、本来の意味で労働運動の変革をめざす闘いに飛躍していくきっかけをつかみました。私たちは、切り開かれたこの地平をさらに発展させたいと願い、3年目となる共同アピールを発することを決意しました。
世界中で、「ガザ大虐殺をただちにやめろ、パレスチナに自由を!」の声が轟いています。ヨーロッパ、中東、アジア―世界をのみ込もうとしている戦争の危機に対し、時代を揺るがす闘いが開始されています。東アジアでは、「台湾有事」をふりかざした中国侵略戦争の危機が急速に高まり、岸田政権は、「裏金問題」に揺らぎながら、大軍拡に突進しています。
安保3文書の改訂は国の性格を根本から変えました。43兆円どころか「国力としての国防」の名の下に、全省庁の予算を「総合的な防衛体制強化のために効果的に活用する仕組み」が作られたのです。通常国会では、地方自治を最後的に解体する法改悪が強行されようとしています。
成長の余地を失った資本主義の危機こそが戦争を生み出す真の原因です。特に新自由主義は世界中で数億もの人々を飢餓につき落とし、民主主義的なものをことごとく破壊し、国家と国家の激しい衝突を生み出しました。それによってもたらされた経済的・政治的危機に対し、世界中で労働者の反乱が巨大なデモ、ストライキの大波、民族解放の血叫びとなって燃え上がっています。
日本では財界や政府が〝賃上げ〟を連呼し叫びたてる異様な状況が生まれています。その背後にあるのは、すべてが崩れ落ちかねない危機です。30年以上にわたって賃金を下げ続けた結果、気がついてみると社会全体が崩壊しようとしている現実に愕然とし、我慢のならない怒りの声が地に満ちて、闘いとなり、ストライキとなって炎をあげようとしていることを恐れているのです。「冗談じゃない! 2100万人もの労働者を非正規職に突き落としたのは誰なんだ!」の声を今こそあげなければなりません。それに手を貸し続けた連合も同罪です。私たちは戦争反対の闘いをさらに強化するとともにストライキの復権をかけて全力で闘いぬきます。
私たちはあらためて4つのことを訴えます。
関生支部にかけられた戦後最大の労組弾圧、JRにおける「労組なき社会化」攻撃を粉砕するためにぜひとも全国の力を結集して下さい。関生支部は和歌山事件―大阪高裁に続き大津地裁でも7名の無罪判決をかちとり反転攻勢に立とうとしています。
第2に、新自由主義を終わらせ、地に落とされた労働者の権利、ズタズタに引き裂かれた社会をつくり直すために立ちあがろう。それができるのは労働者の団結した闘いだけです。
第3に、労働組合の最も重要な任務として戦争反対の闘いに立ちあがろう。特に東アジアでの戦争を止めるために全力を尽くさなければなりません。
第4に、労働運動の不可欠の課題として国境を越えた労働者の国際連帯闘争を発展させよう。この訴えは、よりさし迫った課題となって私たちの前にあります。全国の仲間とともに「闘う労働組合の全国ネットワークをつくろう」と訴えて27年前に始まった11月集会を今こそ力強く発展させたい。
私たちは、11月3日、東京・日比谷野外音楽堂で「労働者の団結した力で戦争・改憲を止めよう! 新自由主義を終わらせよう! 労働組合を甦らせよう!」と訴えて、全国労働者総決起集会―戦争・改憲阻止! 1万人大行進」をよびかけます。地上に道をつくるのは私たちの一歩です。多くの仲間たちがその闘いに加わって下さることを願っています。ともに闘いましょう。
2024年2月11日
全日本建設運輸連帯労働組合関西地区生コン支部
全国金属機械労働組合・港合同
国鉄千葉動力車労働組合